2021年3月22日月曜日

1トップを理解しないサポ

2トップにすればもっと攻撃力が…とサポは言うが、これは「真逆」


今のジュビロが何故複数得点出来ているのかも理解できていないサポが多い。


攻撃に必要なのは人数ではない。

重要なのは「守備を剥がす事」


まず「守備の基本」を知る必要がある。

守備の基本は「FW+1」の人数。

FWに対してストッパーが1人+スイーパーが1人必要になる。


よって4バックに対して1トップだと2CBがストッパーとスイーパーをするので両サイドのSBは必要なくなり攻撃参加していなくなる。

これによりサイドが空く。


今のジュビロの攻撃は1トップのルキアンがサイドのスペースを使ってストッパーを釣り出す。

これでゴール前の守備はスイーパーとGKだけになる。


もし2トップにしてしまうと相手はストッパー2人+スイーパー1人の3人、3バックもしくはSBを一人残した形の4バックになりスペースがなくなってしまう。


1トップの良い所は相手の守備人数を少なくすることが出来る。

さらにサイドを使うことで実質的に0トップ化する。

ここで大事なのはルキアンがサイドを使うことでサイドに「視線誘導」すること。


サイドにボールを置くことで相手の守備の視界はボールサイドに偏る。

これによって逆サイドの動きを周辺視野で感知できず、「意識外からの攻撃」を受けることになる。


松本の動きが藤田俊哉に似ていて、逆サイドの視界の外から中央に走り込んで合わせる「見えない攻撃」をしていること。


今のジュビロの攻撃は非常に理に適っていて、攻撃は速攻でサイドを使いつつフィニッシュは逆サイドから、という速攻のお手本をやっているような非常にスマートな攻撃をしている。


現代サッカーでは流れからの得点が少ないと言われているが、何故、今シーズンのジュビロがこれだけ複数得点できているのかといえば、上で説明したように


1.FWは最小限にして守備の人数を少なくさせている。

2.サイドを突くことで中央の守備をサイドに釣り出している。

3.逆サイドからの侵入による視界外の見えない攻撃によるフィニッシュ。


とこれだけの高い連携が出来ている事。

単純に2トップにすればもっと得点できると考えているサポはどうしてジュビロが流れの中でこれだけ得点出来ているのかを全く理解できていない。


もう一つのパターンは山田の得点パターン。

FW、WB、CBがワイドに開いて相手をサイドに釣る。

山田は中央の位置から釣られてたDFがいたハーフスペースに斜め前に侵入。

スペースでボールを受けてシュート。


これもサイドに広げて縦を使うというパターン。


どちらにも言えることだが、これはポゼッションをやると非常に難しくなってしまう。

オープンな展開での守備からのカウンターや、クローズドでも守備側でカウンターを狙った時に得点が出来るパターン。


1トップは偽CFと言ってもいい。

CFでなくWGのルキアンがCF位置にいてCBをサイドに釣って空いた中央に2列目3列目が視界外から飛び込んでフィニッシュするパターン。

非常に強力でカウンターの決定力は非常に高い。


本来攻撃力とは得点できる能力。

ボールポゼッション率の高さやパス本数など数字に過ぎない。


もし2トップにするとしても縦に並んだ関係でないと意味がない。

横に並べてしまうとゴール前の守備が固くなってしまうだけになる。


1トップにしても相手の攻撃は1トップに対する守備でストッパーとスイーパーが必要になる。

つまり相手の攻撃は8人。こちらの守備は1トップを除く9人。

9対8で守備が出来る+相手の守備を1トップがサイドにはがせば残る守備は1枚のみ。

1トップだからといって攻撃力が落ちるわけではなく、1トップにすることで相手の守備枚数が減ることで攻撃力はむしろ上がるということ。

重要なのは相手の守備枚数を減らす+自軍の2列目3列目が一気に攻撃に出る速度。

守備枚数が少なければこちらも少ない人数でも十分に得点チャンスはある。

逆にトップの枚数を増やして相手の守備枚数を増やしてしまうとゴール前を閉ざされてしまいチャンスが無くなってしまう。


1トップは決して攻撃力が低いわけではない。


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