2024年2月23日金曜日

脇の甘さ

サイド攻撃メインのジュビロの場合、守備における脇をいかに守るか、というのは命題だと思う

3バック4バック両方ともいえることだが、中盤におけるサイドの攻守をどうするか

これは3バック4バックの問題とはまた違った部分でもあり、連動する部分でもある

3バックの場合、WBが下がる5バックを作るわけだが、攻撃時はWBが上がってWBとRBLBとの距離は離れて大きな縦ギャップを形成する

これは4バックでも同じことでSBが攻撃に出た時にはSBとCBとの間に大きな縦ギャップが生まれる

ここを攻撃してくるのがカウンターの初手になる

逆に言えばいかにここを守るかという部分がCBの脇を守る事に繋がる

ジュビロの場合、攻撃にかなりの人数を割いてしまうので守備人数が少なくなる

前線のファーストディフェンダーが重要になるわけだが、被カウンター時にロングボールを一発で飛ばされるとファーストディフェンダーは意味が無くなる

さらに中盤を飛ばされるので中盤のフィルターが効きにくい

となると攻撃時2バックになる4バックは守備的に非常に弱い

3バックならば3枚いるので1枚がスライド、中央2枚で待つことが出来る


問題点としては中盤の2層化した時にサイドと中央をにらむ位置に人を配置出来るかという点

Wボランチだとやはり中央レーンは守れるがサイドは守れない

4-2-3-1の構造と攻撃時のSBの攻撃参加という運用上中央は2CBWボランチで堅いがサイドは誰もいない

この時点でサイド攻撃で得点できず、その背後をそのまま突かれると守れないという形になる

外で持たせて中で迎撃という選択肢はあるが、外で自由に持たせてしまうと精度の高いボールが出てしまうので中央でも後手になる可能性が高い

全体に人を配置しつつ、局面に人数もシフトできる、という形が取れるのが理想的ではある

すると3-5-2の中盤5枚で中央の上下動+左右展開/中央締め、もしくは中央低め3枚+サイド高め2枚を場面で切り替える可変が良いのではと思う

2トップは縦の2トップにしてトップ下が2列目とトップを繋いだり動きでサポートする


3-5-2の5枚を2段で使うので、3枚+2枚の配置をどう置くか

WB____CH____WB

___DH_____DH____


___IH____IH___

WB____DH____WB


WB__________WB

___DH_DH_DH___


前後交互に配置した場合x2と、サイドを上げた場合のパターン

これにトップ下が加わる形

どちらにしても中央に3枚、サイド1枚ずつは変わらない

3枚をフラットに並べると縦のギャップが出来ないのでショートパス、縦パスを刺してくるタイプのチームにはフラットに並べることでコースを消しやすくなる、同時にWBの背後を左右のDHがカバーしやすいのでWBとCBとのギャップを埋めやすい

交互に置いた場合だとCBの脇を埋めるにはWBを下げるのでサイド攻撃はやりにくくなるので守備時の形になる

WBが攻撃時に上がるのでDH2枚でその背後と中央の両方を守備するのはきついのでCHの位置取りが大事になる、N-BOXのように中央をやや下げることで幅をカバーしやすくなる

