黄金期メンバーを軸にチームの復活を切望した
しかし上手くは行かなかった
まず、「黄金期」の認識について
①N-BOX
②352
N-BOXをやっていた時間は実際には短かったがほぼ負けなしくらいに強かった
実際の黄金期は352ベース
3バック+Wボランチ+WB+トップ下+2トップの構成
3232の形がベース
その中で名波はトップ下、中盤中央だが前目のポジション
N-BOXでもやや後ろになるが基本はボランチの位置ではない
両サイドは高い位置をキープして攻撃
サイドの守備は左ボランチの服部と右CBの秀人がサイド対応することで凌いだ
4バック+アンカーを3バック+Wボランチの形で使っているようなシステム
3バック化することでオフサイドトラップを使い裏を使わせずに少ない人数で高いラインを張れるので中盤の圧縮化ができる守備戦術ともいえる
442のような3ライン(FW、MF、DF)ではなく、4ライン(FW、OMF、DMF、DF)の構成で、中盤を2ライン化することで3ラインの中盤を前後で挟むことができる
DMFが前、中を切ってOMFのプレスバックによって背後からプレスをかけることでバックパスも防ぎつつ囲んで奪うゾーンプレスが出来た
3ラインでは中盤4人をフラットにつかったワイドの攻撃がしやすいが4ラインでは中盤多層化によって密集を作って中を締めて中央を守る形ができゴールへの最短コース、危険な縦パスを防ぐことができる
4ラインの中盤多層化で大事なことはDMFのストップ力であり、服部福西のWボランチで強固なストッピングパワーがあった
中盤の多層化は3ライン化時に5人ラインを形成できるので4人ラインに対して数的優位が持てることと、多層化状態でもSHの背後の高い位置、バイタルのサイドにボールの出口を作ることが出来ているので2トップとの連携がしやすくサイドからボールを入れやすい
名波は中央、サイドの両方をやるが、基本的には4ラインの2列目=OMFの位置であって、3列目=DMFの位置ではない
しかし何故かこれが名波はボランチ、という流れになってしまい、ボランチに名波ようなパサーを置けば強いという流れが出来てしまった
これが最大の間違い
多分、N-BOXの影響が残り続けているのだろうと思う
N-BOXを指導した政一監督が名波がいなければN-BOXはできなかった、名波がいたからこそできたフォーメーション、という部分が混ざっている
実際N-BOXでは名波は中盤中央にいて服部、福西とともに3ボランチ気味の構成になっている
また服部がサイドに守備展開した場合には名波が下がってボランチ役をすることでスペースを埋めて対処した
これがベースにあるので名波は同じ考えで宮崎をボランチに置いた時期がある
これはボランチで大事なのはスペースを埋めるポジショニングである、という認識から来ていると思う
しかし、ボランチの語源は人名であり、そもそもボランチという人はDFの前で守備プレーをする人だった
だからボランチと同じプレーをしろ、ということでDMFの重要性が生まれた
ボランチ=舵=パサーというのは後付でしかない
しかしN-BOXの功労者として祭り上げられ、名波のようにパサーを中央に置いてパス出しして崩す、というスタイルに迷走したことでジュビロはことごとくボールを奪えないチームになり守備力の低い攻撃サッカーに向かっていってしまった
ジュビロの自己認識の誤解、誤謬が酷過ぎて、本来の功労者である服部や福西が忘れ去られ、名波が祭り上げられてしまった
さて、ジュビロの若手で海外で活躍できている選手は誰だろうか?
伊藤洋樹である
伊藤洋樹は名波タイプか服部タイプか
もちろん服部タイプ
逆に名波タイプの選手で活躍できている選手はいるか?
針谷はどうか
つまりはそういうこと
ジュビロは一番重要なボランチ=4ラインの3列目=DMFというポジションの選手をほぼ捨てている
逆に2列目の選手を3列目に置いてしまい、全く守備のできないチームに成り下がってしまった
この影響はどうでるのか
DMFは中盤の底でボールを奪うことがタスク、その次が奪ったボールを攻撃陣に配球すること
まずこのボールを奪う、という部分が無くなったことで自動的に攻撃のスタートが出来なくなってしまった
攻撃サッカーを標榜しながら、守備をないがしろにしたために攻撃の前段階であるボール奪取という重大なタスクを捨てた
J2では相手の緩い守備の為にいい加減な攻撃サッカーでも通用してしまった
それによって本当に重要なボランチ、DMFのポジションの改善を全くせずにJ1に昇格し、同じように緩い攻撃を続け、守備構築を無視することで結果的に失点ー50を超える守備のできないチームに成り下がった
攻撃サッカー、パスサッカーは「強いチームだからできること」であって、弱いチームが実行しても結果は出ない、そもそも強いチームは守備を徹底する、だからボールを奪うことが出来てボールを持つことでコントロールができるのだ
全ての文脈がいい加減で適当で理に適っていない
その積み上げが今のジュビロである
山田が長期を捨てて短期を取り損ねた、ゼロからスタートと言ったが、実際は大きなマイナスを抱えているのでゼロからすらスタートできないということをまだ理解していない
それと伊藤彰はビエルサのコピーのペップのコピーでしかなく、戦術マニアの域を出ない
伊藤渋谷体制で長期的視点でやっても結果は大して変わらなかったと思う
何故ならDMFを全く改善しないから
ジュビロがやるべきことは「ボランチ=DMF=ボール奪取」という基本の基本を叩き込むこと
パサーボランチは別にいらない
パサーボランチのブランド化、的な流れで中村俊輔、遠藤保仁を連れてきているが、そういう部分がある限り変わらない
それをやっているから弱いというのがまだ理解できていない
だから強いジュビロを復活もできない
ジュビロの自己認識の欠如、誤解、誤謬の塊が今のジュビロ
名波は監督として6位という結果を残した
これについて異論はないし、2015、2016でやってたことを取捨選択して結果を出したのでこの点については評価している
しかしチームとして2017を評価していない、攻撃サッカーでなくカウンターサッカーはジュビロではないという馬鹿げた評価をしているようならジュビロはいつまで経っても強くはならない
2022ジュビロが惨憺たる結果を導き出したのは2017を評価できずに迷走してきたフロントの影響もあるだろう
結果を受け入れられないチームには勝利はない
内容は良かった、で終わるチームに未来はない
勝利の先にしか歓喜はない
ジュビロが捨ててきたものを拾いなおしてこそ再生の道がある
0 件のコメント:
コメントを投稿