2017年8月14日月曜日

磐田対策3バック

最近どのチームも磐田対策に急造でも3バックでくる感じに見える。3バックでもWBが2列目にいるならサイドのロングボールに弱い。磐田としてはWBは引いて相手のWBの裏を狙えばいい。逆サイドからのサイドチェンジでWBの裏を狙ってもいい。シャドーがサイドに開いて裏で受けて、トップにそのまま入れるか、ドリブルで斜めに入りながらシュート、もしくは囮からパスして守備の薄い場所からシュートを狙う。

3バックでもWBの位置の違いは大きいので、こちらが中央を閉じていれば相手はサイドに回さざるを得ない。相手WBにはこちらのWBが対応しつつ、奪ったらその裏をそのまま突いてやればいい。相手のWBが引いている3バックの場合はこちらと同じような形になりやすい。3322のワンボランチなら、WBとボランチの間をシャドーが使いやすい。中央のスルーパスが有効になる。

問題はミラーに近い形。3バック+WB+Wボランチだとお互いに攻め手にかける。中央に人が集まるしそこを突破するのが難しい。CBとWBの間をシャドーが切り崩すのが良いがそのためには左右に大きくボールを動かしてWボランチとWBとの間を広くしておくことが必要になる。WBとCBのパスで素早く逆サイドのWBまでつなぐ。もしくはWB間でのサイドチェンジを素早く行う。間隔が出来たらシャドーがそこで受けたりドリブルで突破する。ボールを大きく動かさないと中央は割れない。

磐田は守備をベースにしているから負けないサッカーをしているが、勝ち切るサッカーにはなっていない。引き分けによる勝ち点1の価値は上位では重要になる。勝ち切ることが出来れば本当の上位、優勝を狙えるチームになる。先制点が取れると相手は前がかりにならざるを得なくなる。それだけカウンターが入りやすくなる。セットプレーでの先制点はそれだけ重要になる。カウンターでもセットプレーでも先制点が入ることが大事だ。得点する為には守備をどれだけ分散させることができるか。同時に薄くなった場所に最速の攻撃を最短でかけられること。CB、GKから両WBへの素早いパス、サイドチェンジで相手の守備をできる限りサイドに釘付けにする。中央を開かせるために必要となる。その開いた中央に両サイドから切り込む。ピッチをダイアゴナルに使う。後方での速くて長く正確なパスが必要。中央が開いてくればスルーパスを入れる。

磐田対策の3バックをどう攻略するか。中央攻撃の厚さに対抗して3バック。1トップでもそれ以上に中央を守らなければならないので2CBの4バックではなく3CBの3バックという選択なのだろう。それだけ磐田の中央攻撃の効果が高いということ。磐田のカウンター対策でもある。相手の3バックをどうかいくぐるのか。裏狙いのパスを誰が出すか。どこにひきつけるか。3バックにするということはサイドが1人になるのでそのWBをどうするか。WBがどこにいるか。攻撃的か守備的か。ボランチとWBの間隔は広いか狭いか。

WBが高い位置ならば3バックの弱点であるボランチ、CBのサイドのスペースを使う。WBが低くボランチが1人ならばボランチの両サイドのスペースを使う。WBが低くWボランチなら両WBへ展開して中央から切り離す。その上でWBとボランチのスペース、CBのサイドのスペースを使う。

3バック相手にはできる限りサイドのスペースを狙うことなのでWBが高い位置なら第一の選択肢として狙う。低い位置ならバイタルからCBのサイドを狙う。バイタルを空けさせるためにも一度サイドに起点を作ってWBをサイドに張らせて中央との間隔を開かせる。

シャドーの動きが攻撃の重要度を増す。2CBの4バックの場合ならカウンタータイプのアダイウトンでもいいが、3CBの場合は中央が密集するので機動性のあるタイプのシャドーを入れた方がいい。ゴールに向かわずにスペースを生かして反対に開いてから逆サイドを使うというのもあり。この時は死角を使いこなすタイプのシャドーが良い。いずれにしても対3バックようのシャドーは必要かもしれない。

ガンバ戦

相手のラフプレーや微妙な判定もあったようだが、きっちりと守り切って中村のFKから大井、アダイウトンの2発で完封勝ち。順位を一つ上げた。ここから上はかなり厳しくなる。中位下位との闘いでの取りこぼしは許されない。

守備ラインとGKとのスペースの調整が出来ているようで穴がかなり無くなっているようだ。トラップが機能しているのはボールホルダーへのチェック、ラインコントロール、GKの飛び出すスペースのすべてが管理されているということ。どれか一つでも手を抜けばトラップはかからずにピンチになる。