多分このWBの背後問題はWBの攻撃方法とも連動しているので、攻守の話しを同時にしなければいけないと思う

WBをサイド突破の為に使うとしてもその状況はどのような局面なのか、まずここ

WBが両サイドに張って幅を使うことで4人ラインの4-4-2のようなチームはスライドすると逆サイドが大きく開く、そこを狙うのがWBであるべき

スライドして厚くなったボールサイドを突破しようとすると人数をかけた攻撃になってしまい、その分手数もかかって遅くなってしまう

幅の広さも使えないので同サイドで戦い続ける場合は別の戦術や戦略を軸にする必要がある

幅を使ったゆさぶりと隙を突くサイド攻撃ならばWBを張らせることで幅を作り、高速サイドチェンジによってオープンサイドのWBを突くことで深くまで攻撃できる

これをやる為にはボールサイド、クローズドサイドの後方から高速サイドチェンジを出す必要がある

オープンサイドのWBは単騎で孤立した状態であった方が良く、マークされていない、もしくはマークの届かない位置取りで消えている状態だと深くまで浸透しやすい


守備では5枚が各レーンに配置されることでギャップや間隔を極力排除することでショートパスを通さない

緩い浮いたボールを蹴らせることで後方で奪い取りやすい不安定なボールを蹴らせる

WBの近くにDHがいることでハーフレーンやCB脇への侵入をDHが塞ぐことが出来るのでやや守備的ではあるが中央サイド共に強固な守備を組むことが出来る

WBが中にスライドして中央にプレスエリアを作っても良いし、DHがスライドしてサイドにプレスエリアを作っても良い

守備面で重要になるのは相手に負の2択を強制することと守備の繋がり、密度を切らしたり減らしたりしないこと

縦の2トップはCBとボランチの中央ラインへのハラス、プレスによって中央でボールを持たせない選択肢を強要する、ボールはSBに移り、サイドチェンジするにはGK経由か浮いたボールになるのでプレーの遅延を強要できる、またワンサイドカットすることで戦力の無力化とワンサイドに寄せることで局面の人数を増やす量的優位を作ることが出来る

GKへ戻す場合はトップがCBからGKへとマークを変えてプレスする、SBからGKへのバックパスは失点の確率が高いし、そうなるように配置する

SBからのボールはWBの背後へ蹴り込むか中央に囮を置いてサイドを開けさせるか

背後に蹴り込んだ場合はDHやRBLBによるサイドへのプレスからの回収、中央の囮はプレスから奪い取ってカウンターするか、バックパス誘発からトップ、トップ下が奪ってゴール正面でカウンターする形が出来る

不用意に中央に入れてくるチームには中央をプレスエリアとして奪ってゴール正面でショートカウンターを狙う

仕方なしにロングボールを蹴る場合にはサイドに追い込んで奪い取る

まず初期配置でどれだけ相手の陣形を分断できるか、そこからどのパターンで追い込み奪うか、そこからどの形で攻めるか、の連続的なパターン化が仕込まれると非常に戦いやすくなる


やはり守備的な事を考えるとDFの前に3枚並ぶというのが強いと思う

4バックWボランチだと結局中央に2-2と並ぶだけになり幅のカバーが出来ない

3バック3ボランチで左右ボランチが下がれば5バック化にもなるのでWBが下がり切れないタイミングのカバーがしっかりできて脇を締めることが出来る

Wボランチだとどうしても幅がないので中央守備特化だけで応用が低い

局面が変わりやすく攻守の切り替えの早いリーグなので初期配置とアレンジに汎用性の高さとしっかりとした攻守の軸、ベースの両方が求められる

4-2-3-1はバランスが良さそうで悪い、運用面での注意点はかなり多く選手が考慮する負担は多いと思う、攻撃時のアンバランスを補正できていないのでやはりおすすめできない

4-2-3-1でWボランチで機能する局面は陣形が初期配置で機能してる場合であってSBが上がって後方が2-2ボックスになった状態ではない、またオープン時には4-2と3-1との乖離が発生してやはりWボランチ脇のスペースが大きくなり突かれやすい

あとは守備時4-4-2でスライドするのもレーン全体をカバーできないので体力削られるしどうなのだろう、最初に中盤でレーンを埋めてしまった方が入れる場所が無いので選択肢を削ることができて有利だと思うのだが…

今のJ1だと余りに狭いエリアでの攻防が進み過ぎている気がしているので、むしろ前後左右に大きく振っていく幅、深さを利用した大きな戦術の方が効くのでは、特に前半戦に大きくボールを動かして全体の体力を削っておくのは重要、全体を大きくコントロールすることで中長期的な優位を取る戦術になる

今のジュビロだと上手さ+強さの両方があるので出来ると思うのだが…


0 件のコメント:

コメントを投稿