2018年10月12日金曜日

2018清水戦総括、磐田の今後の展望

磐田が後手後手


4月の清水戦は清水のサイド攻撃で磐田が5バックラインディフェンスでドロー

10月の清水戦は磐田のサイド攻撃で清水のカウンターで1-5


磐田は4月の清水戦で相手のサイド攻撃を防ぐためにはこちらがサイドを攻撃すれば防げる=攻撃は最大の防御、という発想でプラン構築したのかもしれない。清水はその裏をかいてサイド攻撃をさせて裏へのカウンターを決行。戦術プランが後手に回った。


攻撃は最大の防御、という発想はある意味で正しいが別の意味では間違い。サイド攻撃で相手のサイド攻撃を防ぐという発想はいいのだが、だからといってこちらのサイド守備が無くなるわけではない。この点で対カウンター視点が欠けていた。

戦術はじゃんけんと同じで勝ち負けの相性がある。同じフォーメーションでも運用次第で異なる戦術を使い分けることができる。清水は442は変わらずにサイド攻撃とカウンターを運用によって使い分けている。磐田はフォーメーション自体を変えることで戦術を変えている。清水は基本形があり、変化は運用で行っている。磐田はフォーメーション依存でフォーメーションの変化で戦術を変えざるを得ない。


フォーメーション依存から固定フォーメーション運用による戦術対応という考え方にシフトする必要もあるかもしれない。選手の練習時間、フォーメーションの習得時間も関わってくる。誰が入っても変わらない、というスタイルは若手に対しても覚えることが決まっていて習得しやすく習熟度が上がりやすい。個人の能力に頼ったフォーメーションの構成はキーとなる個人が抜けた時点でフォーメーション自体を変えざるを得ない。効果の最大化では個人依存のフォーメーション構築の方が高い効果を得られるが、中長期でみると常に最適化されたフォーメーションを探す難しさや若手の育成、メンバー構成の変化に伴う入れ替えに強いのは固定フォーメーションの方だ。チーム運営で常勝チームを作る場合は後者を必然的に選ぶことになる。磐田の伝統は個人依存のフォーメーション構成で効果を最大化するスタイル。上手く行かない時は壊して一から再構築しなければならない。この時間が無駄になっている。また個人依存になり若手が出られないので育成できない。個人タスク、依存度が高くなりハイペースのスタメン固定で休めなくなり怪我が多くなり離脱してしまう。

磐田は地方中規模のエクセレントチームを掲げているが、今のままだと中位低迷を前提とした波のあるチームとして終わる。10年に1度タイトルに絡むか絡まないか程度。黄金期の再来はあり得ない。常勝不敗チームを作るためには過去の磐田から脱皮しなければならない。チームとして必要なのは安定したチーム力を構築すること。それが観客を呼ぶことになる。常にトップ争い、トップ5を維持できるだけの実力を持つべき。その為には安定したフォーメーションと育成が必要になる。負けない試合運びは重要。カウンターサッカーの守備力と攻撃力のマッチは大勝を呼び込む。清水戦でそれはよくわかる。無駄な攻撃サッカーは全く機能しない。磐田に栄光をもたらしたNBOXも中央攻撃のショートカウンターという現代サッカーの先駆者となったフォーメーション。その場所に立ち返って学ぶべき。

2018清水戦

磐田は3412、清水は442

磐田は両WBを上げて3バックをワイドに展開したサイド攻撃。
清水は両SHを内側に絞って4バックをワイドに展開。

磐田は3バックでサイド守備はWBの戻りのみ。
清水は4バックでサイド守備はSB。

清水はSHを絞って、SBで磐田のWBを迎撃。SBは深い位置にいるのでWBがサイド攻撃で前進し過ぎ=自陣サイド守備が出来ない状態になる。清水はこれを狙っていた。WBが上がった裏のスペースにSHやFWが縦に飛び込んでCB脇を突く攻撃。

磐田は3バックをワイド展開しているので実質1CB+2SBの形。ボランチは攻撃時に前進するので守備専ボランチ1人が残り1CBと縦関係に2人がいるだけ。フィールドの横幅は68mあるので3人で守る場合は34m=半径17mを守ることになる。CB間は34mのスペースがあるのでCB間を突くのは簡単。CBが閉じた場合でもサイドは14mあるので左右CBがマークに来るまでに1~2秒のタイムラグを稼ぐことができる。

カミンスキーが止められないのはCBの壁が無い為にコースを限定できずにほぼフリーな状態でゴールの正面でシュートを打たれるから。3CBで中央に壁があった場合コースを限定できる。

磐田が3412でサイド攻撃したのに対して清水は442でカウンターを狙った。この戦術がピタリと当たって1-5の大差で大敗した。

磐田が3421でワイド攻撃をした場合、WB、CBがサイドに展開するので正面の守備が全く機能しなくなる。さらにOHかボランチのどちらかがサイドに開くので攻撃面でもFWが孤立して中央攻撃、シュートに繋がらない。

清水はSHの金子石毛が磐田のWBとマッチアップしてもフィジカル的にミスマッチして抜かれる+WBを前で止めた場合逆に裏のスペースにCBが展開してカバーされるので有効に使えないという2つのマイナス面をひっくり返した。タフネスで負けるSHを絞って利点のクイックネススピードを生かした縦への攻撃へ利用、サイド守備をSBのみにしたことによって磐田のWBが簡単に清水の深い位置まで前進して裏に大きなスペースを提供した。これをカウンターの起点としてSHが裏に飛び出してCB脇を突いてCBをサイドにおびき出すことに成功。FWはCBのいない正面から自由なコースでシュートを打つことができた。



磐田はどのようにこの罠を攻略すればよかったのか。

清水はサイド守備をSBのみに担当させた。442の弱点はSBCB間のスペース。WBがボールホルダー、クロッサーとして機能させるのではなく、OH、FWと共にレシーバーとして3~4人の前線のラインを構築する。トップ下の中村は中盤4人ラインと2CBに囲まれているので中央では機能しない。WBの開けた中盤サイドへと戻り、WBへの起点のパスを入れるべきだった。清水はSHを絞っていたいので中盤サイドでのチェックは少ない。空いたスペースを使い、WB、FW、OHを使って孤立しているSBをおびき出してSBCB間のスペースにFW、OHが切り込んでサイドから攻略する。相手の罠を利用してその穴をさらに広げるべきだった。中村が下がってWBの裏にいることでカウンターされた時のSH、FWの上がりを一旦止めて前線のWBを戻すためのリトリートにもなる。

機能しない攻撃は使わない。
カウンターされることを前提とした攻撃と守備の両立。
攻撃は連携と密集が重要。

サイド攻撃は一方に戦力が分散してしまう。両方同時に使うことは難しい。サイドチェンジには3~5秒かかるので4人ラインの清水に対しては機能しない。

磐田の3バックの運用は攻撃的過ぎで守備が全く考慮されていない。その為にカウンターされた時は簡単に崩されてしまう。まずこの運用を変更しなければならない。3CBが中央に居ればそれだけで失点は激減する。その分サイド守備を誰が担うのかを考える。WBなのかDHなのか。両WBを攻撃的にするならDHを守備的に。中央攻撃でDHを前に出すならWBを守備的に。一方のサイドだけ攻撃的にするなら逆のサイドを守備的にして攻撃時にスライドして中央に入ってくるようにする。これだけで守備は安定する。

中断期間中にどのように再構築するのか。
勝ち点計算では清水戦が分水嶺だったと思う。この試合で大敗したということは長崎、湘南戦で勝てる可能性は低くなる。残留を考えるなら長崎、湘南戦は勝った上で残りの4試合のうち半分は引き分ける必要がある。

磐田の間違いはたくさんある。個人のフィジカル、特にタフネスに対して評価が低い。テクニカル、クイックネス、ステルスなどに評価が高いが守備面ではハイタワー、タフネス、スタミナ、スピードが重要になってくる。戦術面ではサイド攻撃、ポゼッション、守備軽視と大量失点、攻撃力低下と二重のマイナス。チーム構成面ではベテラン多用、若手軽視。あらゆる面で逆のことをしているためにここまで低迷している。フロントスタッフ監督と運営側は総入れ替え再構築の必要さえ出てくる。しかし総入れ替えし過ぎても過去に上手く行かない部分があった。半分の入れ替えは必要になる。

ジュビロ磐田というチームが強ければ観客も来る。チームが負ければ離れていく。単純なことだ。ビッグネームはいらない。実力のある選手がその実力を発揮できること。まずはこれが第一だ。監督やスタッフはそれができる環境を作り上げること。

2018年10月6日土曜日

361ワイドボックス

____FW____
_OH____OH_
___CHCH___
_DH____DH_
__CBCBCB__


3バック1トップ中盤6人をワイドのボックスにして中央を2枚。2トップのN-BOXを1トップにして中央を2枚に強化。


現代のサッカーはトランジッションが重要になる。攻守の切り替えの速さとフォーメーションの変化で瞬時に最適化された状態になる必要がある。このフォーメーションは中盤の構成を変化させることであらゆる状態に変化可能。初期位置でのスタイルは中盤の優位性を活かしたショートカウンター。サイドを置かない代わりにハーフゾーンにOHDHを置いて中央とサイドの両方に即応できる。中央2枚のCHが中央の一次攻撃を防いでいる間にOHDHのボックスを狭めることで囲んで奪うことができる。CHより前ではFWOHCHの5人で奪い、中盤ではOHCHDHの6人で奪い、後ろではCHDHCBの7人で奪う。中央のエリアは大人数で囲んで奪うことになる。サイドではOHCHDHの3人またはCHDHCBの3人で奪う。サイドでは人数が減るがやはり囲んで奪う形を取る。

このフォーメーションからの変化形は541、3421、3241、343となる。CHが動くことで3421、3241で中盤の4人ラインを作ってショートカウンターを狙う。OHDHが動く場合は守備的な541か攻撃的な343に変化する。変化形の場合はライン守備が基本となる。3ラインのシンプルな構成にすることと、5人ライン4人ラインを作ることで横幅をとることでサイドまでの守備を安定して構築することができる。ライン守備の欠点はハイボールでラインをパスされること。ボックス守備でパサーへプレスをすることでレシーバーへのCBのプレスもより有効になる。

