2021年4月27日火曜日

守備構築

ジュビロの守備は


1.ライン形成によるゾーン

2.マンツーマン


の2つの流れからなる。


現在のフォーメーション3421だと、最終ラインの3バックと3列目の4人ラインの2重ラインでゾーンを構築している。


WB__DH__DH__WB

__CB__CB__CB__


しかしボールホルダーに一人が寄るのでその背後にスペースが出来てしまう。

__(BH)_____

___DH______

WB■■■■■DH__WB

__CB__CB__CB__


通常だと、このスペースを同ラインの選手が狭めたり、背後のスペースの選手が埋めたりする。

__(BH)______

___DH______

WB__DH__WB__

__CB__CB__CB__


__(BH)_____

___DH______

WB__CB__DH__WB

______CB__CB__


ジュビロはこの部分がない。よって前に出てマンツーマン化してしまうことで元居た場所のスペースが空き放題となってワンツーやフェイントからのドリブルなどでかわされてスペースを使われたり、縦パスを入れられたりする。


問題点はこの3,4列目だけではない。

3421の前2列が3トップ化してハイプレスに出てしまうと2列目の場所に大きなスペースが出来てしまう。流れとしては、この1,2列目のハイプレスから上のマンツーマンの状況に至ってしまう。


__OH__FW__OH__

■■■■■■■■■■■■■■

WB__DH__DH__WB

__CB__CB__CB__


4ラインから3ライン化した時はその中間スペースを埋めなければならない。

ハイプレスをすると、4ラインで作っていた中央のボックスが崩れてしまい、中央の支配率が下がってしまう。

問題なのはジュビロのボランチ=DHが3列目で低い位置を取り続けているということ。

このせいで相手の中盤が自由になってしまっている。

442ベースのチームは2CHがDHタイプの場合とCHタイプの場合とがある。

DHタイプ=ボランチなのでCBと一緒に攻撃時に後方でボックスを作って守るスタイルなので中央の圧力は余りない。

しかし、CHタイプだと高い位置にいるのでセカンドボールを奪いやすい。そしてCHタイプは中央で攻撃してくるタイプなのでSHとの連携でボランチをかわしてバイタルに侵入しようとしてくる。

4バックとの連携によって、SBが攻撃参加するタイプだとDHとCBで中央ボックスを作って守るタイプ、SBが中に締めて4CB化しているなら中央をライン守備で守りつつCHが前に出るタイプを作りやすい。


■DHタイプの442

SH__________SH

SB__DH__DH__SB

____CB__CB____


■CHタイプの442

SH__CH__CH__SH

______________

_SB_CB__CB_SB_


ジュビロは3列目がDHとして低い位置を取り続ける為に中央を空けてしまいやすい。

ライン守備の基本は横に並んで隙を作らずパスコースを消す事。しかし個として分断されると意味がない。ジュビロは個で守ってしまう。大事なのは「罠」を仕掛けておくこと。ライン守備は「網」として機能する。


■ライン状態

WB__DH__DH__WB


■WBが囲みに行った時

__WB_(BH)_WB__

____DH__DH____


4人ライン状態から両サイドを中に絞ることで中央のDHにボールを狩り取らせる。WBが網の両端になって網を縮め、DHが待ち構えて取りきる。

サイドでの場合はOHの参加で3人で囲む

■サイドで囲む

OH_____OH__

(BH)DH__DH__

WB_____WB__



前節山形はサイド3人囲み+中央3人ラインで中央にパスコースを空けて罠を張っていた。
___●__●__(BH)
_____FW↑__↑SH
________FW↓
_____●__●__
__SH_CH_CH●__

●はボールホルダーの味方。ここではボールサイドに二人いるがFWとSHにマークされていてスペースが広い中央の選手にパスを出してしまった。ショートパスばかりする欠点はこういう場面で局面の打開ができないこと。本来であれば逆サイドの広いスペースに出してサイドチェンジすることで味方のCBが拾って縦展開が期待できるのだが、まさか罠の敷かれている中央に出してしまうとは…。
FW2枚とSHがボールホルダーに寄って詰めながら味方CBへのパスコースを切って山形の罠のある中央へのコースは空けていた。出したパスも中途半端だったし、中央にいた味方もそのパスが来るとは思わなかったのかファンブルしてしまう。
結果CH2枚とSHの3人ラインが前向きにカウンターが出来てしまう状況を作ってしまった。

パスサッカーの弱点を突かれたともいえる。ポゼッション=ショートパスと考えてしまうとこういう罠に自ら嵌ることになる。
足元へとパスを繋ごうとするとこういう誘導に負ける。
スペースに出せば安全なのにパスを繋ぐことが目的になってしまっている為に手段と目的が入違ってしまっている。

ジュビロらしいサッカー=パスサッカーという先入観を無くさない限り無駄。

中山コーチが言ってるが、「受け手」が動くことでスペースが生まれてパスが通る。疲労蓄積やベテランで回復が遅くスタミナの無い状態の3連戦でスタメン固定。この状況で受け手が動け、というのも無理がある。受け手が動ける状態を整えるのが監督コーチの役割。ターンオーバーせずに試合を捨ててしまった結果だ。

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