堅い守備をベースにして攻撃はカウンターとセットプレー。無理にボールを持たず、相手を待って最大の攻撃をかけるカウンターと、相手の守備が堅くてもこじ開けるセットプレー。相手としては攻めればカウンターが怖く、守ればセットプレーでこじ開けられる。磐田は厄介な相手とみられるだろう。中央攻撃を防ぐために中央を絞れば、WBと外に開いた中村が自由にボールを上げてくる。逆に外を警戒すれば中央の縦パスがゴール前に入ってくる。どのシーンにおいても相手に脅威を与えてプレーの質を落とさせている。中央支配によるボールの出し所の限定、裏スペースをトラップで抑える、この2点で相手はサイドで持たされるだけとなり、サイドの安全なエリアでボールを奪ってからスペースのある中央を最短で攻撃する。攻撃スピードの速さは相手の守備の立て直しを許さない。

中央重視の守備と攻撃はサイドをより活性化させる。中央を重視しているからこそ相手の守備は中央によりサイドの中村がより活きてくる。あくまで第一選択肢は中央攻撃。正面からの攻撃は2次的な面での優位性が高くなるから重要。セカンドボールの奪取、FK、PKの奪取、カウンターへの対応と中央を制圧することでゲームの大半の部分は優位に立つことができる。中央を避けてサイドで攻撃するのはあくまで次善の策であって、それを第一にすることは間違い。しかもSBを使ってまでこ縦の突破を仕掛けるのはリスクとリターンが合わない。柏の攻撃のようにトップがサイドに大きく開いて待っている状態で大きなサイドチェンジや中央からワイドへのロングパスなどから、一気にスペースを生かして単騎で攻撃するというのはかなり良い。人の集まり過ぎたサイドでのパスサッカーは余りよくない。ゴールに直接はつながらないからだ。ガンバ戦でも同じで、集団での詰まったサイド攻撃をしても直接得点にはならない。CKを取れることが大事。これは中村がいるため。流れからの得点を狙うなら常に守備をどう薄くするかを考えるべき。それが最大の攻撃になる。

アタッカーはできるだけ守備のズレを作るように囮役として攻撃する。守備の薄くなった場所をフィニッシャーが使って得点する。これが攻撃の基本。守備とは戦わない。守備を騙すことが最大の攻撃になる。守備の欲しがる位置のボールを楔で入れておき、食いついたら戻す。それによって生まれる人数差やスペースを生かして得点する。

サイドに攻め込み過ぎることは守備ラインを下げることになる。守備ラインを上げさせておいて裏を狙うべき。その時はサイド、逆サイドを有効利用することだ。ボールサイドに守備を引き付けて釣り出す。その上で背後となる逆サイドに走り込んでゴールを決める。ダイアゴナルに使うことだ。
そのためにはトップ、シャドー、WBの5人の布陣が必要。WBがシャドー、トップに斜めから入れ、楔のパスの後、WBは逆サイドのシャドー、WBの上がりに大してクロスを上げる。ニアサイドを囮にして逆サイドの本命を使う。相手の守備は常に目の前のボールに集中する。ボールサイドは囮に使い、最大の攻撃は守備の薄い逆サイドへのロングボールのクロス。そこにダイアゴナルに走り込むシャドー、WBがシュートを狙う。トップはそのこぼれ球を狙う。常に2段3段構えでの攻撃を想定すること。攻撃の厚みを絶やさないこと。

WBをセンターライン付近に置くことでボールをサイドに逃がすことと同時にサイドに陽動をかけて守備を寄せて逆サイドを空けさせる。ボールサイドの仕事は直接攻撃することだけではない。磐田は左WBの宮崎と右シャドーの中村がボールを上げられるのでサイドチェンジもやりやすいしサイドからの放り込みもしやすい。両サイドにパサークロッサーを置くことで両サイドのスペースを生かして放り込みやすい。サイドに人数を置いていないのでその分スペースもある。そのスペースがクロスを入れやすくする。

シャドーのタイプを変えればもうちょっと中央での戦いも変わってくると思う。中央突破できるシャドーや裏への動きが速いシャドーとか。今はカウンターとセットプレー用でシャドータイプがいないから使ってる感じもする。本来2列目が飽和してたはずなんだが、サイド突破型ばかりで中央突破型や本当にシャドーで死角から攻めるようなタイプがいない。ドリブル突破型と忍者型の2シャドーになれば中央の攻撃力はもっと上がるはず。しかしそういうタイプがいないのが現状か。

2017年8月10日木曜日

ステルス攻撃

守備はボールのある場所=攻撃とみなすわけだが、パスの出し手と受け手がいるように、ボールを持っているアタッカー、パサーと受け手のフィニッシャーとではどちらが脅威か。ここが守備のリスク管理である。ボールを持ったアタッカーが直接ゴールに迫る地点にいるならばこれは高い脅威になるが、サイドの深い場所にいるなら低い脅威とみなす。つまりボールを持たせておきつつチェックして最短のパスコースシュートコースは潰すして守備をする。

中央攻撃メインの磐田では攻撃が単調になり中央守備だけで防ぎきれる可能性が高い。中央ドリブルはそれを突破するための手段の一つだが、もう一つステルス攻撃がある。相手の守備がボールに注目して警戒している間にフィニッシャーがゴール前に現れて突然ゴールする。