初期位置のボックス状態では中盤、中央の制圧を基本とし、ショートカウンターを狙う戦術。ライン守備の場合は541では堅い守備とロングカウンターを狙う。3421では同じくショートカウンターを。3241では相手陣内での攻撃、343は更に突っ込んだ攻撃になる。ライン守備では中盤4人ラインが固定なのでどの状態でもサイドには1人が展開し守備を担当する。


攻撃面ではボックスを活かしたポゼッション、ラインを活かしたサイド展開と中央へのスルーパス。中央の3CB、2CH、1FWの3ラインを縦に使った速攻。ボックスの幅と深さを活かしたワイドかつ前後のラインを飛ばした攻撃が可能となる。OHDHのサイド展開に寄ってサイドの幅を活かして相手の3ライン守備やボックス守備を回避可能。サイドチェンジによる幅を使った揺さぶりと縦の3ラインを使ったスルーパスでの速攻の両方がマッチする。横幅を使えば3ライン4ラインのスペースを突くことが可能になる。サイドチェンジ+縦ドリブル。横スライド+縦スルーパスと前後左右の幅と深さを使った人の動きとボールの動きの融合が可能。NBOXで行われた攻撃戦術と同じことができる。

NBOXでは2トップだったために中盤中央が1CHとなってOHDHとの連携面で問題が残る。3人ラインにしかならないのでサイドまで対応できない。2CHだと4人ラインになるのでサイドまでカバーすることが可能になる。1トップになったことで決定力は下がるかもしれないが、2CHで中央の守備力だけではなくサイドの守備力も含めて中盤が強化されるので、カウンター時に3トップに移行しやすい。2OHが上がることで3トップ攻撃になる上、2CHの1人や1トップ相手の場合の余ったCB1人が中央攻撃に参加することでさらに攻撃力は上がる。攻撃時に3バックが開いてサイドへ展開するとCBDHOHのサイドに縦3人ラインが構築され一気に縦へのサイド攻撃が可能になる。この場合は2CHを下げて3421に変化しておかないと1CBのみになり守備が危険になる。両サイドを生かして敵陣に入った場合はCBを閉じてCHを上げていく。CHとDHは守備を基本にする。CHは攻撃時に前に出るのでバランス感覚とスタミナが必要になる。DHはサイドの守備力とパス供給。攻撃時はOHが中央に絞るのでサイドからのクロスを担当。OHは攻撃を基本にしつつもプレスバックで囲むこと。攻撃時は中央に絞ってFWとの連携による中央攻撃。

中盤の人数と構成を生かした多彩な攻守に渡る適応力、対応力の高さが戦術の核になる。どの相手に対しても対応可能。CHDHの守備力の高さとバランス感覚は重要になる。CHはスタミナが必要で前後の動きをしっかりコントロールする必要がある。DHは攻撃面で前に出ない分サイド守備とCHの背後のスペースを埋める守備が必要になる。相手を押し込んだ場合は後方、サイドからクロスを上げて中央のFWOHを支援する。

3CBは中央守備を基本としてサイドはDHに任せる。相手が1トップだった場合、一人が前に出てCHの後ろのスペースを消してボールを掻き出すスイーパーとして動く。攻撃時はワイドに広がってビルドアップする。バイタルが空きがちになるのでDHと共にCBの一人はできる限り前に出てスイープできるようにする。特にサイドにボールが振られた時にDHがサイドに出ていくので中央が空きやすくなる。DH一人が残ることになるので空いたスペースに走り込んできた時に対応が後手になる。サイドに出た場合はボックス守備からスムーズにライン守備へと移行して対応した方が無難。5バック=4バック+1で一人がボールホルダーへとプレスすることで3ラインの間のスペース、バイタルを自由に使わせないようにさせる。ボックスからラインへの移行とライン間をコンパクトにするまでのタイムラグがあるのでこの時間で相手にスペースを使わせずにこちらの守備を固める為にスペースにボールが入る前に動き出し、スペースに入った時にはスイープできるようにする。できるならばスペースへのパスに対してインターセプトした時にダイレクトにロングフィードを前線に供給できると速攻カウンターが成立する。ショートカウンターの囲みの失敗からロングカウンターの為にボックス守備からライン守備に移行する時に起こる可能性が高い。CBはスペースへの飛び出しとスイープ、カウンターを常に準備しておく必要がある。

CHが中央で守備と攻撃の両方に参加する。ここが一人だとマンマークされて潰されやすいが2人いることで回避しやすくなる。また周囲にOHDHCBと囲まれているのでボールを逃がしやすい。ポゼッションでも活躍できる。OHDHはサイド守備とサイド攻撃で2人いるので数的にも負けることはない。CHとの連携でサイドを崩して突破可能。もしくはサイドチェンジなどを使ってスペースのあるサイドを突くことができる。ここでもCHが2人いることでパスコースに選択肢があるのでダイレクトなサイドチェンジでもCHを経由したサイドチェンジでも良い。CH経由の場合、サイドチェンジだけではなくFWへのスルーパスが期待できる。3421か3241で幅を使ったビルドアップもでき、OHとFWの連携で中央に3人+CHかDHの上がりで4人目の動きも出てくる。攻撃の厚みが出るので幅の選択肢と追撃の厚みの両方を期待できる。

中盤の構成がWBを置いた361と違うのが大きな特徴。通常は中央に4人ボックスを作りサイドにWBを置くが、この場合WBのスタミナ次第になる。3バックの最大の弱点はサイド守備になる。つまりWBが攻撃的過ぎたり、スタミナが無くなって守備が出来なくなると3バックは終わり。WBを置くとサイドの守備がWB依存になり危険になる。NBOXでDHがWBの代わりにサイド守備をすることでDHがCBの周囲を守る形が出来た。しかし問題点は少ない人数で広いエリアをケアしなければならないこと。そこでCHが降りて守備参加するのがNBOX。すると今度は中央がいなくなってしまう。守備時に2トップは前がかり過ぎ、かつ2OHも浮くので守備に対して有効に機能しなくなる。1トップにして2CHにするとこの点がクリアされる。2CHは点から線になって中央の壁になり、OHDHとの連携で4人ラインを構築できる。NBOXは縦にソリッド過ぎたのでこれを横のソリッドにしたのがこの361ワイドボックスになる。DHがサイドに下がればCHが下がってボランチとして中央を守れる。ボックスとラインの移行、中央の囲み制圧、サイドの制圧共に問題ない。非常に守備的だが中盤の組織的守備からのカウンターを狙うことを前提としつつも他のフォーメーションへの移行のしやすさがトランジットでの優位性を持っている。4バックの攻撃時3バック化などの縦横の複合スライドによるポジション変更は機能面では充足されるが、速度面では問題点がある。特に変化途中でのプレスなどに弱いので3トップでのプレスディフェンスなどでは手を焼く。その点3バックから5バックへの移行はWBやDHの前後の移動だけになるのでトランジット時のポジション変更による隙ができにくい。

ボックス守備の制圧力、ポゼッションの構成力とライン守備の隙の少なさを兼ね備えたフォーメーション。人数の多さと距離の短さから互いにフォローできる距離にあって連携しやすく攻守に機能する。


2018年7月18日水曜日

3151(361ダイヤモンド)

磐田の新フォーメーション3151(361ダイヤモンド)

この表記から見えるのはWBをより高い位置で攻撃的に使いたいということ。
3バックも攻撃的に左右CBはサイドに近い場所まで広げて使い、攻撃サイドではWBと共に前に出て攻撃参加する。

4バックに対しての守備の課題は残っている。3421ではWBを引いてWボランチと4人ラインで中盤深い位置で奪う為相手SBの位置からCBの裏へのクロスに対応するのに遅れや守備の軽さが見られた。

WBを高く保ち相手SBに当てることでロングフィードを防ぎ、かつSBの裏のスペースを突くようにカウンターを仕掛けることができる。








左サイドからの攻撃時
左のWBとCBが攻撃参加
右CBが左にスライド
アンカーが下がる
右WBが下がる
右バランサーがシャドーとして上がる

              トップ

              ↖    ↗
● ↑            トップ下     ↑
左WB     ↓             右BL
     ↑   左BL
   左CB
             ↓            ↓
     ←右CB アンカー 中央CB 右WB



これをWBとバランサーの動きのみにしてみると

  ↑              ↑
左WB           右BL
      ↓               ↓
     左BL            右WB



これをレーンで区切ると

  ↑ |    |     |  ↑ |
左WB|    |     |右BL|
    | ↓  |     |    | ↓
    |左BL|     |    |右WB


WBはボールに対して同じように動く。
ボールサイドが上がり、逆サイドは下がる。

一方、バランサーは逆に動く。
ボールサイドはボランチとして、逆サイドはシャドーとして動く。

ボールサイドのアウトサイドと逆ハーフゾーンが連動して攻撃するということ。
これはボールを視界に入れようとするとハーフゾーンのレーンが死角になるから。
上手いFWの選手がDFの背後に隠れるのと同じ。
ボールウォッチャーになるDFの背後を狙う=シャドーの攻撃
味方のFW、トップ下が中央でDFにマークされやすいので死角に飛び出してくるバランサーが得点しやすくなる。
かといってバランサーにマークが散るとFW、トップ下が自由に動くことになる。

ボールサイドに守備がスライドすると逆サイドが空きやすくなる。
そのスペースを使ってバランサーが上がることが可能になる。



2018年7月17日火曜日

361ダイヤモンド

2018年ジュビロ磐田の新フォーメーション 361ダイヤモンド

3バック+アンカー+インサイドハーフ+WB+トップ下+1トップ

中盤の構成をWボランチ+2シャドーからアンカー+インサイドハーフ+トップ下に変更
ボックスからダイヤモンドにしている。

これだけの変化で大きな違いがあるのか。
相手はJ2、3位の山口。
結果は4-1の快勝。

守備面では361ボックスとほぼ変わりなし。
中央に4人いて中央を締めている。
WBは守備時に下がって両サイドを左右のCBと共に守備をする。
3バックは中央に集まる形ではなく、左右CBはサイドに広がる。
つまり中央のCBと左右のCBの間には空間が出来てしまう。
アンカーはこれを埋める。
攻撃時にWBが上がり、一緒に左右CBも上がる。
この時に逆のサイドのCBがスライドして上がったCBのスペースを守る。
逆サイドに空いたスペースはWBが下がって埋める。
アンカーが下がることで4バックの形にも変化している。
攻撃時を最大にするために守備をやりくりしている。

