2021年4月2日金曜日

NBOX現代サッカー再考

NBOXを現代サッカー視点で再考してみる。


NBOXは縦列フォーメーションで守備思想はワンサイドカットからプレス。

縦列なのでサイドライン側から見るとサイドとセンターの間に守備ラインを敷いた形になる。

縦列のままサイドによるのでコンパクトにサイドのエリアを制圧できる。

ボールがサイドにある限り縦列の方が攻守に機能しやすいと言える。



NBOXのサイド守備は非対称。

左は服部が出て右は鈴木秀人が出る。

3バックを5バックの攻撃型と捉えるのか、1CB+SBと捉えるのかで違うのと似ている。

服部が出て行くのはボランチの偽SB化で現代型ともいえる。

3バックが移動しないので、バイタルを空けたとしてももう1枚のボランチとその後ろに3バックが残るので一発で抜かれる可能性は低い。

逆に秀人が出る形だと3バックから2バックになるのでボランチの福西が下がる必要がある。

もともと福西がサイドに出るスピードがない為に秀人が出ているわけだが、そこは連携ということになっている。

今、ジュビロが3バックのサイド守備の基本としているのは秀人型で1CB+SBのスタイル。

ここに間違いがある。

本来は3CB+偽SBの服部型の方が安定する。

しかしボランチにはキッカー、パサータイプを置いてしまう為に中央もサイドも守備が極端に弱くなってしまっている。


NBOXの陣形はブラジル型の442ボックスの3バック版と考えて、かつSBの偽SB化と考えると理解しやすい。


攻撃はサイドで奪った後に服部、名波のサイドチェンジで逆サイドWBに出した後に全体を中央に戻す。

2トップがゴール前に入り、3人目に守備サイドから逆サイドになった左WBの藤田が更に入ってくる。

藤田は逆サイドからの侵入になるので見えにくく警戒、守備しにくい。


中盤のサイコロの5の目の形はポジショナルプレーで説明できる。

同じレーンは前後一つ飛ばし、隣のレーンとは前後関係で斜め。



現代サッカーの基本的思想から考えると非常にマッチしたものだった。

20年先に進んでいたフォーメーション。

だからといってこれが今通用するかと言えば難しいかもしれない。


ただ、NBOXのように革新的な思想のフォーメーションを採用するというチャレンジは非常に面白い。


NBOXの問題点はサイドに人がいないのでダイレクトプレーによるサイドチェンジを使われるとプレスの速度より速いので詰め切れずにボールを奪えない。

サイドを縦に突破しようとする相手にはそのままプレスにいけるので問題ない。

縦列の弱点はサイド。

かつボランチがサイドに出てしまうとバイタルが空いてしまう。

通常の3322(アンカー+WB)の方がサイド守備に関しては良いかもしれない。




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