去年の試合だとトップ下の小林がSHと連携してサイドに起点を作る。その間に逆サイドのSBが後方からゴール前まで全力疾走して上がる。相手守備陣はボールを警戒して逆サイドの深い場所から上がってくる選手をケアしていない。ゴール逆サイドまで上がったところでクロスを上げる。相手は死角に伏兵がいきなり現れた状態。守備はケアしていないので簡単にゴールが決まる。

相手の守備をかわすにはボールに注目させつつ、フィニッシャーが死角にいること。トップの
川又には常にCBが付くのでそれ以外の守備のつきにくい選手が逆サイドに消えているのが良い。

現在の布陣の場合なら、WBの宮崎からシャドーの中村にサイドチェンジのロングパス。中村は開いてサイドで受ける。中村がサイドの起点として溜めながらWBの宮崎がサイドを上がる。中村はWB、ボランチとショートパスを交換しながら宮崎の上がりを待つ。中村はニア狙いを匂わせるショートパスを出しつつ、上がった宮崎にクロス。宮崎が空いているファーサイドにボレーを決める。逆に中村から宮崎にサイドチェンジしつつ、櫻内が中村をオーバーラップして死角に上がる。宮崎がシャドー、ボランチを使ってニア狙い。櫻内が逆サイドに上がったらクロス。

ステルス攻撃の基本はボールを囮として使うこと。その為にはサイドに相手の注意をひかせながら、逆サイドのマークされていない選手が死角を使って上がる。この間にボールの持ち手は自分が脅威であることを相手の守備に知らせる必要がある。その為に周囲とパス交換して守備の警戒を自分に向かせることと、上がりきるまでの時間を稼ぐ。両サイドの広さを生かした攻撃。しかしこれは相手の注意が広くある場合には使えない。ボールがゴールに迫るような脅威であると演出する必要がある。

中央攻撃以外の選択肢としてのサイドを使ったステルス攻撃。ボールサイドの攻撃を脅威をして見せつつ、逆サイドでフィニッシュする。
WBからニアのシャドー、ボランチを使いつつ、逆サイドのシャドー、ボランチ、WBがゴールファーの死角に入り込んでクロスを押し込む。

中央攻撃を徹底しているからこそ相手の守備が中央に集まりサイドが空くので、相手の注意が中央にしか向いていないような時に虚を突いてサイド攻撃を使う。中央攻撃という実とサイド攻撃という虚を織り交ぜる。WBの櫻内はボールの落下地点の察知や対応などが上手いので櫻内をステルスに使うといいかもしれない。逆サイドPA外辺りまで上がることが出来れば十分ゴールの可能性はある。足の速いWB、CB、ボランチが一気に上がるというのもいい。

中央攻撃のサポートしてのサイド攻撃は相手の守備が中央に集まった隙をうまく使う攻撃。相手が餌に釣られてくれれば逆サイドをうまく使える。逆サイドのシャドーがサイドに消えているのもありえる。一度プレーエリアを動かしてフィニッシャーがエリア外にいて警戒されないようにするのが重要。警戒されている選手ではフィニッシュ前に相手が感づく。相手に警戒されないポジションや選手を使うといい。

マナブに学べ

仙台戦は敵地で引き分けで連敗なし。勝ち点1をもぎ取った。5バックドン引きの相手に対しての攻撃をどうするか。これが課題として残った。

磐田はドリブル数最下位。理由はドリブルによるサイド攻撃を捨て、中央カウンターに特化したことで最低数のドリブルで勝利を手に入れているからである。ドリブル数が高いからといって勝利するわけではない。

サイドにおけるドリブルはゲームに何ら影響しない。逆にゴール正面でのドリブルはゲームに直結する。下位に取りこぼしのある磐田にとって、5バックで引いた相手をどのように崩してゴールするかは大きな課題の一つ。カウンター主体の攻撃だけではなく、どうやって厚い守備を崩すのか。

ドリブルの価値はどれだけ相手の守備を引き付けるかにある。守備を突破できることではなく、囮としてどれだけ活躍できるかである。もちろん相手の守備の質が悪く突破できたのならこれに越したことはないが、守備が統率されているのが現代サッカーである。

横浜の斎藤学はドリブルの名手なので彼の動きやそれに連携する攻撃を取り入れるべきである。まずはドリブルする位置。サイドではなくインサイドからセンター、逆インサイドまで。サイドを縦に突破するドリブルには何の価値もない。そこに脅威はない。重要なのはゴール正面にある厚い守備をどのように崩すのか。その為の手段としてドリブルによって相手の守備を引き付けるという選択肢を選ぶことだ。中央でのドリブルの利点はドリブラーが守備に強引に止められればゴール正面でFK、PKを得られる可能性がある。ペナルティーエリア内でのドリブルは効果的だし、その前のエリアでも同じ。ただしサイドでは意味がない。次にバイタルで横に動くドリブルでは守備が横にズレるのでボランチから見た場合にゴールへのシュートコースが空くということである。ボランチのミドルシュートが決まる可能性がある。もしくは空いたコース、スペースへの走り込みへの縦パスでより近い場所からのシュートも選択できる。防がれたとしても。トップ、シャドーがPA内に残り押し込む。