               アンカー
                |
左WB - 左CB - 中央CB -右CB - 右WB


左が攻撃サイドになると


左WB

  左CB

    右CB - アンカー - 中央CB - 左WB

このように攻撃サイドにスライドして全体の守備のバランスを取っている。


攻撃に関しては中央のインサイドハーフの飛び出しとトップ下の飛び出しの両方を使っている。
これは川辺のいた時のカウンタースタイルの一つ。

ここで利いているのがダイヤモンドにしたということ。
田口と上原という川辺の後釜を入れている。
インサイドハーフは下がればトレスボランチになって守備を堅くする。
一人が上がれば361ボックスの2シャドーのスタイルになる。

インサイドハーフの飛び出しはボランチの位置より高めになりより攻撃参加しやすい。
また、Wボランチだと攻撃参加にどちらが行くのかで穴が開きやすくなる。

多分、攻撃サイドのWBに大して逆サイドのインサイドハーフが飛び出してくる。
これは以前はWBが飛び出して逆サイドのロングボールをシュートしていたが、これでは体力が持たない。
ボランチやWBの攻撃参加の負担も考えるとインサイドハーフの飛び出しによる攻撃参加は全体のバランスをうまく整えている。
逆サイドのWBが下がって守備の穴を埋めることから、逆サイドの攻撃はインサイドハーフが担当した方が良いことになる。

トップ下は1トップに絡んだり、スペースに抜けだしたりとインサイドハーフと同じように飛び出して攻撃参加する。守備時は中央を守りプレスバックして4人で中央を制圧する。


新フォーメーションは今までの積み重ねが生かされている。
左右CBの攻撃参加は2018年前半において機能した攻撃。
左右CBはハーフディフェンダーとして守備だけでなく攻撃にも参加する。
現代サッカーの最新の動向を取り入れている。
WBのサイド攻撃によって中央、ハーフゾーンのインサイドハーフが中央でフィニッシュする。

左右CBの攻撃参加は今までのサイド攻撃におけるWBの単騎による攻撃がアダイウントンの個人の能力に依存していたことと、組織的守備に対して個人のサイド攻撃は脅威にならなくなってきている。
このために左右CBがWBと共にサイド攻撃に参加して連携しつつサイドを崩していくことができる。
すると相手の守備はサイドによってくるので、逆サイドの守備が空く。
攻撃時は逆サイドのWBは下がるが、インサイドハーフがこれに代わって逆サイドの攻撃参加をする。
ボールサイドのWB+左右CBの崩し、中央の1トップ、トップ下、逆サイドのインサイドハーフの3枚が前線に並んでサイドのWBからのボールを待ち受けている。

このフォーメーションは面白いし攻撃力もあると思う。
しかし、361ボックスの弱点であった4バックのSBからの裏への放り込みに対してはどのように対応するのか。
2シャドーでなくなったので中央からサイド奥へのプレッシャーが利かなくなり、相手SBが自由にボールを持てる状態だとまずい。
WB+インサイドハーフの2枚で対応するのか。

森下監督時に3142で攻撃的にし過ぎてJ2降格したのを考えると、1ボランチは博打になる。
インサイドハーフが田口、上原のスタミナタイプであるから上手くいっているのかもしれない。
この布陣ではインサイドハーフが攻守のカギになる。ボランチ役であり、同時にフィニッシャーでもある。
インサイドハーフがアンカーと共に3ボランチ気味に守ることもできるので中央の厚みはある。
それを抜けた場合は中央CBがカバーにいく。
中央を3ボランチ気味にできるからこそ左右CBは開いて攻撃参加が可能になる。
このあたりのバランスの取り方がこのフォーメーションではうまく機能している。

ビルドアップに関してはWB、左右CB、インサイドハーフの3人でサイドからの攻撃を活性化する。
WBの攻撃を内側のインサイドハーフと後ろの左右CBが支援する。

フィニッシュは1トップ、トップ下、逆インサイドハーフが決める。

2018後半バージョンの361ダイヤモンドがどれくらい活躍するのかを見てみよう。
このフォーメーションはかなり攻撃的だが、守備のバランスもとるようになっている。
リスキーな部分はもちろんあるが攻撃力は課題でもあった。
守備に関しては去年からの積み上げがある。
今年は攻撃の積み上げが見込めそうだ。

2018年4月8日日曜日

清水戦 2018

スコアレスドロー

フォーメーションは3421対442

磐田は442の清水に対してサイドの人数差を作らないように5バックの541で守備を固める。
清水は守備時は442だが攻撃時は両サイドが自由に動いて442ボックス、424、433のようにFWの二人の左右と後方のスペースを自由に使っていた。

磐田は前半清水の左SBの松原からのパスがバイタルに入って、そこからFWに縦に繋がれることが何回もあった。

磐田が3421で失点するパターンはやはりSB起点だが、SBへのチェックがなくクロスが裏に入ることで失点していた。それを修正する為に中央ボックスを解いてサイド守備に2列目を開かせているが、541の4人の中間のスペースを使われて中央ボランチ脇を使われるという形になってしまった。
松原がサイドいっぱいに張ることで中村をサイドに引き出し、上原田口との距離を開けさせる。松原が中村と上原田口の空いたスペースを使って上原田口の後方にいるFW、MFへとパスを入れていた。これがワンタッチでFWに繋がりゴール前の危険なプレーになっていた。

5バックの541で川又を孤立させていても孤立して守備として機能するのか。
守備時に3430の0トップにして前線でもラインを作って相手SBとの距離を空けない、味方との距離を空けないようにしたらどうか。

541はコンパクトな2列守備で1ライン当たりの人数が多いので距離も近くお互いのフォロー、カバーがしやすいが、縦の距離がなさ過ぎて前からのチェックが効かない。

2トップ案があるのはこのSB対策でもある。現在の1トップでは守備時に川又が中央で孤立して機能していない。2とっぷにすることで中央も強力になるのと、幅が出来るのでSBへの対応が早くなる。まず攻撃の起点となるSBへのチェックに行くことが重要。サイドの選手はSBが縦に行かないように縦のコースを切ることと、縦に突破させないこと。それ以上に中をカットする必要がある。

危険度では常に中のコースを切ることが前提で、縦への突破はその次だ。SBからDHの裏に入られてそこからFWに繋がれているのでこれはさせない方が良い。

541での守備は穴が少なくて守備しやすいが2列守備はコンパクト過ぎて後方にプレスやチェックが行かないのでロングボールが出されやすくなって裏を狙われやすくなる。前がかりになり過ぎない程度に前線からのチェックは必要。特に起点になる場所やポジションの選手をマークして機能させなくする必要がある。

清水の攻撃の軸は左SBの松原なので、ここのマッチアップをもっとしっかりやるべきだった。松原に持たせるなら、パスコースのカットや受け手へのチェックがもっと必要だった。

541でラインは作っているが、ライン間へのプレスバックが出来ずにトライアングルの中で奪う動きが出来ていなかった。DHが後ろのスペースへパスを出されているのだから、DHは素早くそこへのチェックをして反応するべき。

パスの出し手へのチェックが少ないので、コースと受け手に行かざるを得なくなり、それが守備を後手にしたと考えられる。やはり攻撃の起点のSBへの対応をどのようにするか。ここをもう少し考えて対策しないと今後もSB起点のチャンスメークを潰せずにバイタルを突かれたり危険なシーンを作ってしまうことになる。

今後もこの対SB守備は課題として残るだろう。

2018年3月10日土曜日

東京戦 2018

FC東京戦

3421 対 442ダイヤモンド

マッチアップの少ないお互いにスペースに相手が入り込む布陣。
FC東京は中央ラインの大森、東のラインを使えるか。磐田はボランチ+シャドーのラインを使えるか。FC東京は4バックでサイドはSBがケアするので磐田のWBが上がりやすい。WBからのクロスにシャドーが絡めるかどうか。中村が上がらないので田口上原の攻撃参加が必須になる。その分中央が薄くなるので守備の運用が厳しくなる。


名波はカウンターじゃなく3421でポゼッションを選択。全く怖くない。むしろ自分達で攻撃を遅らせてチャンスを潰している。中村が右SBの裏まで下がり過ぎ。自分が前で抑えるべきところを櫻内にやらせて中村は下がる。組み立てでも中村が下がって2列目にはいない。3.5列目まで下がる始末。

田口、高橋の攻撃参加でPA内4人。こういう動きをトップ下がやるべき。

中村の動きが素人並みに酷い。攻撃時には無駄に出てきて遅らせる。守備時はSBまで下がって消える。10対11だ。これがシャドーにいる意味が分からない。FK、PK以外に戦力にならない。

中村の介護で櫻内だけじゃなく川又まで下がっている。中村一人の為に回りが犠牲になり過ぎている。

東京は中村が穴だとみて左サイドを徹底的に攻めてきている。ギレルメが攻め上がる時はその後ろ。

中村は動くボールの予測が出来ていないな。振り回されてる。とまったボールしか蹴ることが出来ないんだな。

中村が守備で下がり過ぎ。

アダイウトンが前線から戻って守備。それは良かったが、ギレルメも新里も上がってサイドが空いて大井が対応したが抜かれるところだった。ちょっと前がかり過ぎだな。

その前のプレーで中村が中央で欲しがってたのを無視して右にサイドチェンジしてるんだよ。それで新里まで上がって裏に穴。

中村が攻撃時にシャドーにいるが、ボールをこねるので結局守備がもどってチャンスが潰れる。各駅停車でカウンターにならない。

中村が後ろからファールまがいのスライディング。流されたけどFK献上するつもりかよ。判断も酷い。

中村はポジション放棄し過ぎるな。いつものことだが。その割に効果的なボールも出ないし守備もできない。

中村は3列目、3.5列目の選手。周りも見えてないし、守備も出来ないし、攻撃も各駅停車だし、武器は止まったボールを蹴ることだけ。90分間で数回のチャンスのためだけに使うにはコストが合わない。

他の選手のスピード、連動性に中村のギアが合っていない。遅いポゼッションベースの攻撃しかできない。低速な攻撃しかできない。スピードと破壊力のあるカウンター攻撃サッカーには向いていない。
中村がいるだけで守備のリスクが上がり、攻撃のチャンスが潰れる。今のサッカーのスピードに全くあっていない。全く戦力になっていない。

