戦術ベースに選手をはめ込むのか、選手の特徴に合わせてフォーメーションや戦術を作るのか、この辺りの判断は監督やチームの考え方によって違う。
まずGKのタイプ。GKは唯一のポジションかつGKのタイプによって戦術の幅が変わる。
三浦は背が低くハイボールに弱い。ハイラインで後ろにスペースを空けた状態でカウンターを食らうことが一番危険。ポゼッションで押し込む戦術には合わない。強みは反応の速さと足元。反応の速さを活かすにはシュートさせてもコースを限定しておくこと。だから守備ラインは低めに置いた方が壁が出来やすくシュートコースを限定しやすい。リトリートでスペースを潰しておくことでコースを限定してしまうことでGKの反応の良さが活きる。4バックで出来る限り最初からスペースを消しつつローラインでスペースを空けない方が良い。
逆にアレックスや八田は背が高くハイボールに強い。遠目のシュートは距離があり反応できるのでハイラインとの組み合わせができる。逆に詰められた状態は弱くなるので出来るだけロングボールを蹴って相手を敵陣に抑え込むかゾーン2までで抑えるのが得策。高い位置から1対1でマークして遠目からシュートを撃たせる分には怖くない。中途半端なリトリートをすると相手にチャンスを与えてしまう。ゴールに詰められないように高い位置からの守備が重要。中盤で抑えきる方が良い。人数が少なくハイラインと相性の良い3バックだと中盤も増やせて背後もオフサイドトラップしやすいので有利。
次にDFライン。大事なのはスイーパーの足の速さとストッパーの対空、対人能力。大井はスイーパーだが足が遅い。ハイラインの時に立ち止まってストッパー役をやりつつラインがリトリートするのを補助するが逆に中央に穴が開いてそこを狙われる。DFラインが3バックか4バックなのかも大事。GKとの関係性もあるの。守備がしっかりしないと攻撃に転じることが難しい。だからDFラインとGKと戦術のマッチ、ミスマッチは非常に重要。GKのタイプに合わせてDFラインが組まれかつ戦術的にラインの高さがGKの特徴にあった位置でコントロールできているか。
守備の形が決まらないと攻撃に割ける人数やスペース、距離がどれくらいかが決まらない。今の状態だとGKが三浦なのでラインを余り上げられない。上げると大井が下がりきれない。という部分もある。しかも監督がやろうとするのはリベロ。中央を残すスイーパーではなくて中央が上がるリベロなのでハイラインの3バックではなくローライン+リベロでその分足元のある三浦が2バック間に入って3バック+GKのダイヤモンドでのビルドアップを考えているのかもしれない。しかしここでも問題になるのは三浦のサイズ。ビルドアップに対してハイプレスされるとDFラインは広がりきってしまっているので壁が全くない。よってコースを限定できないので失点確率が大きく上がってしまう。三浦を含めたビルドアップを考えるならむしろロングボールでDFラインを飛ばして中盤からスタートというキックアンドラッシュに近い形の方がハイプレスからのカウンターの失点確率を大きく下げられる。もしくは3バックに遠藤が下がってビルドアップに参加する4バック化の方がハイプレスに対して効果的だと思う。
DFラインの人数や位置が決まればやっと中盤より前の攻撃に関しての構築が出来る。しかしここでも3バックならサイドの守備位置は誰が担当するかというのがあるのでWBの位置が問題になる。考え方としては、対カウンターの準備を優先して被攻撃確率を下げるのか、攻撃を優先して被攻撃、失点確率が多少上がったとしても得点確率や攻撃成功率を上げる方を選ぶのか。これはゲームの流れも関係するので得失点、時間帯、体力などの情報を利用してゲーム中に判断すべきこと。ただし、どの場面ではどうするか、というのは予め決定しておく必要がある。その場その場で判断して意思統一しようとするのは無謀。最初にあるプランから選択するのが妥当。
DFラインの高さというのは攻撃の仕方にも関連するので非常に重要。「間延び」=スペース問題が発生する為。ラインが低すぎると攻撃の圧力がなく中盤の人数が少ないとセカンドボールを回収できずに主導権を渡す事にもつながる。これを防ぐためには押し上げる必要があるので攻守のバランスを考えなら攻めなければならない。
ジュビロ自身が攻守のバランスの取れたチームになるのか、攻撃的なチームになるのかでやり方は大きく異なる。失点を恐れずに複数得点を狙うならより攻撃的に考え方をシフトした方が良いが、無理な攻撃をするようなスマートでないことをやると反撃を食らう。やはりそこには守備とのバランスがある。特に引いたチームに対しては押し切るか、無理に押さずに引いてから押し直すか、という駆け引きの部分もある。弱いチームなら押し切ることはできるが強いチームに対しては押し切ることが出来ずに反撃される。
ジュビロは今の所3421のフォーメーションを崩さないので選手を嵌める事を選択している。マッチしているかどうかは微妙。フォーメーションと攻撃、守備の戦術も最適化してるかも微妙。いる選手は変えられないがフォーメーションは変えられる。どちらを変えるかを考えるならフォーメーション。問題は選手の適性がそれぞれ違うので交代するとそれだけで意味合いが変わってしまう。そういう部分も含めてフォーメーションとシステムの作り方、選手の嵌め方は大事になる。同じことをやっても選手によって特性の違いから機能しないこともある。選手に合わせたオプションを作っておくことが大事。特に攻撃の選手は特性が出るか出ないかで結果が大きく変わる。選手を活かせるチームになるかは大事な点。特性を殺さず、むしろ相乗効果でより高い戦術が実現できると良い。
0 件のコメント:
コメントを投稿