このように中央でのドリブルでゴール前の守備をかき回して空いたコースを狙う中央攻撃は3421の布陣とシナジーがある。トップ、シャドーがバイタルで暴れることでボランチの攻撃参加が可能になる。FK、PKが取れれば中村や数多くいるキッカーの出番になる。

ドリブラーは中央でこそ活躍する。アダイウトンもサイドでは全く活躍できなかったが、中央
カウンターに絞ってからは活躍で来ている。アダイウトンの場合は1対1かつスペースのある場合に活きるドリブラーだからである。5バック+Wボランチのような狭いスペースの場合は背が低いが対人に強く切り替えしの速いタイプのドリブラーが使える。松浦はそのタイプなので松浦をシャドーとして中央で暴れさせるのは一つの案だ。それにムサエフのミドルシュート、川辺の走り込みによる攻撃と、川又のフィニッシュがあれば中央の厚みを最大限に活かした攻撃になる。

ドリブルは縦の突破だけではなく、横に動くことで守備を引き付ける効果がある。これによりボランチからのシュートパス走り込みコースを作ることが一つ目。ゴール正面でFK、PKをもらうことが二つ目。これが重要な役割である。

もしこれでさらに中央の守備が堅くなったのなら、相手はサイドの守備を中央に絞ってきたことになる。すると、WBからの放り込みがやりやすくなる。あえて押し込まずに相手の守備全体を前に出させながらWBから裏のスペースを狙う。この時にシャドーが開いてサイドで受けると相手の守備をサイドにおびき出せる。その分中央の守備が薄くなる。

攻撃の基本はどうボールを回すのか、ではなく、どう守備を動かして薄くするか。である。その結果がボール回しになるに過ぎない。守備を薄くするにはパスよりもドリブルの方が効果が高い。サイドより中央がより効果が高い。相手の守備が厚いからこそ中央でドリブルをして守備をさらに狭い範囲に集める。これによりわずかにコースが生まれる。それを徹底的に使う。

5バックはじゃんけんのパーで広く守備をしている。攻撃は集中して特化する方が効果がある。広く守備するなら攻撃は集中して、集中して守備をするなら攻撃は広く。相手の守備と逆のことをすることで相手の守備の狙いをボカす。攻撃は常に守備の狙いの裏を突くことだ。

中央で暴れることのできるドリブラーの起用とその周りでシュートを打てる選手、サポートできる選手、フィニッシュを決める選手を使うこと。中央カウンターの基本戦術をそのままにしつつ、守備の厚いチームに対するポゼッションでの攻撃パターンも中央攻撃。それは基本中の基本。中央攻撃こそが最短でありもっとも有利だからだ。中央を制したものが勝つ。

下位チームに対する取りこぼしを無くしたら死角はかなり少なくなる。上位を狙うには下位の守備チーム対策。攻撃を貫き通せることが大事。シャドーの起用が重要になる。WBもやや前、内側に絞ってボランチと共にシャドーを囲むようにしてカバーすること。裏を警戒しつつも中央攻撃のサポートをするように。ボランチは攻撃の核。シャドーのドリブルに連携してミドルシュート、スペースへの走り込みとシュートなどを狙う。トップはこぼれ球の押し込みとスルーパスの反転シュート。

中央攻撃の厚みが相手の守備の厚みより強くなければダメだ。いくらパスしてもそれで守備陣形は簡単には崩れない。中央のドリブルで崩してシュートを狙う。この連続。ファールでないと止められないくらいまで。そうなればFK、PKに繋がる。外でパスを回すだけではなんの脅威にもならない。脅威とはゴールに直結する動きだ。それは中央攻撃。

どれだけ中央攻撃のバリエーションを増やせるか。それが勝利に直結する。攻撃は中央。中央を支配したものが勝つ。

2017年8月8日火曜日

名波の視点

前節広島戦は3421のミラーマッチであったわけだが、相手ボランチの青山を自由にしてパトリックへのコースを全く防ぐことが出来なかった。

次節仙台も3421でミラーになるわけだが、名波は前節の負けを嫌って4231にするようだ。

しかし、4231で3421に有利になるか?というと逆に不利になる可能性が高い。


3421ミラーの場合、中央ラインはマッチアップ、サイドはお互いにフリーになるのでサイドが陽動したりサイドからの放り込みができやすい状態にあった。
3421に対して4231だとほとんどマッチアップ状態になり、フリーなのは3421側だと左右CBとボランチ、4231だと両SB+CB。ここで重要なのはお互いに1トップに対して2CBをつけるとすると、3421側では3バックなので左右どちらかのCBのみフリー+ボランチ。4231だと両CBがつくのでSBのみフリー。3421側は司令塔のボランチがフリーとなるが4231側はSBのみがフリーとなってしまう。SBはそもそもマッチアップしにくいポジションで脅威とはならない。一方でボランチは最重要ポジションであり、そこがフリーになるのは非常に危険なことになる。