相変わらずPA内に入る選手が少なすぎる。下がる中村の介護で周りが下がって前への推進力を殺している。中村=ブレーキ。積極的な守備も速度のある攻撃も全くできない。中村を変えるだけで全く違う結果になる。

中村は徘徊ボケ老人。すぐに切った方が良い。

中村がポジションにいないのでそこからカウンターの起点作られてる。

やはり田口がPAに入ってくるといい流れ。田口2列目が正解。

中村は徘徊し過ぎて後半に息切れ。足が止まって穴をさらに大きくする。2列目に多いプレスバックしない癖もある。

川又とアダイウトンの2トップ、PAに2人が入ることでチャンスになっている。

ギレルメまでポジション放棄して中村の介護に右に移動。手がかかり過ぎる。

田口こそ10番をつけるべき。

中村はスタミナ切れて消えてんだからさっさと後退させるべき。

やっと中村が山田に交代。名波は判断遅すぎる。

ムサエフ決めた!中村のいない方がボールがよく回る。



3バック、Wボランチ、WBも問題なく機能していた。ギレルメの上りの後ろもケアしていた。問題点はシャドーとトップ。中村が全体に影響し過ぎ。アシストがあったからまだよかったが、なかったら全く仕事をしてないのと一緒。攻撃はアダイウトン、川又の孤立をさせないように距離感と連携、3人目の田口がシャドーに上がった方がより攻撃に決定力が出てくる。

守備で問題になるのは中央で囲んで取れなかった時。自陣では囲いを解いてボランチは最終ラインに入ってスペースを消す。サイドに逃げている相手をWB、ボランチ、シャドーで囲みたいが、ここでも中村がいないので囲めない。

中村の無駄な徘徊で囲むべきタイミングで囲めない、ズルズルと下がる、攻守に穴になっている。

3戦1勝2敗勝ち点3。あと2戦で1勝を確実に取らないといけない。
FC東京も磐田も2戦勝ち無し同士だったから今日の勝ちが本物かどうかはまだわからない。今季を占うには3戦はまだ少ない。ただ、今日の勝ちは攻撃より守備の修正が出来ている点で評価できる。攻撃面では田口のPA侵入があったので以前よりは機能してきている。

MOMは1得点1アシストのアダイウトンだな。

2018年3月4日日曜日

名古屋戦 2018

4231
____川又____
アダ__山田__中村
__ムサ__田口__
ギレ_高橋大井_櫻内


442(守備時)
__川又__山田__
アダ_ムサ田口_中村
ギレ_高橋大井_櫻内


守備時は川又が下がって山田とツートップの442を作って守備固め。

名古屋は433、3トップ、アンカー+2IH、4バック。3トップで4バックを押し込んでSBが上がってくる。中央はアンカー+2IHで1トップの川又を封鎖。SBがスペースを与えないのでアダイウトンとギレルメが深くまではいけない。SBもCBもアダイウトンとギレルメ対策についていける体力を持っている若手を起用。

磐田が3421でも4231でも3トップと4バックでサイドを機能させない仕組み。中央は3人だがCBを含めて5人ボックスとすることで強固にしている。2IHがフォアチェックしつつ、アンカーの小林が最終的に詰めて防いでいる。

結果は0-1で名古屋の勝ち。磐田はチャンスはあったが決めきれなかった。失点はムサエフのクリアが3トップのウイングをマークしていた高橋に当たってこぼれたところを決められた。
良かった部分はGKの三浦が5点近くセーブしていたことか。それだけ決定的なチャンスが多かった名古屋と、シュートできなかった磐田。アダイウトンはサイドのスペースを使っての上がりがメインでフィニッシュに絡む時はカウンターでの上がりから。スペースメインの選手。川又はラインと駆け引きして隠れながら狙うシャドーの動きの選手。1トップなのでマークがきつい上に5人ボックスの中央で密集された守備でマークを外しきれなかった。

トップ下は山田。守備時はコースを防いでフォアチェックもしていたが、プレスバックしないので、前に出たその後ろのスペースを突かれてムサエフが孤立で対処しなければならない部分もあった。
中村は動きが守備的で穴を空けないように後ろに動いてSBの櫻内が出て対処する時はその後ろに移動していた。反撃時に後ろから長いボールを蹴ることが出来るのは良い。

ギレルメはかなり攻撃的で左の攻撃はより活性化されていた。アダイウトンとの連携も多少あった。名古屋は中盤の両サイドが空いていたので有効に使えたわけだが、1トップの弊害で両サイドの攻撃を活かせなかった。クロスを上げさせても中央の5人ボックスで防ぎきるスタイルなのだろう。

試合全体としてはボールも動いていてチャンスも多数あったが決めきれなかった。磐田はシュート寸前の部分で、名古屋はシュートまで行ったがGKに防がれた。この差は大きい。チャンスの質が違った。3バックにして1人後ろに移してしまったわけだが、必要なのはむしろ前。2トップや3トップを考えないといけない。

4231にしただけではなく、中盤で封鎖せずリトリートして自陣で守るスタイルに変わってきている。ギレルメが前に出るので左CBを高橋にしてギレルメのスペースのケアを高橋がしていた。これは連携で上手くできていた。

田口はパスの出し手としてとボランチとしてのチェックと無難にこなしていた。ムサエフは攻守にわたってよく動けていた。失点はしたが、3トップとの相性の悪さもあった。攻撃では中盤のドリブルでボールを運べていたし、ゴール前でシュート出来たタイミングもあった。攻撃の厚みを作れたのでよかった。

ゲームの流れとしては早いタイミングでの失点。前半は上手くいかない部分も多かったが、後半40分までは良い動きだった。しかし時間切れ。5分のロスタイムも含めて後半最後はスタミナ切れ、大井がリベロで前に出てきたが得点できず。名古屋に逃げ切られた。名古屋は守りを固めて1点を守りに来ていた。

2戦目までの結果としては、2戦2敗勝ち点0と酷いものだが、4231、442のトランジッションと勝負内容としては40~50点くらいで及第点まではいかないかも。名古屋のようにシュートできた形で1-1の引き分け、勝ち点1なら及第点まで行っただろう。

チャンスの質の悪さを高める必要がある。シュートで終わることのできる状況を作ることが重要。川又が孤立せずにシャドーの動きが取れるような形を作れるか。山田とのペアだとむしろ山田がシャドー。川又1トップでポストをやらせるのは無理だし適性じゃない。

1トップはジェイ仕様であって、今はもう違う。去年のように川又、アダイウトン、川辺と攻撃はコレクティブにいかないと川又の良さが消えてしまう。山田とのペアより、山田、田口を2列目に置いた方がまだよいかもしれない。4231だとトップ孤立、トップ下はシャドーでトップを囮にスペース出てくるタイプ。両サイドも孤立で連携せずにワイドからのクロスや押しこみでラインを下げるのが仕事になる。はたしてこのスタイルがあっているのか。チームが1トップ、2列目3~4人の人数構成になっているという部分が難しさを出している。

1トップの川又をポストで使わないことと、2シャドーで2人が川又の近くでプレーすること。中央のこの3人に対して両サイド、SHかSBがクロスを入れること。この辺りが重要になる。

アダイウトンと川又をツートップにしたショートカウンターが良いと思う。ロングカウンターでは体力を使い過ぎる。ただ、ショートカウンターだとスペースも狭いので中盤で守備を散らして最終ラインを崩した上で裏にFW2人を走らせられるようにするのがいい。その為にはこちらのスペースに相手を引き込んでからしっかり囲んで奪ってカウンターがよい。

問題はどのような布陣で相手を引き出してカウンターするか。3421では中央を制圧して左右のどちらかに分断して人数差を作り、サイドで奪ってから中央に供給カウンターするスタイルだが、4231では中央はFW+OHの二人で破壊力が少ない。しかもOHにパサーを置いてしまうとFWが孤立する。OH、SHはFWと同じく前への推進力のある選手でないといけない。

山田、中村のどちらも前への推進力があるわけではない。2列目で足を止める選手はそもそも2列目向きではない。1列目、2列目には攻撃的な選手=走れる選手を置くべきであって、走れない選手は置くことが出来ない。また、サイドも同じ。守備力もなく、足の遅いタイプはどこにもポジションはない。たとえテクニックがあっても最終的には居場所がなくなる。

極端に攻撃と守備に分けるなら、攻撃とは機動力。足が遅くスタミナもないタイプは攻撃的とは言えない。守備は対人とスペース。テクニックタイプはどちらにも属さない。つまり最終的には使われなくなる。いざという時に必要となるのは機動力と守備力であってテクニックではない。

去年の3421、3バックの守備力と前線の走力が活きた。今年の4231は2016後半と同じ。2017の3421は名波のやりたいサッカーではない。しかし結果が出てしまった。名波としては2016年のスタイルでやりたい。しかし、フィットしないし、そもそも名波のスタイルでは全く勝てない。だから今年は全く期待できない。ポゼッションとパスを前提としたスタイルは日本代表でもまったく機能しないスタイル。そもそもポゼッションは守備スタイルで攻撃的ではない。パス重視は全員が素早いパスを回せるテクニックと判断力が必要でチーム全体でそれをやろうとすることは非常に難しい。それをやりたい場合、練習メニューが大変になる。名波にそれを構築できる能力はない。やりたいサッカーとやれるサッカーはまったくことなる。この時点で名波の監督適性は失格。攻撃の構築も守備の構築もできない監督に何が出来るのか。

今年の磐田は2016の焼き直しで失速、残留争いに巻き込まれることになる。

2018年3月1日木曜日

戦史から見る陣形

主力の重装歩兵、側面の騎兵、前線の軽装歩兵の組み合わせになる。

(前方側方警戒)
__FW__FW__
MF_MFMFMF_MF
__DFDFDF__

(前方側方後方警戒)
__FW__FW__
__MFMFMF__
DF_DFDFDF_DF

(側方後方警戒)
FW______FW
__MFMFMF__
DF_DFDFDF_DF



主力は3CB+3DH、サイドにSH、SB、前線にFW。




オランダ式大隊

■□□□■


□□□
■_■


スウェーデン式大隊

_□□□_
_□□□_
■■_■■


どちらも中央に本体が存在し、側面、後方に支援部隊を置くスタイル。本体が中央攻撃に出る。


DF_FWFWFW_DF
DF_MFMFMF_DF

__FWFWFW__
__MFMFMF__
DF_DF_DF_DF


基本は中央攻撃。サイド攻撃は逆サイドへのサイドチェンジによる敵ラインの裏への侵入。

3人のFWとMFによる中央攻撃は2CB、2DHの42ライン、ブロックに対して数的優位を作り出すことが出来る。

3トップ、3センター、4バックで、SBがサイド守備や奇襲に攻撃参加する。攻撃時はPA内にFW3人が入り、PA外は正面に3センター、サイドをSBが包囲する。2CBが残るだけなのでカウンターには注意が必要。4バックが攻撃参加せずに後方からクロスやロングシュートを狙うこともできる。3センターはPA内のFW3人へのパスやミドルシュートを狙う。SBが上がった場合、サイドから切り込んでシュートするオプションもある。


