2021年3月24日水曜日

楽観視だけの守備戦術

もしカウンター戦術なら、初期位置をゾーン2に置いてショートカウンター狙い、それを突破されるならゾーン3に引いてロングカウンター狙いの2段構えが出来る。

しかしポゼッションの場合はそれ自体が守備戦術。

ボール保持することで相手は攻撃できないという守備。

よってボールを取られた時に2段目の守備戦術が必要。

ジュビロの場合は即時奪還。

今いる場所から全員守備でボールを狩り取る。

ゾーン3でボールロストすると自陣のエリアが空で失点を防ぐことが非常に難しい。

フベロ時代に4バック=2CBでゾーン3まで追い込んでの失点は攻めきれずにカウンターを食らって失点の場面が多かった。

ポゼッションの絶対条件は「ボールを失ってはいけない」

こんな事は出来るわけがない。


ジュビロの戦術は攻撃一辺倒でその攻撃もボールポゼッションと得点チャンスを作ることがメイン。得点重視なわけではない。

守備に関しては「ポジティブ思考」で最悪の場面を考えて構築されていない。

1段目の守備はボール保持、2段目の守備は即時奪還。

最悪のケースは自陣に守備ゼロでフリーでGKと1対1で失点。


ジュビロのやりたいサッカーはポゼッション+ショートパス遅攻+サイド攻撃。

相手は自陣ゴール前を固めるロングカウンター狙い。

結局ゾーン3での戦いになってしまう。

ゾーン3を固められると簡単にはゴール出来ない。

長い時間をボール回しに取られてしまう。

問題なのはゾーン3の戦いになると守備陣はゾーン2より前にいなければならずゾーン1は空になってロングカウンターに対して非常に弱い。

相手を押し込めて攻めること自体が悪手なのである。


つまりジュビロがどんなに「自分達のサッカー」を求めても、やればやるほど沼に嵌る。

最初からジュビロの考えている前提が非常に甘過ぎるのだ。


ジュビロがやるべきなのは「普通のサッカー」


ジュビロの常識はサッカーの非常識なのだ。


京都戦は京都が443で殴りに来てくれたのでその前の水戸戦の同じで中盤サイドの守備が無くカウンターが出来た。

その為にどちらも流れで得点が出来ている。


多分これからの試合では相手はカウンター狙いでジュビロにそこそこ攻めさせると思う。

ジュビロはサイド1枚なので攻撃させた方がサイドが空いてカウンターしやすい。

水戸戦や京都戦でジュビロがやった戦い方と同じ事をされるだけになる。


ゾーン3に押し込んだ状態からボールロストして、1本ロングパスが出されてしまうと即時奪還自体が不能になる。

何故ならチーム全員が既にゾーン3を包囲してしるから。

そこから1本ロングボールを出されてしまうと、2CBでも3CBでもFWとのスピード対決になってしまう。

そして何よりCBが壁にならないのでシュートコースを限定することができない。

よってGKの1対1能力が非常に重要になる。

組織的守備が出来ず、「個」で守らなければいけない。

ジュビロの失点が減らない理由は戦術的な側面が非常に大きい。


ジュビロは攻撃サッカーを望んでいるが実際は守備でのスプリントを強要される。

逆に水戸戦や京都戦では攻撃でスプリントできている。

相手が攻撃してくることでこちらが半強制的に「守備」させられた状態ではあるが、結果的に「ポジティブトランジッション」の為にスプリント出来たわけである。


ジュビロがポゼッションと遅攻にこだわるほど、「ネガティブトランジション」「守備の為のスプリント」が強要されてしまうという事。

それは初期状態がボールポゼッション=攻撃権の保持だから。

守備的にボールポゼッションしているとしても、ボールは攻撃権。

この中途半端な状態をどうコントロールするかが問題。


守備の為のボールポゼッションは密集陣形とショートパスによってボール保持を続ける。

攻撃のスイッチは縦パスで入れる。

守備の為にボールを保持し続けなければならないということは選手は休むことが出来ない。

1つのミスでボールロストしてしまうからだ。

さらにロスとした後にスプリントしなければならず、結果的にボール保持時はメンタルを消費して、ボールロスト時はフィジカルを消費せざるを得なくなる。

逆にカウンター戦術のチームは無理にプレスに行かず、フォーメーションでワイドに密集することでパスコースを消すことが出来るので大きなスライドも必要なくフィジカルもメンタルも消費しない。

守備時に休めることで攻撃時にスプリント出来る。


5人交代制の今シーズンではポゼッションとパス交換で相手守備の体力を削ることはできない。

交代されれば意味がないのだ。

限りある体力をどうつかうか、どこで使うのかというのはチームのデザイン、戦術と大きくかかわる。


ポゼッションを守備ラインでやるとハイプレスされてボールの逃げ場所がなく、かつ背後にGK一人しかいない。

よって最終ラインでのボール保持はハイリスクになる。

すると中盤より前でボールを回さない限りリスク管理は出来ない。

ジュビロの今のフォーメーションからすると3421の中央のボックス4人でショートパスを回して保持したい所。

遠藤が下がってくるのは良くない。

そもそもボランチやセンターラインにいること自体が間違い。

結局中盤サイドで持つ方が低リスク。

すると3421だとサイド1枚なのでちょっと微妙。

サイド2枚にしてSBに守備的な選手がいる状態で動かないSHとして遠藤を放置するしかない。

これだけでもボランチから遠藤が外れて背後のSBも守備的にすればとりあえず守備は安定する。

今のスッカスカのボランチより何倍もマシになる。


いずれにしてもジュビロの守備は整備されていないレベルと大して変わらないという事。

だからといって勝ちさえすればどれだけ失点しても構わないというほど得点に特化しているわけでもない。


攻撃面では手数、チャンスメインで得点力メインではないローリターン。

守備面ではほぼザルレベルのハイリスク。


これではいつまで経っても失点は減らないし得点も上がらない。

これがジュビロのやりたいサッカーの本性。

だからJ2に落ちるし昇格できない。


0 件のコメント:

コメントを投稿