名波としては3421に対して4231で1対1のマッチアップを増やして前からディフェンスをして両WBを後方に押し込めておきたいということなのだと思う。例えこの戦術が上手くいったとして、そもそも3421で重要なのは中央であってサイドではない。むしろWBがサイド後方に押し込められるのは守備的には何の問題にもならない。むしろWBが突出して前に出た時の3バックの両サイドのスペースのケアが無くなるために守備に大きな穴が開くことの方が危険なのである。そしてマッチアップからはずれたボランチが自由になるため中央でボールを運びやすくなる。4231だとサイドに4人がいるので中央では2人足りなくなる。相手は2人多い状態でさらにボランチがフリーとなり中央攻撃が有利になる。4バックでは2CBで中央が薄い。

もし4231の2列目が中央に絞ってWボランチに3人で潰しに行くと両WBが上がることになる。しかしボールの出し手であるボランチを抑える上にフリーのSBが対応するので穴はなくなる。しかし2列目がWBを押し込めようとワイドにポジションを取るなら、ボランチがフリーになり中央でシャドーやトップへとスルーパスを入れやすくなる。ここをどのように防ぐのか。トップ下1人でWボランチの両方を見ることはできない。守備時に0トップにしてトップが一つ下がってWボランチにマッチアップする形を作らないとボールを自由に回されてしまう。

相手のフリーのボランチは4231の弱点のWボランチの脇を突いてくることになる。相手の2シャドーに対してのスルーパスを中央で入れてしまうと1トップへもつながってしまう。2CBとなる4バックだと中央突破が弱点。4231だと2列目のSHの位置取りが悪いと簡単に崩されてしまう。ワイドに開くとトップ下は孤立する。ワイドに開かずに3センターの形で中央を制圧した方が良い。相手WボランチとWBに対して絞ったSHとSBがマッチアップするので攻撃の構築を阻害できる。

前節広島戦のミラーはシャドーの守備が出来ていないためにボランチの青山が自由にパスを出せたことが大きい。そしてWボランチの守備力がなかったこと。対人への強さがなければ外国人選手の中央へのドリブルを止めることはできない。去年の宮崎、上田をボランチにした時に何度も見た光景だ。その為にムサエフを取ったわけだし、藤田、櫻内のように対人に強いタイプをボランチに置くのは絶対条件であってそれができなかった前節の起用に問題があった。それを布陣の偏向でどうにかしようというのは無理な話だ。少なくとも4231では3421の中央攻撃を止める所かサイドに分かれすぎで守備できない。

4231で守備するなら、3CBか4CBの形で左右の守備を少なくすること。SHがWBに対してマッチアップし、中央攻撃に対してはSBが中央に絞ってサポートする必要がある。もしくはSHが絞ってWボランチを抑えつつSBがWBとマッチアップする。

攻撃に関してはSBとSHを使ったロングパス、サイドチェンジを多用して相手の中央守備を左右に引き裂く必要がある。SBはSHをオーバーラップするより、SHとトップ下、ボランチとの間にカットインした方が効果的。オーバーラップを使うならSHが中に絞って相手の守備を中央に押し付けないと意味がない。安全なサイドでクロスを上げるためにSHが絞ってSBがオーバーラップからクロスとなるが、相手の守備は中央に固まっているのでむしろ中で弾かれることになる。
SHが十分にワイドに開いて守備をサイドに引き出しておくなら、割れたインサイドにSBがカットインして入ることで中央のトップ、トップ下、ボランチへのショートパスを入れることで守備の縦のギャップを使うこともできるし、サイドに引きはがしているので薄い守備になりこちらの中央攻撃が有利になる。

攻撃時は相手の守備をできる限りサイドいっぱいまで引き出して守備を薄くすることが重要になる。守備ラインを長くすることで守備の間隔を広げることで縦のパスが通りやすくなるからだ。サイドからのクロスはSHが外に開いてSBがカットインしてインサイドに守備を引き付けた時にSHから中央に上げるのが良い。4の字パスでまずSBのカットインで縦に、そこから斜め後ろのSHに渡り、SHから中央へとクロスが上がる。4の字パスは相手を動かしつつこちらの攻撃を通す為に必須。

4231の両SHを絞ってWボランチに対して3人で抑えると相手は両WBを上げて余ったCBからボールをWBにいれようとする。このパスの精度と長さを考えると、余ったボランチの方が脅威であり、CBからのWBへのロングボールはむしろ低強度となり、SBがマッチアップしつつ、SHやボランチが長いパスをインターセプトする方がカウンターの起点になるので良い。