三兵戦術による布陣

SBDHCBCBDHSB

SB______SB
__DH__DH__
___CBCB___


__SB__SB__
_________
__DH__DH__
___CBCB___

両翼SBが騎兵、中央CBが槍兵、中間のDHが銃兵、砲兵。騎兵のSBはサイドを移動しつつ相手の側面から裏を取る。銃兵砲兵はキッカーパサー。槍兵は中央で守備。あくまでドリブルによるサイド突破ではなく、DHからのパスをライン裏で受けることがサイドからの奇襲攻撃。

三兵戦術は4バック+Wボランチとしてみれば、CBが守る。DHがSBへのパスやミドルシュートを撃つ。SBがサイドを上がり、裏への侵入、カットイン、PA内への切り込みなどに例えることが出来る。

_FW_FW_FW_
_DH_DH_DH_
SB_CB_CB_SB

_FW_FW_FW_
SB______SB
_DH_DH_DH_
__CB_CB__

_FW_FW_FW_
_DH_DH_DH_
SB______SB
__CB_CB__

FWとDHとの間のスペースを使ってSBが切り込んでいくこともできるし、サイドを使って相手のSBのマークを引き付ける、サイドでパスを迂回するなど中央を支援する形で側面の位置を使う。SBの上がりが少ない場合は側面後方からの援護、本体のDHが上がってFWを直接支援する。またPA付近のバイタルを制圧してミドルシュートによる攻撃を仕掛ける。SBは長短のパスでFWのマークをDHへと移しながらFWが裏抜け出来るようにサポートする。

3センターは3人ラインで横幅をケアしやすいのでSBが上がった場合でもその裏のスペースのケアに行きやすい。アンカー+インサイドハーフなど縦のギャップが出来ると横幅のケアができずにSBの裏のスペースが大きくなってしまい、そこが穴になってしまう。

4231運用

4231で効果のある攻撃は何か。

4231の攻撃は中央とサイドのどちらも攻撃できるが、2列目の人選は裏抜け出来るタイプが重要。FWは強力なポストタイプ。相手が4バックWボランチの場合。相手CBがFW、DHがOHについている場合、こちらのSBのクロスをSHが裏抜けしてシュート。相手SB、DHがSHについている場合、OHが裏抜けしてシュート。松浦や中野のような裏抜け出来るタイプが2列目に向いている。現在の2列目の構成はアダイウトン、中村など裏抜けするタイプではない。力押しでラインを下げるとか、外から打ってくるタイプ。相手の守備ラインを下げてしまうと裏のスペースを使うことが出来ない。2列目には常に裏に抜けることを考えるようなタイプが向いている。ドリブラータイプは陽動型で後ろからの方が向いている。つまりSBがドリブラータイプで後ろから中盤までを陽動でサイドをドリブルして相手をボールサイドに引き出す。FW、OHはニア、センターを狙うがファーは空けておく。同時に逆サイドのワイドが裏のファーを狙う。SBはそこにアーリークロスを放り込む。

アダイウトンが前でドリブルしてしまうと守備ラインが下がってスペースを消してしまう。この場合はマイナスクロスでゴール前中央、OHや上がって来たDHが詰めてミドルシュートを狙う。ギレルメがSBから上がってくる場合は中盤当たりでアーリークロス。ファーで逆サイドから上がったSH、SBがシュートする。

名波のスタイルとして、ショートパスで崩す、つなぐ、というのをやりたがるが、これでは守備の穴を瞬時に攻めることはできない。時間がかかり相手のスタミナ切れを待つだけの消極的なスタイルだ。相手のスタミナがあるうちは守備に簡単な穴は開かない。なのでカウンターを狙う。相手が攻めているタイミングこそ守備が一番薄い。カウンターこそ最大の攻撃。ショートパスによるポゼッションでは相手の守備が食いつかない限り得点にはつながらない。相手を釣りながら針の孔に糸を通すように攻めなければならない。選手に高いレベルの技術を求めることになる。

名波の考えるスタイルでは守備も攻撃も機能不全で終わる。

名波が好きなのは、攻城戦、野戦、籠城戦の中では圧倒的に攻城戦。つまり敵陣に入って崩して得点しようとすること。しかし攻城戦は悪手。


孫子』では、防御に徹する守備側を攻略することは容易ではなく、攻城は下策で最も避けるべきと述べられている。


これを名波は理解していない。サイドをドリブル攻撃することで相手の守備ラインを下げて籠城させてしまう。しかも短期戦ではなく長期戦が好き。ポゼッションからの崩しを狙いたいタイプ。包囲は相手より多くの人数が必要で簡単ではない。


長期戦
  1. まず、補給路などを確保し防御設備を築いた上で、交通路を押さえて、城を包囲する。
  2. 攻城兵器火矢を使って城を破壊したり、印地あるいは鉄砲などの飛び道具で城兵の損傷を図る。
  3. 開城交渉や調略を行いながら、心理的な圧力をかける。
  4. 城設備の破壊度、相手の兵糧・物資の窮乏度、士気の低下度を確認するため時々、攻撃をかけてみる。
  5. 十分、弱まったと判断したら総攻撃である「強攻」をかける。あるいは敵が食糧不足などで降伏するまで、さらに滞陣する。
まず交通路=パスコースを潰すこと。中盤でラインを形成して抑え込む。飛び道具=ロングシュート、ミドルシュート、アーリークロスで得点を狙う。強攻=センターアタックで中央を割る。これらをやるかというと、自分達がパスを回し続けてロストする。チャンスにシュートせずにパスを優先する。こうしたことをやっているからまったく怖い攻撃ではない。奇襲は守備ラインの外側、サイドを突く攻撃。あくまで奇襲なのでサイドチェンジかつラインの裏に入り込む攻撃であってドリブルによる攻撃ではない。

アタッキングサード:攻城戦
ミドルサード:野戦
ディフェンディングサード:籠城戦

ロングカウンター、ショートカウンターなら相手をおびき出しつつ、背後の城を狙うことができる。ロングカウンターは籠城戦からの攻撃、ショートカウンターは野戦からの攻撃。押しこみ過ぎる攻撃は相手の守備を固めてしまい、後手になる。

戦術の基本は戦史研究であって、流行りのフォーメーションではない。

現在の問題点

現状の3421、4231の問題点と対処。

共通問題として1トップで決定力に欠ける。攻撃時にPA内に3人いないと決定力に欠ける。ポジション的には川又、アダイウトン、中村の3人だが、中村はPA内に入らない&入っても決定力に欠ける。

1トップの弊害は守備にも表れる。点としてのみの守備になり左右のスペースに対して効果がない。2トップ以上であれば線として機能して横幅に対して効果が出る。

2トップに早めに移行することは攻撃面だけではなく守備面でも有利になる。小川、中野以外の現在のメンバーでも2トップの布陣に変更して守備面の再構築も行うべき。

2トップのフォーメーションを採用すると中盤が少なくなる。3バックを維持するか、それとも4バックにするか。3バックの弱点はサイド。WB一人を下げて5バック化すれば中盤の優位性は無くなる。それなら4バックで最初から1人増やす代わりに5バック化を避けるという感が方もある。3バックかつWBを下げないようにWBの後ろにケアするポジションを作るという考えもある。3322で3ボランチ+WBであれば、中央を3バック+3ボランチで防ぎ、サイドはWB+DHで防ぐ。4バックであれば442か。

攻撃面ではPA内に3人、PA外の包囲に4人以上、守備に3人以上という形が安定する。守備にCB2人の場合はスペースが広すぎてケアしきれない。PA内3人は決定力が高ければ2人、低ければ3人必要になる。PA外では両サイドに1人ずつ+正面に2~3人。

攻撃で3トップを作る場合は相手のSBを上げさせないということが一つ。SBが下がることでこちらのSBがボールを持つことが出来る。ウイングはSBを下げさせるが1トップと同じなのでPA内にMFが入り込んでこないと孤立したままになってしまう。3トップの場合は横に攻めるので守備ラインが無効化されて攻撃しやすい面もある。逆サイドのウイングがPA内に入って2トップに移行することで決定力は上がる。3トップの場合、中盤や守備ラインの人数が少なくなるので、より守備的な選手を置かなければならない。磐田では守備的選手が少ないので2トップまでの方が無難かもしれない。

磐田の選手層を考えると、キッカーや2列目が多いので、MFを軸とした攻撃的な布陣が生かせるかもしれない。しかし守備に強い選手が少ないという点が問題として大きく残る。少ない守備的選手だけでは守り切れない。攻撃的選手が多いので、布陣自体は守備的にして置き、攻撃時はトランジッションしていく、という流れになるかもしれない。

攻撃タイプは中村、田口などパサー、キッカータイプ、アダイウトン、ギレルメ、小川などのドリブラー、山田、松浦などのストライカーと複数タイプが揃っているので、どこでどのように使うのかが問題。4バックの2ワイドの場合、外に人数がいるのでドリブラータイプは重複して使えない。3バックの1ワイドならばスペースがあるのでドリブラーが活きる。相手の布陣によっても相手が2ワイドならドリブラーが活躍できない場合もある。2ワイドだとSHが押しこんでWBが下がって5バックになり、相手のSBがクロスを上げられるようになる。中央に人数をかける場合はサイドの空いたスペースを生かす形でドリブラーを使うなど、工夫が必要になる。442ボックスでSBがギレルメ、OHにアダイウトンの場合、サイドには広いスペースがあるので、ギレルメの上がりで攻めるか、OHのアダイウトンがサイドに開いて上がるか、という2択での使い方が出来る。これが2ワイドの4231だとSBのギレルメが上がってもアダイウトンと被ってしまう。ギレルメは中村のいない中央にカットインしてくることもあり得る。パサー、キッカータイプは3列目に必要だが、3列目には守備力も必要になる。むしろ守備力があったうえでのパサー、キッカーであった方が良い。ストライカーは2列目としてPA内で活躍できるOHで起用できるし、SHとしてワイドからPA内に入る攻撃なども考えられる。

