2022年3月17日木曜日

FC東京戦ハイライト

ハイライトだけなのでどうとも言えないが全く悪くない。

ラッソのプレーを見るとプレスバックからボール奪還して縦に出してるし、その後すぐにこぼれ球のシュートにも行っている。PA内に5人詰める5トップで決定力を上げるという部分が出来ている。中盤からの上がりが時間差になるので一回で決めるというよりはこぼれを後から詰めてシュート、またこぼれを詰めてシュートという感じで連続攻撃になる。ラッソからのパスも1対1作れている。ただキーパーに対してコースが限定されてしまった感じなのかも。


FC東京が前後分断して中央にスペースが空きトップ下的なポジションで縦パスを3トップに入れることが出来ている。これも1トップ2シャドーがラインの背後にいてカウンターとして位置取りも良いし相手は攻撃しているが人数も足りていない、前後分断していることで割れた中央に入れられるとセカンド取れない。さらにそこから縦展開されると背後のスペースが大きく守れない、というカウンターに完璧なシチュエーション。ラッソがスペースのある背後に走ることでDFのレッドカードも誘えているし得点は出来てないが決定的チャンスにはなっている。だからレッドカードなわけだし。動きも全然悪くない。確かにあのチャンスで得点出来ていれば勝てたわけだし得点できなかったという意味では問題は残るが、得点への組み立てはほぼ満点。後は結果待ちというくらい良い。ラッソの特性が一番活きた使い方が出来たわけで、何もできない選手ではない。むしろ使い方が悪いから活きないだけ。

5トップでの遅攻の場面ではラッソはサポート役をやった方がいいかもしれないが、1トップで裏狙いという場面ではラッソ一択で良いくらい問題はなかった。攻撃の形は一つである必要はなく、むしろ複数の攻撃手段があることでどの場面でも攻撃が可能な超攻撃型のチームになる。相手がブロック作れば5トップで攻めれば良いし、プレスで詰めて来るなら引いて疑似カウンター狙ってもいい。相手を見て攻撃を変えればよいだけ。

ジュビロでFWが死にやすいのはFWの特性に合った場面とボールでFWに仕事をさせているかどうか。つまりは中盤の戦術眼の問題。中盤が攻撃的に行くのは副次的な意味合いを持たせてFWに仕事をさせるか、FWをサポート化させて中盤が活躍するかの違い。ジュビロは中盤の攻撃を重視しがちなのでその分FWが死にやすいとも考えられる。だからこそFWどうこうの問題より中盤がきちんとFWの活躍できる場面を学んだ上でその場面を作り、ボールを渡すという作業が出来るかどうかが問題。それこそゲームメイカー。ただパスして中盤全体が上がればよいというわけではなく、FWが活きる形と相手が嫌がる形をミックスした上で場面を作ること。それが中盤の役割でもある。FWが主役になる為には中盤がきちんと脇役の仕事ができるかどうか。中盤が主役になるとFWは脇役にならざるを得ない。


もったいないのはサイドのターンで抜け出してからの選択肢。前で読んでるのにパス出さずにカットインして逆サイド、鈴木がシュートするもキーパー弾く。

ここは前にスペースがあったし縦に思いっきり出して勝負した方が良かったのでは。こういう場面で遅攻選択してしまうので速攻にならない。まず速攻選択するがきちんと中盤が詰めて遅攻の2次攻撃に移行するのが良い。まず速攻をトライした方が良い。それは速攻ならFW一人がチャレンジすればよいだけなので中盤が詰め過ぎてDFがブロック作り終えてしまう前に攻撃できることと、中盤が詰め過ぎてしまうとスペースが空かないし、何より自分達の背後にスペースを作ってしまいカウンターに弱くなること。第一選択肢に速攻を選ぶ理由の一つはコストパフォーマンスの良さ。時間が短いので無駄になる時間が少ない。FW一人のチャレンジなので他の選手がスプリントで詰めなくてよい。全体が詰め過ぎないので相手も守備ブロックにならない。自分達の背後にスペースが出来ないのでカウンターに強い。これだけの理由がある。

この場面はターンでゾーン2のボール奪取場面で相手はネガティブトランジションになっているので背後にスペースがある。やはり縦に出して速攻を選ぶのが良かったのでは。縦に出さなくても逆のワイドにもボールサイドのワイドにも人がいたわけで人数は揃っている。遅攻可能な場面ではあるが、だからといって何故遅攻を選んでしまったのか。ドリブルでカットインしてしまったことで中央にブロックができ逆サイドの鈴木がシュートしてもコースは切られていたはずなのでいくらシュート出来ても入らない確率の方が高くなってしまう。

一番ゴールしやすいのは無人のゴール。一番ゴールしにくいのは遠いかゴール前に密集している時。つまりゴール前に人を集めるほどゴールはしにくくなる。カウンターがポゼッションより得点できる理由はそこにある。単純に広いスペース=無人に近いゴールを作ることが出来るから。わざわざ敵陣に詰め寄ってブロックをかき分けて難しいゴールを決める必要はない。それが出来れば一番良いに決まっているが、それが難しい為にそれ以外の方法論も含めて戦う必要がある。

確かに試合内容は悪くないが、確実に点を取る為の準備、という考え方を浸透させる必要がある。

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