ジュビロx金沢 6-0
この時のジュビロは541ラインディフェンスと361のボックスディフェンスを上手にコントロールできていた。
徳島のやっていたことはこれの442版。
徳島は442でも場面によって使い分けていた。
自陣では442フラットのラインディフェンスをコンパクトにしてゴール前を完全封鎖。
外で持たせても中で完全に跳ね返してスペースを与えない。
ミドルサードでは3ラインは離れてかつSHSBが中央のFWCHCBの中間位置に来てギャップを作るボックス守備をする。
ボールが中央に来る時はSHSBが中間位置でそのまま内側に絞ってFWCH間、CHCB間のスペースを両サイドから挟み込んで埋める形で罠に嵌める。
CHやCBが正面で相手を捉えてボールを奪える。
やっていることはジュビロが金沢戦でやっていたこと+SBの偽SB化。
本来ならジュビロがやるべきだったこと。
このシステムの肝は中盤。
ジュビロの361は
______FW______
_SH________SH_
___CH____CH____
_SB________SB_
__CB__CB__CB__
徳島は
___FW____FW___
_SH________SH_
___CH____CH___
_SB________SB_
__CB__CB__CB__
中盤で
_SH________SH_
___CH____CH___
_SB________SB_
_SH________SH_
_______CH_____
_SB___CH___SB_
_SH________SH_
___CH____CH___
___SB____SB___
SBをボランチ化した偽SBにした。
しかしSBがサイドに張らないといけない場面では
_SH________SH_
___CH____CH___
_SB___CB___SB_
CBの飛び出しによってCHの裏のスペースを埋めた。
このように徳島は中盤6枚+CBの形が完全に整備されていた。
ジュビロはCHの後ろのスペースを嫌がって結局ノーマルの361(3421)に戻してしまった。
両者の違いは何なのか。
これは「CHの中央制圧力」だ。
ジュビロはCHをDHに下げることによってバイタルを守る形をとってしまった為に中盤中央における制圧力が無くなってしまった。
これによってオープンな展開でのセカンドボール奪取率が大きく下がる。
これがもたらすのは常に後ろ向きに走らされるというネガティブトランジションである。
「ボールを押し上げられない」という状態はボールポゼッションを持ちながら制圧力がないということでボールを常に後ろで回さないといけないという事態を招く。
イコール遠藤がバックラインに吸収されて縦に出す選択肢しかなくなる。
そもそもボランチにコントローラーを入れてしまうということはこういうことになる。
中盤が下がり目になってしまうと中央を抜いたバックラインから前線にいれる縦ポンしか選択肢が無くなる。
するとハイプレス+バックラインでの跳ね返しでしのぐことが可能になってしまう。
ハイプレスでコントローラーを追い込んで縦ポンを誘発させ、バックラインがロングボールをカウンター起点にする。
典型的なポゼッション殺しだ。
ポゼッション側が縦に入れたボールを狙ってカウンターを仕掛けることで守備側はリスクをかけずにピンチをチャンスに変えることが出来る。
徳島が流れで得点出来ているのはオープンな展開で相手に攻めさせてしっかりカウンターを決められている点。
一方ジュビロは流れの得点は皆無で遠藤のフリーキック頼み。
また悪い意味での名波政権時のスタイルになってしまっている。
遠藤のフリーキックは選択肢の一つ、というスタイルならいいのだが、皆がそれに頼って基軸になってしまっている。
これが非常にまずい。
しかも針谷がレンタル移籍して遠藤がレンタルで来た意味すら薄れてしまっている。
若手の針谷こそ間近で遠藤を見て盗むことをやらせるべきなのに。
やはり今のジュビロは全く理屈の通らないチームに逆戻りしている。
そして怪我人病人続出で今シーズンはこれ以上望めないような最悪の状況になりつつある。
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