ドリブラーはスペースと人数に依存するので使うポイントが難しい。守備ラインを崩したり、守備の偏りを作ってスぺースを作るなど、味方が攻撃しやすいように誘導するのが良いかもしれない。カウンターで大きなスペースがある場合に生きるかもしれない。ポゼッション時に使おうとしても相手は守備ラインを構築しているので、突破はむずかしく、崩しがメインになるだろう。カウンター時に逆サイドのSBのドリブルで上がってからのクロスは使えるだろう。ドリブルでなくても走力があるので、攻撃時には逆サイドを一気に上がってからのフィニッシュなどもある。DH、CB、SBの得点は逆サイドのスペースを使った上がりからファーでのフィニッシュが有効。もしくは空いた中盤センターからのミドルシュートなど。サイドをメインに戦った場合は逆サイド、センターが空きやすくなる。

アダイウトンとギレルメを同じサイドで使う場合はかなり考えないと難しくなる。442でもボックスでないと使えない。4バック2ワイドでは同時に使うのは難しい。おなじドリブラータイプを同じサイドに置いて使うといっても、相手の戦術や布陣にも依存する。かなり難し条件になってくる。

DF、MF、FWを見ると、DF:9、MF:15、FW:4とMF偏重でバランスが悪い。DFは守備的MF兼任の部分もある。つまり攻撃的MF偏重過ぎる。物凄くバランスが悪い。もう少しDF、守備的MFの数を増やす必要がある。もちろんFWも2トップにするならもう少し変えるべき。OMFが多過ぎて守備出来ない中盤じゃ意味がない。もう少し比率を変えないと厳しい。OMF、それもキッカーパサー重視じゃ守備も攻撃も中途半端過ぎる。1人で守備が出来ない。1人で得点できない。これじゃ大差で負けるのもよくわかる。


現在の布陣を詳しく分析すると

____川又____
__アダ__中村__
ギレ山田__ムサ櫻内
_森下_大井_高橋_

DFは5人で3バック+WBでWBに攻撃もできるタイプを入れている。4バックの場合は櫻内が抜ける。ギレルメと新里の加入でDFは増えた。右サイドを守備的にして、左サイドを攻撃的にしている。
攻撃は川又、アダイウトン、ギレルメ。中盤のリンクに山田、中村、守備に以下5人と考えると、左からの攻撃でアダイウトン、ギレルメのドリブルによるサイド攻撃と川又のフィニッシュのみ。3人で左サイドから攻めて中央でフィニッシュ。この形以外にほぼ攻める形がない。アダイウトンとギレルメが左スペースを使うが狭い。ギレルメはサイドの直線とハーフゾーンからセンターへの斜めのカットインもしてくる。アダイウトンがどこに動いてもギレルメの邪魔になる。ギレルメが攻撃に出るとボランチの山田がその裏をケアする必要があるが余りしないようなので森下のケアする範囲が広がってしまう。DFを多めにした割に守備できなかった。ギレルメと櫻内がSHの押しこみで5バックになったために両サイドにスペースが出来て中盤ボックスもそれを潰しに横スライドしなかった。このためにSBやボランチが自由にボールを持つことが出来てクロスを上げやすかった。

4321ワイドと43ブロック

4321ワイドは4321の2列目をワイドに置いたタイプ。クリスマスツリーはOHだが、それをSHとして置く。4バック+3ボランチ+2ワイド+1トップとして構築する。

____FW____
SH______SH
_DH_DH_DH_
SB_CB_CB_SB

基本守備は4バック+3ボランチによる43ブロック。4バックでサイドを含めてスペースを消し、中央も3ボランチでスペースを与えない。

相手ボランチがボールを持った場合、両SHが中央に絞ってDHとボックスを形成し中央ボックスで囲んで奪う。SHが中央に必ず絞ってサイドへのパスコースを消しながら追い込む。DHがボールを刈り取る。

____FW____
__SH◎_SH__
_DH_DH_DH_
SB_CB_CB_SB_


サイド守備でも43ブロックを作る。

◎___FW____
SH__DH_SH_
_DH_DH_SB_
SB_CB_CB__

ボールと逆サイドのDHがOHの位置に入ってセンターラインを4人ラインにする。サイドはSH、DH、SBで3人ラインを作る。逆DHの抜けた穴は逆SBが一つ上がって3ボランチを維持する。



攻撃時はSHとSBが上がり、左右DHがOHに上がり、センターDHが下がる。

SH__FW__SH
__DH__DH__
SB______SB
_CB_DH_CB_

SHが上がって3トップを作る。左右DHがOHとしてFWをセンターでサポート。SBが供給。センターDHとCBで3バックを構築する。



(守備)
____川又____
アダ______中村
_山田_ムサ_田口
ギレ_森下_大井_高橋

(攻撃)
アダ__川又__中村
__山田__田口__
ギレ______高橋
_森下_ムサ_大井_

アダ__川又__中村
____山田____
ギレ__田口__高橋
_森下_ムサ_大井_

-----------------------

(守備)
____川又____
山田______アダ
_田口_ムサ_櫻内_
ギレ_森下_大井_高橋

(攻撃)
山田__川又__アダ
__田口__櫻内__
ギレ______高橋
_森下_ムサ_大井_


山田__川又__アダ
____田口____
ギレ__櫻内__高橋
_森下_ムサ_大井_




現在の磐田の4231だとOHの中村はポジションから離れるので結局中央が薄くなる。そこからWボランチ脇のスペースを突かれる。そこであえてOHを置かずに3DHにすることでDHの脇のスペースを少なくする。DHが3人並びになることでCBだけでなくSBとの連携も良くなる。

ギレルメとアダイウトンは使うスペースが同じで相手も4バックでサイドに2人いると4人になってスぺースが無くなり過ぎるのでアダイウトンを右に移すか、DHが縦になることでスペースを空けてギレルメの動けるようにする。3DHの守備時横並びと攻撃時の縦並びの変化で山田―田口の縦ラインも使えるし、山田がボランチとトップ下の両方のポジションを生かせる。縦並びだとハーフゾーンが空くので外にいるギレルメ高橋が中央に入ってくることが出来る。

2018年2月25日日曜日

川崎戦 2018

川崎はSHを上げて磐田のWBを下げて5バックを強要。WBが下がったことでSBが自由にクロスを上げられるように。それと同じで中村憲剛がWBのいなくなったサイドに展開して外から裏に配球。

磐田は3421でWBが下げられて523か、532に押しこまれた。これで空いたサイドを起点にされていた。誰もキッカーにチェックに行かないのでフリーでクロスを上げられての負け。

3421の欠点を突かれたので後半4231にしてSHを使ってSBの上がりをけん制。それもあって前半の3点だけで後半は止めることが出来た。

磐田の戦術は3421でサイドでWB+DH+OHの3人で囲んで奪って中央速攻。この辺りは徹底されていなかった。相手のSHをケアするためにWBが下がって5バックになりサイドで奪うことが出来なかった。

中村がポジション放棄して攻守に全く機能しなかった。

山田は後半2列目で機能した。

田口はボランチで機能した。

ギレルメは悪くはないが、アダイウトンとプレーエリアが重なる。

上原はボランチとして出たが、サイドでの囲みからのボール奪取にタイミングよく参加するなど戦術がよくわかっている。

松本も悪くない。

初戦で昨年の王者と0-3。こちらは6位。5位以内目標だったが、これでは定位置の10位程度の中位、酷ければ下位の残留争いに巻き込まれるか逃げ切れるかの12~13位くらいまで下がりそうだ。

名波と中村のセットが足を引っ張っている。流行りに弱い客から巻き上げるにはもってこいだが、このままではチーム崩壊。去年の守備を維持しつつ2トップが狙いだったが、完全に期待外れになった。

中村のポジション放棄は去年を思い出す。あれをやられると守備ブロックが全く機能しなくなる。攻守に穴になるのが中村。磐田の10番を背負わせるのに値しない。山田が10番の方が良い。


3421のサイド深くの守備に関してどうするか。1トップが下りてきて343を形成してOHがSBへのチェックをする。

他のフォーメーションに変更できるかどうか。今の所4231だが、サイド重視の相手にはこれでいいが、中央を基本に戦う場合、SHを絞る必要がある。

今回の問題点は守備エリアが狭くなり過ぎている。中央に集まり過ぎ。中央は重要だが、サイドに最低1人は置いておきたい。サイドのキッカーをフリーにするのはかなり危険。ここは重要な部分。


3232にしてWBを前に置いてDHに裏をケアしてもらうか、3322-3DHでおなじくWBを前に出しつつDHが裏をケア。3232だと2トップで中央ボックスを維持しつつ、サイドケアに2列目のWBがサイドに張り出してSBに対応。DHがSHをケア。3322-3DHも同じくWBが前でSBをチェックしてDHがSHに対応。

3421のままでSBのケアにいくにはOHのサイド対応。アダイウトンと中村がキッカーにつく。

2018年2月20日火曜日

ショートカウンター

ショートカウンターは広い中盤で守備から攻撃へのポジティブトランジッションを起こす。4321でのショートカウンターが優秀なのは、広い中盤を上手にコントロールしているからだ。まず中央に4人のボックスを置き、中盤中央を人数で制圧する。これによりセンターとハーフゾーンの中央3レーンを制圧できる。空いたスペースは左右のサイドのみ。ここにはWBが置かれている。つまり3421は中盤を人数で完全に制圧した隙の無いフォーメーションだといえる。

3421は中盤制圧の為にFWとDFが最低限に置かれている。相手がロングボールを使って中盤を無力化した場合はほとんどの戦力を無駄に使うことになる。DFは3CBもしくはCB+2SBの3人のみ。広いスペースを守備するには人数が足りない場合もある。またFWが一人の為にマークされやすく孤立してしまう。

