2021年4月22日木曜日

システムのミスマッチと対処

ジュビロは3421、541、523のシステムを組んでいる。

問題点は442のSB対策。

ここが今の所弱点に近い。


相手がポゼッションしている時にジュビロは541、523で見ている。

SBが持っている時にWBが最終ラインから長めの距離を飛び出してマークにいく、

その後SBがCBやGKに戻すとまた最終ラインに戻る。

このプロセスがミスマッチになっている。

ポゼッションしている相手は一旦CBやGKに戻して、すぐSBに出せばWBは戻った位置からまた飛び出さなければならず、WBの負担が増大する。

2シャドーが1トップの横に出て523の形の場合にシャドーがSBをみる。

ここのWBとシャドーのマークの受け渡しなどの連携がしっかりした方が良い。

SBからCBに戻すと前線3人は中央にスライドして戻り、WBは最終ラインに戻る。

シャドーは前線にいるのでWBがまた上がるよりは近い場所にいる。


以前にジュビロが失点していたパターンとしては、442のSHが中央のCHと一緒に中央に4人ラインを作ったり、SHがCHの前に入ってボックスになってサイドにSBだけを置いた形を作っておいて、SBにWBが食いついてきた時にWBの裏にSHが中央から飛び出して縦パスを受けサイドを突破される形。


対処方法としてはWB、シャドーだけでなく、ボランチとCBとの兼ね合いが出てくる。

これは相手の攻撃とも関連する。

大宮の守備を見るとゴール前、センターに3人(2CB+SB)、ハーフスペースに2人(SB+ボランチ)、ワイドに1人(SH)を配置して守備していた。

これはハーフを突破されることを警戒した配置でワイドは抑えるだけ、ということ。

センターでフィニッシュするとして、崩しをワイドからいくか、ハーフからいくか、で2択の攻撃がある。

起点がワイドなら、インナーラップでハーフを突破、起点がハーフならオーバーラップでワイドを突破。起点から2次攻撃経由でのフィニッシュ。

起点ワイドなら、クロス、起点ハーフならニアに縦パス、と直接アシストもあり得る。

1つ戻すとワイドのSBからワイドのSHへの縦パス → ワイド攻撃、ハーフのCBからトップへの楔経由でCH、ボランチ → ハーフ攻撃、という流れから、2択に移る。

これらの流れで現在はSBが起点になりやすい。4バックで攻撃時に1列上がって来てボランチ役にもなるので、最終的にSBがワイド、ハーフのどちらも担う起点になる。

つまりSBを最初に抑えることの重要性は守備の起点、カウンターの起点にもなるので最重要課題でもある。


ジュビロは3421のシステムで2シャドーが中を締める形を取りやすいのでSBが浮きがちになる。それをWBがマークに行くと442の場合裏を突かれやすい。

裏を突かれた場合にはCBかボランチがサイドをケアする。ボランチよりCBの方がより近いのでCBがサイドに流れるとCB間でスペースが出来てしまいボランチがそれを埋める為に下がるとバイタルに隙ができる。サイドからマイナスのクロスをバイタルに上げられ相手の飛び込みやトップの下がりでバイタルからシュートされる可能性が高い。

WBの裏は常に狙われる場所なので、SBの対処は前にいるシャドーがやった方が良い場合もある。

シャドーがSBのマークに行くとなるとシャドーとCFの間にスペースが出来るのでボランチがその中間を見ることになる。

WBが上がるとCBやボランチのポジションも移動して全体のバランスが崩れやすい。

またWBのスタミナの問題も出てくる。

シャドーとCFの中間スペースはボランチの初期位置でもあるのでむしろその場所にいた方が効率は良い。

ということは、523の形で前線3枚が中央を守るより、シャドーはハーフからワイドを守るようにした方がより効率よく守れる可能性が高いということになる。

523というより541の両サイドが上がった形に近い。相手のCBからの斜めワイド側へのパスが通りやすいが、それはSHに入るパスでWBが5バックの初期位置で抑えやすい+ボランチの横移動+シャドーのプレスバックで狭い範囲で囲めるのでカウンター起点となるポジティブトランジションとして考えると決して悪くない。

523は偽4バックスタイルで海外で流行っているようだが、多分日本ではサイドの強度とスタミナを考えると無理がある。

多分、重要なのはWBを前に出さないことだと考えられる。これは弱点を晒すかどうかの問題で、3バックの弱点である3バックの脇を突かれるスペースを相手に与えることはない、ということ。

シャドーがSBにマンマーク的についているだけでかなり相手の攻撃の起点を邪魔していることになる。

ジュビロはシャドーにフリーマンの大森と逆に余り動かない大津なのでちょっと対応としては問題が残る。さらにスピードの無い雄斗のWBやボランチの山本が対応するのも少し違う気がする。

山田と松本などスタミナに自身のある選手が前目でプレーできることを考えると攻守に意味のある配置になるとは思う。

特に今の2シャドーはルキアンとの連携が悪くてルキアンが孤立しがち。

山田、松本ならワイドの動きも中に入っての動きもできる+対SBの前からの守備を考えると両ハーフ、ワイドの高い位置でプレーさせるともっと輝くと思う。

元々ジュビロは2列目が強いチーム。それを他からまた2列目選手を入れても余り意味がない感じがする。

むしろ3列目4列目に守備の選手、1列目のFWを補強した方がジュビロの強みが活きると思う。

今は生え抜きで2,3,4列目といい選手が出てきているので実戦経験を積ませたい。

日本代表のベテランを入れるのはごく少数でいいし、後は外国人選手のアタッカーと若手との融合で中長期的にバランスの安定したチーム作りが出来たらいいと思う。


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