守備で重要なのは最短かつゴールを広く狙える中央をまず防ぐことであり、サイドはあくまで陽動である。中央攻撃こそが重要。ファールをもらえばゴール正面でのFK、PKをもらえるが、サイド攻撃ではゴールが狭くなる角度でしかFKはもらえない。同じように3421に対してはどれだけ中央攻撃を防いでサイド攻撃させつつカウンターするかが重要になる。WB1枚のサイド攻撃は諸刃の剣だからだ。その為にはSHを張ってWBを押し付けるより、ボランチを潰しつつWBを上げさせて弱点をさらけ出させる。その上でWBをSBで潰して弱点の3バックのサイドをカウンターで狙うべきだ。名波にはこの視点があるのかどうか。単純に前節広島戦のミラーマッチでの中央での負けに対して押し込んで守るというポゼッション的な考えで4231を選んだなら両SHをサイドに張ってWBをくぎ付けにしてサイド攻撃するが全く決まらない。中村のFKの回数が増えるだけという戦術を取るだろう。今までの名波の判断からするとこのパターンになる可能性が高く連敗の可能性が高い。

名波は麻薬のように危険だ。既に首にできないだろう。だからこそ磐田が上位定着するためには名波の経験や判断の無さを修正する為に優秀なコーチスタッフ陣が必要になる。しかしながら最終決定者が名波である為にどれだけ良いお膳立てをしても名波の好みですべてが崩される可能性が非常に高い。名波ほど磐田を危険にさらす者はいない。現に去年のセカンドは2勝のみで降格してもおかしくなかった。その采配の酷さをフロントがムサエフを移籍させたことでようやく穴をふさいだくらいだ。名波が自分の能力の無さを自覚して自分から退陣することを認めなければいつまでもこの綱渡りを続けることになる。もっとまともな監督なら磐田はすぐに上位定着する。監督が名波である為にそれが非常に苦しいのだ。名波のこだわりが磐田の足枷になっていることを名波は全く自覚していない。

2017年8月5日土曜日

名波浩という時限爆弾

磐田にとって名波浩を監督として使い続けるのは高すぎるリスクだ。今日の広島戦を見ても名波に監督としての能力はまったくないことがわかる。それ以上に危険なのは名波がファンタジスタが活躍するチームを求めていること。つまり黄金期の磐田は自分の能力があったからこそ強かった。その焼き直しを作りたい。と望んでいること。名波はまったく理解していない。

ファンタジスタ一人でチームを劇的に強くすることは不可能。現代のチームによる守備戦術を前にしてファンタジスタ一人の能力で打開できる部分は決定的なものにはならない。名波が磐田の監督になって呼び寄せたのはレフティパサーであり、自分のコピーだった。自分は強い。その自分のコピーでチームを作れば絶対に強い。そう考えていた。しかし全く守備が出来ずに終わる。

ムサエフの加入によって守備が劇的に安定した。現役時代に服部や福西がいたおかげと同じ状況。今日の広島戦はそのムサエフがおらず、攻撃参加する川辺もいなかった。現在の磐田の核となる選手2人が欠場という場面で選んだのは守備の弱い上田。結果としてやりたかったサッカーは広島にやられたわけだ。これが名波の底の浅さ。

フロントやコーチが積み上げてきたものを名波は簡単に壊す。2016年後半2勝しかできなかった理由は名波自身にある。名波にはそもそも監督としての能力は全くない。モチベーターに過ぎない人間を担ぎ上げて監督にしてしまったことが磐田の悪い所だ。担ぎ上げた人間は首吊った方がいい。

広島の司令塔青山をケアできずパトリックとロペスを抑えられなかった。数人の選手を抑えられなかった結果だ。ボランチが守備をできず、シャドーも守備をしていなかった結果。今の磐田は決して上位にいることができないということが露呈した。サブが入っても同じ質を保つことができない。下位チームに逆転負けする。つまりベスト状態では上位を食えるが核となるボランチがいなければ下位に負ける程度まで下がる。つまり磐田の中央を攻略してしまえば怖くないという印象を与えてしまった。去年から宮崎上田とボランチに入れているがやはり守備が出来ずに中央を何度も突破されている。藤田は不倫問題があったが、藤田こそ今ボランチに必要な選手。選手起用できない時点で名波は監督としてやるべきことができなかった。磐田の弱点の中央をケアするための3バックでありダブルボランチであり2シャドーであるのに、それを全く理解していない。それが監督として采配を振るっているのである。

名波を使い続けることは磐田にとってのハイリスク以外の何物でもない。いくらフロントコーチが良い状態を作ってもそれを泥で上塗りする無能な働き者であることに変わりはない。名波は大学のコーチレベルからやり直すべきJ1上位に安定しているべきチームの監督のレベルではない。このツケは必ずやって来る。早く切ることが磐田にとって一番大事なことだ。選手起用も選手交代も全くダメ。自分の理想を求めるだけの無責任な人間に監督はできない。してはいけない。チームのすべての責任を負う覚悟と能力がある者が監督になるべき。名波はそれに値しない。早すぎる以前の問題。チームのレジェンドであるというのは全く関係ない。能力のないものが監督をやるべきではない。名波にはその覚悟も能力もない。