3421の中盤制圧のシステムを簡略化しつつ、同時にFWの数とDFの数を増やしたシステムを考えてみる。

442ボックス

442ボックスは4バックでスペースを空けずに守備が可能。2トップも攻撃力がある。中盤を中央ボックスのみに簡略化し、サイドの守備はSBが上がることでケア。残った2CB+逆SBが中央にスライドして3CBを形成する。SB+DH+OHの3人で囲んで奪取してカウンター。2トップへとクロスを上げる、もしくは逆OHを加えた3人で攻撃を加える。


中盤で奪ってカウンターをするショートカウンターでは最低限、3バック、中央ボックス+サイド、2トップの組み合わせ、つまり352の形を持つ必要がある。3322ボックスや3232ボックスなど、中央に5人置いた形も考えられるし、442ボックスのようにSBを上げる形もある。442ボックスの場合はサイド守備の穴を塞ぎつつの守備的な布陣。3322ボックスもそれに近い。3232ボックスは攻撃的なスタイル。

442ボックスはショートカウンターの弱点の中盤飛ばしのロングボール対策に4バックを採用した形になる。3バックではトラップを使ったハイリスクな形を取ることになるが、4バックではより安定した守備が可能になる。ただし守備的になるのでSBのドリブルによるサイド攻撃は逆に弱点をさらしてしまうことになる。SBの攻撃参加は中盤までにして、それより前の場合は2OHがワイドを使った方が良い。SBからのボールをワイドに開いてSHになったOHが受けてサイド攻撃が出来る。

ショートカウンターではFWの決定力の高さとDFのリスク管理が重要になる。3421では両方手薄になるのでより重要度が高くなる。442ボックスでは人数が増えるので負担が減る。その分中盤サイドでの囲い込みの連携が大事になるのでSBの動きが重要になる。

352の形としては
・3412
・3322
・3232
が候補になる

基本として、中央ボックスの維持、ラインから中央ボックスへの変形が考えられる。ラインを採用する場合、ロングボール対策を優先。しかしボックスを形成していないので前のスペースをショートパスで使われることが考えられる。442ボックスでは中央ボックスがあるのでロングボール、その対策に4バックとメタ対応は出来ている。

352で中央に集めてしまうとサイドが空き過ぎる。ラインにすると前のスペースを使われる。少し微妙になる。サイドにいないとサイドの縦に速いパス、SBからSH、WGへのパスが通ると厳しい。
3バックだと両サイドに置かないと厳しい。そうなると5バック化してしまう。こうなると人数的には4バックより悪くなる。3バックのハイリスクを管理するには高い戦術理解度がないと機能しない。
3バックのリスクを低く抑えつつカウンターできるできる方法は何か。

3421から1枚落として451。4バックにしてSBの上がりによってサイドをケア。3OH+2DHで中央を支配。1トップの攻撃力不足は3OH、OH+2SHがサポート。ロングボールにいも強い。

3421から1枚上げて3412。もしくは3232。WBがDHの前に上がってボックスを作りながら、サイドへも展開。WBのサイドへの下がりでサイドをケア。。OHが下がってボックスを維持。前からサイドのケアをする。ショートパスに対応しやすいがロングボールには後手になる。WBが下がって5バックになるのを防ぐために3バックを3CBからCB+2SBにして2DHが下りる形で中央をケアする。

4バックの方が守備的に進められる。3バックはリスクが高いが前からサイドをケアできる。どちらでいくかは戦術次第。ロングボール対策は3バックでは前からのプレスによるキッカーへのプレス。4バックではスペースの排除と受け手へのプレス。4バックはショートカウンターとロングカウンターの両方とも使い分けができる。3バックはショートカウンター、フォアプレスが出来る。

3421ではロングボール、フォアプレスの両方が出来ない状態。引きこもり5バックロングカウンターチームに勝ちにくい。3421はショートパスには強いが、ロングカウンターには弱い。もう少し汎用性のあるフォーメーションになった方がより勝率は高くなる。3421で負けないが勝ちきれないことが多かった。これをどうにかしたい。

3421システムの肝は中央ボックス+サイド。ボールサイドだけにサイドを置けば中盤は5人で済む。442ボックスのように最終ラインから上げれば4人ボックスのみでもいい。中盤は最低4人ボックスが維持出来れば問題ない。サイド問題が残るので、4バックでSBを上げて対応するのが単純で対応しやすい。3バックだと連動しなければならない。

442ボックスが単純で理解しやすく運用しやすい。次に3322ボックスでDH+2WBの横スライドでサイドに対応する。3322ボックスでもOH+2WBの横スライド。縦スライドや横スライドは最小限の移動にすることでマルチタスクによる体力低下を防ぐ。複雑なスライドを避けることでミスを防ぐ。マルチタスクは体力技術の両面で求められることが多い。分担することで一般的な能力の選手でも効果のあるフォーメーション、トランジッションが可能になる。


2018年2月14日水曜日

なぜ磐田の4バックは機能しないのか

磐田の4バック、具体的には4231が機能しない理由はいくつもある

まず4231というフォーメーションの特徴は何か

・変幻自在のフォーメーション変化に対応

これは何を意味しているのか
相手のフォーメーションと戦術に応じて変化することができる
これには条件がある
相手のフォーメーションと戦術を即座に理解することだ
つまり高い戦術眼を持つメンバーが必要になる
サッカー脳、理解度の高い選手を起用する必要がある

そして、それに応じるフォーメーションに変化するということ
これは相手のフォーメーション、戦術の意図や弱点を知っている必要がある
意図を知っていればその起点を潰すか、狙い目を防ぐどちらかに変化できる
弱点を知っていれば、そこを攻めて得点につなげることができる

戦略的にはフォーメーションチェンジに適応できる高い戦術眼をもった選手が必要となるということ
これをさらに深く読み解くと4231でどこをどのように守るのか
ということになる
その文脈から、フォーメーションチェンジする時に誰が動くのか
これによってそのポジションの選手の戦術眼とマルチタレントの高さが重要になる

4231の初期ポジションを研究してみると
2CB、2SB、2DH、2SH、OH、CFの構成となっている

___CF___
SH__OH__SH
__DH_DH__
SB_CB_CB_SB

初期ポジションの弱点はSH、DH、SBに囲まれた広いスペース
ボランチ脇のスペースだ
ここからCBの裏にパスを出されるのが決定的なコース

初期ポジションは守備的に機能しているのか
これは「機能していない」というのが答え
4バックの対戦で機能しない場合が多いのは同じ4バック
相手のパサーのWボランチからこちらのボランチ脇のスペースのSHにパスを簡単に出されてしまう
これはWボランチに対してOH1人のみの守備では対応できないから
1対2でパス交換されてかわされる
その後ボランチ脇のスペースに配球されてしまう
4231の初期ポジションでは弱点をカバーできる状態ではない
中央の守備は2DH+OHの狭いトライアングルのみ
サイドは孤立したSHのみと中盤での守備がどっちつかず
中央もサイドも守備面ではほぼ機能してない
中央を固めたいならSHを内側に絞ってOH+2SHが3OHになり3OH+2DHのボックス、ペンタゴンを作ることで中央のスペースを制圧できる
サイドを固めたいなら2SHは下がってボランチ脇のスペースを消す、4411の形にすることでサイドのスペースを埋めて弱点を無くすことができる
相手のサイド攻撃を止めたい場合、SHが上がってCF+2SHがCF+WGの3トップ、433になることで相手SBを押し込んでサイドの連携を止めることができる
これはそれぞれに目的があって変化している
目的とあったフォーメーションにすることで高い効果を発揮するが、それがマッチしない場合にどのフォーメーションを取るべきかが定まらない

つまり、目的のある変化は効果があるが、中間形態である初期ポジションでは基本的な守備すらできないということである
トランジッションしてこそ力を発揮するが、目的が定まらない状態での運用は危険ということ
また、トランジッションで動くのはSHなので、SHに能力の高い選手を置くことが出来なければ機能しない

運用上の注意点として、初期ポジションでの守備はしないことが重要になる
またボールの位置によってSHが落ちるか、絞るか、上がるかを的確に判断して位置取りが必要になる
場合によってはSBが上がってケアする場合もあるので、その連動も含めてサイドの選手には適格な状況判断能力が必要となる。
ボールが定まらない時や相手が素早く動かしている時など、不確定の時にどのフォーメーションで守備をするかという規則が必要になる
安全策を取るならSHを下げた4411にするか、442にする
ボールを回させたくないならSHを絞って中央にボックスかペンタゴンを作って中央を制圧する
ゲームメイクするWボランチやトップ下を機能させない

4231は柔軟過ぎるがゆえにルールがないと初期ポジションに依存して弱点をあらわにする
指揮官だけでなくフィールドプレイヤーの高い戦術眼とマルチタレント性がなければ機能しない
むしろフォーメーション自体に攻撃や守備などの目的が込められている方が戦術がぶれないので機能しやすい

4231の守備面では42ラインの守備の脆弱性が現われる。
4バック+Wボランチは中央ボックス+サイドのスペースを消すことによって機能するが、SBの前、ボランチの脇の大きなスペースを使われるというデメリットがある
ここでフリーでCBの裏にクロスを上げられると失点というパターンがある
サイドに流れた時こそ、SBの上がり、SHのプレスバック、DHの寄せと3人で囲んで潰してカウンターにつなげる必要がある
SHがサイドに張り過ぎて孤立しているとスペースが大き過ぎる
SHが絞って中央を固めつつ、空いたサイドをわざと突かせて罠に嵌める必要がある
SHはハーフゾーンにいるのでDHやSBとの連携でボール奪取が可能になる

4231の運用には状態に応じてどう変化させるのかという約束をしっかりと覚えさせないと機能しない
柔軟過ぎるフォーメーションなので統一された動きでフォーメーションを決めないと弱点を晒してしまう
約束事がないと運用が難しくなる
多くのフォーメーションに変化させず、特定のフォーメーションにするだけでも機能は高まる
どの状態ならトランジットする、という明確なルールが必要
初期ポジションで高い機能を発揮するフォーメーションではない

2018年2月13日火曜日

守備

サッカーのフィールドを3分割すると

1.アタッキングサード
2.ミドルサード
3.ディフェンディングサード

に分かれる
これを戦闘に例えると

1.攻城戦
2.野戦
3.籠城戦

となる

守備の構築は城を気づくことと同じ
敵陣に入って攻城戦をするのも守備戦術の一つ
中盤に打って出る野戦築城の考え方もあるし、
自陣に籠って籠城するというのも守備戦術である

