2023年4月11日火曜日

3-1-5-1・クアドラントディフェンス

______FW______

_____↖FW______

MF_↖MF_↖MF_←MF

_____↖DF______

__DF__DF__DF__


3-1-5-1は名波監督末期の2018年の夏以降に導入されたが中央のダイヤモンドの左右と底の運用が微妙だったので思ったように成績は伸びなかった

しかし3-1-5-1自体は悪くない陣形だと思う

縦陣、横陣の分類からするとハイブリッドの十字陣であり、中央4列、中盤4列で4.5列(互いに中央に入る為)になりほぼ5レーンを制圧できるのと中央レーンに並びがあることでワンサイドカット+ティルティングによるサイドに追い込むプレスが可能になる

十字陣は相手を4分割=クアドラントできるので狭い範囲=局面を作って制圧する戦術が使える

中央の小さいダイヤモンドを斜めに動かすことで1/4の局面にオーバーロードして制圧することが可能


ダイヤモンド移動後

___FW_FW↑_____

_MF___MF______

MF_DF__MF_____

______________

__DF__DF__DF__


ここで大きいのが中央ダイヤモンドが制圧した時にボールサイドにダイアゴナルな並びが出来ることと同時にセンターレーンとセンターラインの縦陣、横陣が崩れずに1/4の包囲が崩れない事、局面の少人数に対して局所的量的制圧をしつつ斜め陣形を作ってボールサイドからセンターレーンにダイアゴナルにボールを動かすことができる

ワントップはGKに戻されるバックパスに詰めてスチール、フィニッシュを狙う

縦の2トップはワンサイドカットに向いているのでCBへ戻すボールにもプレスがかかるしGKへのパスも近い位置からプレスにいけるのでカウンタープレスからの得点を狙いやすい


名波監督は2枚の中央のMFを「バランサー」と呼んで一方が上がると一方が下がるシステムを組んだ、これはダイヤモンドの底が1枚なのでボールサイドでは押すが逆サイドでは引いてWボランチ的に運用したかったのだと思う

しかしこれだとせっかくの分割した状況を活かせずに後方に人を余らせてしまうことになり戦力が分散してしまうのでボールを短時間に追い込むことが出来ない、十字陣形は1/4分割はできるがその後にどう処理するかで機能するかしないかが変わりやすい

縦陣の攻撃力と横陣の汎用性・守備的な部分を上手く扱えたらもっと良い結果を生み出せたと思う

3-1-5-1はその前の3-4-2-1の中央のボックスをダイヤモンドに変形させたもの、せっかくダイヤモンドにして左右に1枚づつ前後に1枚づつに配置したが、左右をバランスさせてしまうとボックスと変わらなくなってしまう、戦力を局所投入しないので優位性がないボックスと大差が無くなってダイヤモンドにした意味がない

ダイヤモンドは並び的にボックスの2枚x2ではなく3枚+1枚で3枚を作れるのが強みだがバランサー運用してしまうとボックスと同じ2枚x2になってしまいダイヤモンドの強みである3枚を作るという部分が無くなってしまう

しかも底の1枚が宮崎だったのでスペースを埋めるだけのボランチになってしまい肝心の守備の穴になったのも攻撃ばかり考えて守備を軽視していた部分で弱かった

それも含めてのバランサーだとしたらまったくストロングポイントにならずに穴を塞ぐためにほかの場所に穴を空けるだけの作業になりどんどんバランスが悪くなる

しかし3-4-2-1から中盤ボックスをダイヤモンド化し、十字陣形にしたのは発展の一つの可能性としてありだったと思う

問題はそこにいつも通りのボランチ問題が解決されずにむしろ自分がそれが良いと思ってやっていたところがあったのが大きな問題点だった

逆にそこを早めにサポートしてダメ出しして運用を変えていれば変わっていたかもしれない

名波自身が得点、勝ち点よりパス数重視、内容重視みたいな路線取っていたせいで田口、上原、宮崎の3枚という微妙なダイヤモンドになっていた

やはりダイヤモンドの底にはDFを置きたいし頂点にはFWを置きたい

選手の配分的に4-4-2が結局は妥当な部分があり、バランスとしてはとても良い

守備的MFという超中途半端な位置づけが悪手で、攻撃的DF、守備的FWの方がMFよりは局面での戦力は高い

MFはDFやFWより局面では弱いかもしれないがスピード、スタミナ、ポジショニング、予測などで優位性を出さないといけない


警戒するのはSBからWGへのロングボールやサイドチェンジになるがフィールド全体を使ったプレーをする大きなサッカーをやってるところは少ないので今の流れでは局所局面で勝つ小さなサッカー志向に対応しても良いと思う

サッカーはトレンドなのでどのトレンドにも対応できるシステムを作り上げていくのがチームとしての基盤になる


3-1-5-1だと4.5列制圧なので中央のダイヤモンドの前後、FWとDFが上下することで中盤に5レーン制圧を作ることができ縦パスを入れさせない

FWが下がって中央に入れば後ろのDFがライン間にいられるのでポジショナルプレーのライン間でのパス受けに対してプレスをかけられる

ダイヤモンドのFWとDFが同時にスライドすればボールサイドに3枚縦並びを作れるのでサイドにいるMFを含めると4枚をサイドに寄せられるので3枚のトライアングルに対して数的有利を作り出せる

十字陣は適切に運用できれば縦陣横陣の両方の特性を持つので汎用性は高い

ダイヤモンド内の寄せとダイヤモンド全体の寄せの両方を使い分けられれば1/4分割を活かした局面制圧に特化したような運用ができるようになり堅い守備が出来るのではないだろうか

ダイヤモンド自体がダイアゴナルに出来ているので攻守に効くポジショニングがシステムに内包されている

内側の小ダイヤモンドが制圧の為に守備的に動きつつ、1トップ両サイド3バックが大きなダイヤモンドとして左右展開、ロングボールで全体を使った大きなサッカーもできてカウンター攻撃や速攻に向いている

サイドチェンジは5レーン制圧で無効化できるがロングボールを3バックのオフサイドトラップで防げないとロングボールは脅威になりやすい

ロングボールに対しては3バック+1(ダイヤモンドの底)の並びを4バックにして対応するかダイヤモンドの左右2枚が下がって3バック+3の3枚x2のブロックで「挟み込んで」守備する、3バックが跳ね返すわけだが、問題はその後の回収なのでダイヤモンドの下3枚で確実に回収する必要がある

ダイヤモンドが前目に出ている状態でのロングボールなら両ワイドが下がって5バックか3バック+2の5枚でロングボール対策をする

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