2017年8月3日木曜日

3バック運用の間違い

3バックにしながらWBを攻撃的に使うのは間違い。そもそも3バックの弱点はサイド攻撃。そのサイド攻撃を抑えるためにはWBで蓋をする必要がある。攻撃して弱点をむき出しにするのは最悪。攻撃されないためにWBを前に出して攻撃することで相手のサイド攻撃をさせない、という発想があるが、これは中央からSH、ウイングへの斜めのロングパス一本で覆される。つまり相手のサイド攻撃を潰すためにWBを攻撃に使って前に出すことは悪手だということ。

磐田が堅守速攻を高いレベルで出来ているのはWBを無理に攻撃に使っていないから。中央制圧力を生かして相手をサイド攻撃させつつ、そのサイドで相手の攻撃を潰している。相手の攻撃を制限してリスクを低くしたうえでサイドで奪い中央を攻撃として使っている。きちんとWBを定位置に置くことで強力なカウンターを生んでいる。カウンターが攻撃戦術として生かされている。3バックには必ずWBが必要になる。そして定位置のWBが守ることによってより強力な中央攻撃を生み出すことができる。

WBが定位置にいるので相手はサイド攻撃をするが、WBがいることでそれ以上の攻撃は不可能。つまり定位置のWBは相手をサイドに引き出すのに好都合ということ。こちらがカウンターに中央攻撃する時に邪魔なのは中央ポジションのボランチ。サイド攻撃を誘うことでポゼッションするボランチがサイド攻撃のカバーにサイドに寄る。これによって相手の守備はCBに限定される。WBの定位置は3バックの弱点を防ぎ、かつ相手の攻撃をサイドに誘うことでこちらのカウンターを通しやすくする効果がある。

無意味なWBのサイド攻撃は攻撃の効果以上に守備のマイナス要因の方が大きくなってしまう。3バック+WBの5人ラインであるからこそ。両翼までをしっかり守りつつ、縦パスを通す間隔をできる限りなくすことができる。3バックは中央に強力な壁を作るしWBがいることでサイドの守りのタイミングを遅らせて3バックのカバーがその後のリスクを最小限で防ぐことができる。両翼までの広い守備は攻め手の選択肢を少なくさせる。狭い間隔によって縦パスが入りにくくなる。3バックは4バックより連携が良くなりトラップのタイミングが高くなり最終ラインを上げることができる。トラップを有効に使えることでロングボールが入りにくくなる。3バック+WBの5人ラインは相手の攻撃の選択肢をかなり抑えることが出来ている。これにダブルボランチや中央4人ボックスが追加されるとショートパスの崩しが出来なくなる。こうして攻撃側の選択肢はどんどん狭くなる。

磐田の3421の布陣は守備戦術と共に攻撃戦術とも表裏一体となっている。守るだけの布陣ではなく、より高い攻撃を生むための守備戦術である。それがショートカウンターという攻撃戦術となっている。

ジュビロ2017システム

磐田のシステムは3421に落ち着いたようだ。
3412のツートップも名波はやっていたが、選手の方がバランスを考えて1トップ2シャドーの3421を要求したようだ。

以前から書いている通り、中村のトップ下では守備は安定しない。相手のダブルボランチに対して一人のトップ下では抑えることができないし、中村がポジションを離れるこで相手のボランチ、司令塔が自由になってしまう。

2シャドーの利点は相手のダブルボランチに対して1対1で対応できること。中央が4人のボックスになり中央の守備が堅くなること。その副作用として相手は中央突破をあきらめてサイドにボールを渡すが、そのサイドに対してもWB、ボランチ、シャドーの3人で囲むことができること。以上の利点がある。これが戦術にそのまま反映され、中盤の厚い布陣からのショートカウンターが基本戦術になっている。

布陣を分析すると、中央ラインの鉄壁さがうかがえる。まず中盤中央の4人ボックス。その後ろに3バック、さらにカミンスキーと中央ラインに数と質の両方をそろえている。しかもボックスの利点は中央を囲むだけでなく、サイドに対して壁を作ることができ、簡単にサイドチェンジさせない。サイドにWB一人かつ3バックの磐田ではサイドチェンジは大敵。サイドに追い込んだら確実にボールを奪取してカウンターにつなぐ必要がある。

2トップによるチェックはボールを押し込めるような気になるが、1シャドーなのでトップは深追いしてしまい、ダブルボランチにわたると1シャドーで対応できずに前に繋がれることになる。1トップだと左右をどちらかに動かすことだけに専念でき、その後はボールサイドのシャドーに受け渡すことになる。シャドーは中へのコースを切りながら外に運ばせる。WBが前を切りながら、ボランチシャドーが中を切ってコースを限定する。

