これができないとポゼッションは無理
理由
1.ポゼッションはボール支配で優位性を作る、の状況が一番有効な場面は先制した後
2.ポゼッションはボール支配、つまりボールを持たなければポゼッションは無理、よってボール奪取が必須
3.先制点を取るには開始5分までの奇襲攻撃が重要になる、この場面ではゲームはオープン展開なのでいかに守備から速攻して相手の背後を突けるかが重要になる
以上の理由でポゼッションサッカーは堅守速攻の土台の上にしか成り立たない、とここでは説明している
で、今のジュビロはどうか、まぁ予想通りの結果である
理由は物凄く簡単
1.堅守速攻がないのでボール支配しても奇襲攻撃が出来ない
2.ロングボールを背後に入れないので相手ラインが上がってプレーエリアが狭くなる
3.選手間が密となってコースがなくなる
4.距離が近いのでマークがきつくなる
以上の理由で先制どころかハイラインプレスをまともに喰らってボールの逃がし所が無くなる、結果ボールを奪われるかファンブルやパスミスからオウンゴールを生む
ジュビロの良くないところは「目的と手段が逆」になっている
勝つ為にポゼッションをするなら堅守速攻の土台を作る必要がある
結果がどうだろうとボール支配率が高ければいい、「内容は良かった」「選手はよくやった」という上辺の言葉で敗退を誤魔化すなら強くなるわけはない
ボランチについて
これも何度も書いているが、ボランチの起源は「カルロス・ボランテ」という人名であり彼のプレースタイルから来ている
WMフォーメーションの中盤の底の右が彼のポジションだが、中盤の四角形がやや傾ているのでボックスとダイヤモンドの中間的な感じだったと思われる
フォーメーションから考えられるのは3バックの前にいるワンボランチ、もしくはWボランチ、3バック+1と考えると3バックの中央はスイーパー、つまり3+1のスイーパー4バックということ、ボランチ=中央のストッパー役、というのが第一の役割
ストッパーとして相手を止める事でボール奪取ができる、後ろの3人の誰かがカバーするのでカウンターに移行できる
ボランチ=舵、というのは後付けであり、ジュビロの解釈はこの後付け解釈に過ぎない、だからボランチに地蔵パサーを置きたがるがここでも間違いを犯している
なぜ地蔵パサーが機能しないか、というのは物凄く簡単なこと
まず、サッカーの守備の基本は相手の正面に正対して正面のコースを防ぐこと、正対して立つことでカバーシャドーのエリアが広くなる
中央にいる選手は自陣ゴールをカバーシャドーで守る必要がある、アンカーが中央から動かない理由はバイタル封鎖=ゴール前をカバーシャドーで封じる、コースを限定する為
この守備の原則をもとに攻撃側からの視点で見ると、中央はFW、ボランチ、CBと多重にカバーシャドーされるのでサイドからの攻撃を考える、この時サイドプレイヤーは相手のサイドプレイヤーと正対するので正面にコースが無い、ここで中央にいるボランチがサイドプレイヤーに寄って斜めや横のコースを作ってパスを繋ぐ必要がある、ボランチがボールを持つことで相手の守備は中央を堅く守るためにマークがボランチやセンターラインに移る、これによりサイドプレイヤーは相手サイドプレイヤーのマークを受けずにアウトサイドを迂回して背後に移動してパスを受ける側に回ることが出来る
ボランチは味方サイドプレイヤーによってワンツーの壁役、中央へのヘイト誘導、逆サイドへのサイドチェンジの中継点、場合によるが相手の中央が空いている時は縦パス、という中央にいるから出来る選択肢を使うことができる、ここがゲームメイクしやすい場所である理由、しかし前述の守備の理由からただパサーであるだけでなく、ボール奪取できる役割である必要性がある、つまり個人の強度の重要度が高い、ここを誤認してボランチ=舵として地蔵パサーを中央に配置してしまうと攻撃ではサイドが孤立、守備では簡単に中央を突破される、という最悪の事態を招いてしまう
ボランチの誤認と同じく、ゲームメイクとゲームコントロールの違いを考えたい
舵取り役=ゲームメイク、というのは分かりやすいが、トップ下やパサーボランチではこのタイプで良いが、ゲームコントロールという点では正式な第一ボランチの意味でないといけない
ゲームメイクはオンザボールでの配給を意味しがちだが、ゲームコントロールはオフザボールを含めた90分間のゲーム支配、つまり守備も含めてどうゲーム展開を進めていくか、ということ、パスしかできないボランチはゲームメイクは出来るがゲームコントロールは出来ない、コントロール=制御=相手を制すること、つまりは守備、相手の攻撃をいなして反撃できる能力を持たない時点で守備の出来ない強度の無いボランチはゲームコントロールできない
ジュビロ最高のボランチは世界一位を取ったドゥンガに他ならないが、時点では日本一を取った服部こそが日本人としてジュビロ最高のボランチだったと思う
福西は強度、秀人はスピードとスタミナ、名波は精度
服部はそれらを全て持ちかつキャプテンとしてチームをまとめた
全てをコントロールした最高のボランチは彼だと思う
ジュビロに必要なのは服部タイプであって名波タイプでも福西タイプでもない
以前にも書いたがN-BOXはタスク的に4-4-2の変形としても認識できる
その場合、服部はSB、現代サッカーの偽SBをN-BOXでは既にやっていた
スピード、スタミナ、強度、精度、どれも兼ね備えていたので中盤をキープできたしボール奪取からの反撃が可能だった
ジュビロがやっていたパスサッカーとはN-BOXであり、それは縦陣形によるワンサイドカットからのサイド追い込みとボール奪取、そこからオープンサイドへのサイドチェンジと中盤密集型のショートパスカウンターによる中央攻撃だった
要するに堅守速攻ベースでボールが持てたからこそのポゼッションとパスサッカーだったわけ
ここをただパス繋いで崩して~というポゼッションサッカーと見誤ると全てが崩れる
長年ここで解説しているがジュビロ自身が理解度や解像度が低く未だに理解の域に達していない
ジュビロ低迷の原因は認知の差
間違った認知の下に努力と金を積み上げてもその塔は崩れる
正しい認知に修正した上で必要なタスクを割り出し、そのタスクをクリアできる能力を計算し、それを持つ選手を選考する必要がある
設計図が間違っているのだから何度立てても上手く行くわけがない
早く悪夢から目覚めることをお祈りします
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