中央ボックスの利点はパスコースのほとんどを切ることができる点にある。中へのパスを潰して中央を制圧できる。もし中へのパスが通っても3バックが中央をふさいでいるので2段構えで中央の守備は堅い。中央ラインとはゴールへの最短コースであり、ゴール正面は一番コースのある選択肢の広い攻撃側が有利な場所。それを中央ボックスと3バックで徹底的に潰し、直接コースのほぼない外でボールを奪うことでリスクコントロールをしている。

磐田がショートカウンターを選択している利点はロングカウンターでは終始押し込まれて守備に体力を使ってしまい攻撃するタイミングをつかめないことが多いからである。またジェイのように一人で得点できる選手が必要になる。また相手がピッチのほとんどを制圧してしまいコントロール下に置かれることでこちらのボール運びは限定される上にセカンドボールも制圧されてしまう。

ショートカウンターの利点はロングカウンターの弱点を補うことができる。ポゼッションでなくカウンターだが、フィールドはショートカウンター側が制圧している点が異なる。ボールを持たずにフィールド中央を制圧しているので相手はボールを持っても最短の正面を攻めることが困難になる。サイド攻撃に対してはWBとスライドした3バックが抑え、ロングボールにはコンパクトになっている最終ラインがトラップを仕掛けることで裏への攻撃を封じている。

そもそもカウンターは守備戦術ではなく、攻撃戦術であり、ポゼッションは守備戦術であって攻撃戦術ではない。それを理解しない限り磐田のショートカウンターによる堅守速攻の利点は理解できない。守備戦術は3421という布陣である。中央を徹底的に制圧することで相手の攻めをサイドに限定してリスクを減らしつつ、攻撃時には薄い守備の中央を攻め切ることによって高い得点を挙げている。サイド攻撃をさせることで中央の人数を減らし、それが守備の人数を減らすことにも貢献している。中央制圧の効果は相手の攻撃を左右のサイドに分断させること、それによって中央の守備は極限に薄くなる。磐田が攻撃する時には相手の守備は中央に数人いるだけであり、ほとんどはサイドに分かれている。磐田の攻撃は中央最短なのでサイドから斜めに走って守備に回るにはすでに遅いのである。

J2から上がったが4231の酷い布陣、レフティーばかりの守備のできないメンバー。そうした名波の思い込みの酷さがあったが、ようやくそれを捨てて改善できた。弱い部分に対してしっかりと対策を立てることで強固な守備と攻撃の厚みを手に入れることが出来た。やっと土台が出来て来た。今年の最終順位が上位であることと、来年以降今のスタイルに対するメタが出て来た時にどこまで対応できるか。また川辺の完全移籍ができるのか、それとも川辺を戻して川辺に変わる誰かを入れることが出来るのか。この辺りは非常に重要な部分。今の磐田躍進には川辺の存在が大きい。ボランチ=守備的ミッドフィールダーではない、ほぼセンターハーフに近いタイプの選手。藤田俊哉のような攻撃性を持っているいい選手である。周りが良く見えているし、流れからのタイミングを測ることのできる能力がある。

3421は広島のWBを上げたスタイルが強かったが、磐田の運用スタイルは広島とはまた違ったスタイルで出来上がっている。かなり強い布陣に仕上がっているので後半これからの上位争いが非常に楽しみ。松井が移籍して枠も余っているのでそれをどう生かすか。

磐田の3421ショートカウンターのメタになりそうなのは442。SBから大きく上がったSHへのピンポイントでのロングボールがトラップにかからずにあげられること、SH同士やSBから逆SHへの鋭いサイドチェンジができること、サイドをパスで縦に使いながら中央の守備を広げてギャップを作るようなパス回しができるかどうか。今のJリーグのパス主体チームはほとんどショートパスがメインでロングパスを回せるようなチームは少ないだろうから大丈夫かな。442で2トップがウィングとして開いてSBからの縦のロングパス、逆SHからのサイドチェンジを受けつつ、後ろのSHが斜めにゴール前に走り込んできてシュート。この攻撃だと磐田の布陣では防ぎきれないかもしれない。サイドに3人置きつつ、磐田の中の守備をサイドに開かせておいて斜めに切り込む。逆サイドのSHの切り込みもあり得る。むしろ死角を考えるとそちらが本命になりうる。

磐田の守備が深追いするかしないかで変わってくる。少なくともサイドで縦のパスが通るなら最終ラインを下げさせて押し込める形にすることは可能になる。磐田としてはサイドの突破をいかに潰して通させないかが重要になる。3421の利点としては中央に人数もいるが3バック+WBの5人のラインとWB+ダブルボランチの4人のラインがあること。5人のラインは間隔が狭いのでカバーがしやすくパスを通しにくい。また4人ラインで前でチェックしつつ、3バックのスライド+逆WBの下がりによる4バック化で34が43に変化する。サイドを限定していない場合は前でサイドを抑えられる34にしつつ、サイドが限定されたらそのサイドをきっちり守れるように43に移行して一方のサイドを抑えつつ中央の人数も減らさない。非常に計算されている。