まず最小単位での守備は1対1
ここで行われることは

1.ゴールへのコースを切る
2.スペースを埋める
3.コースを切った状態でプレスにいく

最低限、ゴールへのコースを切る
スペースを埋めることで相手を孤立させたり、パスの受けどころを無くしたり、正確なクロスを上げさせないようにする
その上でプレスに行きボールを奪う

2人による守備の場合、
2人ラインを作るか、前後2人でパサーとポストにつくかとなる
2人ラインの場合、WボランチやSBとCBのような横関係での守備となる
2人ラインの間隔を狭く保ち、中央を抜かれないようにする
これは基本のゴールへのコースを消す動き
中央を消すことでサイドに寄るので、この時にコースを消しながら奪いにいく
基本はライン中央を締めてゴールへのコースを消す
縦関係の場合、フォアチェックによりパスの出し手へのプレスを行う
もちろんここでもパスの受け手へのコースを消しつつ近づく
後ろの守備はポストへのパスコースを切ることと出されたパスを奪う事
フォアチェックによりパサーとポストの距離を空けることでパスが長くなり、その分後方の守備が奪うタイミングが長くなる

3人以上による守備
2人による守備の発展形

基本は
1.ライン守備
2.ポリゴン守備

ライン守備は横関係のラインを維持すること
利点はピッチの横幅68mを複数の人数で守備することによって1人の守備範囲が狭くなりより強固な守備が可能
距離感が近くなるのでスルーパス、ショートパスが通りにくくなる
ショートパス型のポゼッションに対して有効
基本はスペースを消しつつ狭い感覚でパスコースを消す
多人数で構築した場合、サイドまでケアすることができる
築城としては塀や堀に相当する
少ない人数でも広範囲を守備できるのが特徴

ポリゴン守備=多角形守備は範囲制圧と囲んで奪うことが目的
トライアングルが基本でボックスやペンタゴン、ヘックス:ヘキサゴンなどがある
多人数で多角形を作ることでその中に入れさせない制圧効果と、内部に入って来た時に囲んで奪う効果がある
広い範囲は守備できないが、狭い範囲で高い守備力を発揮することができる
中央を制圧できるのでゴール正面の危険なエリアを安全にできる
中央制圧によって相手ゴール正面をキープできるので中央攻撃に高い効果がある
サイドをケアできないのでサイド攻撃に対して弱い


プレスバック
ライン守備でも必要になる
ライン守備でパスコースを消し、スペースを消す。ボールホルダーへのチェックができないので、前にいる味方がプレスバックすることでポリゴン守備に移行
プレスバックすることでライン守備を崩さずに後方からの不意打ちでボール奪取を狙うことができる



ライン守備とポリゴン守備の両方を上手く使っているのは442ボックス
最終ラインの4人はライン守備でスペースを作らず、中盤4人はボックスを作って中央を制圧、ゴール正面を使わせない
相手はサイド攻撃のみを選択させられる
サイドはSBがスぺースを消しているのでボールの出しどころがない
SBの前、DHの脇のスペースから速いクロスを上げさせないように早めに潰しに行くことでサイド守備からカウンターに移行できる


4231は複合型
最終ラインが4バックのライン守備、中盤5人が5角形を作れば中央制圧することができるし、
SHが下がってDHと4人ラインを作ればサイドも含めたライン守備も可能になる
相手に応じてSHの位置をワイド低めに置くか、中央に絞って中央制圧するかを選択できる
相手がサイド攻撃タイプなら4人ラインx2列の4411にし、中央攻撃タイプなら中央制圧にすればよい

3421は両立型
WBとSHの4人がライン守備をしつつ、OHとSHでボックスも形成
ライン守備は低い位置にして3バックとの連携も取りやすくしている
中盤でラインとボックスを形成して相手を自陣に戻してロングボールを出させたら、トラップにかけるかダイレクトでロングボールをトップに入れてロングカウンターを狙う

4231と3421は1トップでカウンターのターゲットにマークがつきやすくカウンターの決定力が下がってしまうのが難点

2トップの場合

442
定番の442は4人ラインx2列でもあり、4人ボックスx3でもある
非常に安定した守備を構築できる
ただし運用時にボックス守備ではなく、ライン守備のみで考える場合、サイドが引き出されてその裏のスペースを使われることがある
ボックス守備の基本はボックスを崩さないこと
引き出されてボックスが変形するとボックス中央のスペースを使われてしまう

3232
通常の3232はWBがワイドに置かれるが、3シャドーとした場合
3バックを3人ライン、中央5人ボックス、ペンタゴンを作ることで中央制圧できる
3人ラインは最低限なので非常に難しい
1CB+2SBのように3にラインが広くスペースをケアしつつ
中央に関しては2DHは下がって1CB+2DHの3CBを作るようにする
2DHが下がってもその前の1OH+2WBがいるので最悪532の形まで守備をキープできる
WBがサイドに下がれば2DHと4人ラインを構築できる
こちらも4231と同じでWBの位置の変化でサイド守備対策と中央制圧守備の両方に対応できる
ライン守備の場合はWBが下がって3412を形成してサイド守備を行う
ボックス守備の場合はWBが内側に絞って3232ボックス、ペンタゴンにして中央を固める
どちらもWBの変化だけで可能
ボールサイドだけWBが下がって逆サイドはボックスを維持する形も可能
5人で3421の中盤6人のライン守備とボックス守備の両方を両立できる
3421の場合は人数が多いので初期ポジションでサイドも中央も出せる場所がない
3232の場合初期ポジションでは中央をボックスで固めておき、ワンサイドにボールが出たらサイド対応に切り替える
この時に逆サイドのWBはボックスを維持するので中央ボックスが崩れることはない
少ない人数でライン守備とボックス守備を両立させるには中央に5人が密集し、サイドに出た場合にサイドにWBを出して守備のデリバリーを行う。
攻守の切り替えはネガティブトランジッションとしてフォーメーションを変化させるが、さらに中央守備からサイド守備、サイド守備から中央守備への守備同士のトランジッションが行われる
これに加えて敵陣へのボールに対するフォアチェック守備のトランジッションも行われる
3つの守備形態とスムーズなトランジッションによって素早いカウンターを狙うことができる


守備エリアに応じて複数の守備形態を切り替える
それぞれの目的は異なる

1.攻城戦での守備
2.野戦での守備
3.籠城戦での守備

攻城戦での守備は敵陣でのポゼッション、ロングボールに対する守備
1トップでは防ぐことが非常に難しい
2トップ、3トップ、4トップなど複数人数が好ましい
CB、SBにボールが回って少ない人数でチェックに行っても必ずDHやSH、WBへとつながれてしまう
複数人数で広く守備する必要がある

野戦での守備は中盤での守備
中央を制圧してゴール最短コースを使わせない、逆にこちらが中央攻撃の為に使う
もしくはサイドで奪ってサイド攻撃をかける
中央とサイドの2つの守備を使い分ける必要がある

籠城戦での守備はこちらがポゼッション、ロングボールでのカウンターを狙う場合
4バック5バックの多人数でスペースを消し、3DHにして中央を固める

最低限、上記4つの守備形態を持つ必要がある
3421の場合、4人ラインと中央ボックスの両方を初期ポジションでケアしているので中盤での野戦に対する守備は問題ない
籠城の場合もWBが下がって5バックになればよい
問題はフォアチェックの必要な場合
引き籠りのロングボールカウンターに対しての守備をどうするかになる
WBを上げて3トップ気味にして両SBにプレスをかけるなどの対策が必要になる

3232では
攻城戦ではWBが上がって4トップ化してSB、CBの両方にプレスをかけるOHは2DHを見る
野戦ではOH+2WB+2DHで中央ボックス、もしくはOH+WB+2DHのボックス+WBのサイドケアの2つの変形
籠城戦ではWBを下げて5バック、OHを下げてOH+2DHを3DHに変更
532を形成する

攻撃から守備へのネガティブトランジッションでは、3バックは攻撃時にCB+2SBになっているので、中央を守るのに2DHが下がってCB+2DHが3CBになる
攻撃時にWBはワイドに開いているので、OHとWBが中央を固めて3CHもしくは3DHに変化する

どちらもWBが広範囲を移動するのでWBの質の高さが重要になる
3バックの生命線はWB
WBの負担の下げるトランジッションを用意する必要がある
もしくは初期ポジション自体が優秀であれば、少ないトランジッションによって移動距離を少なくしたり、ケアするスペースを少なくすることができる

初期ポジションのフォーメーションは守備トランジッションの面も含めて重要である


守備するべき項目
1.危険な場所
2.危険な相手
3.危険な時間、タイミング


危険な場所はゴール正面、PA内、守備範囲外の広いスペース、守備時の逆サイド正面や裏、スローイン時の前方の広いスペース

危険な相手は、ゲームメイカー、潰し屋、決定的なストライカーやポスト、死角から入ってくるシャドー

危険な時間やタイミングは、立ち上がり、終了間際、FKのクイックリスタート、スペースでゲームメーカーがフリーでボールを受けた時、



守り方
1.局所制圧
2.パスコース制圧
3.パサー・ポスト制圧

局所制圧は特定の範囲を多人数で囲む
中央ボックス守備など
狭い範囲しか守れないが効果は高い
ゲームメーカーとポスト、ストライカーとの距離を稼ぐことができる
範囲内で奪ってカウンターを狙う
範囲内をパスコースとさせないのでボールを他のスペースに誘導できる

パスコース制圧はライン守備
複数人数で広い範囲を守備する
広い範囲を守備できるが効果が薄くなることがある
インターセプトによるカウンターを狙う
スペースを消しているので浮いたボールでないと回避できない
ショートパス、スルーパス、ドリブルに対して効果がある
ロングボールを誘発できる
引き出されると効果が薄くなる

パサー・ポスト制圧はゲームメーカーとポストの決定的なラインを作らせない
より対象を限定した守備方法
1対1や2対1を作って少ない人数で効果的に守備を行う
パサーに対してはプレスからロスト、パスミスを狙い、ポストに対してはインターセプトを狙う


2018年2月10日土曜日

ペンタゴンディフェンス

ペンタゴンディフェンス

中盤5角形にした5人によるボックス+ラインディフェンス
基本はボックスディフェンス+ラインディフェンス

__ST
WB__WB
_DH_DH


3421のディフェンスの省略進化系

3421のディフェンスは

__ST_ST
WBDH_DHWB

ボックスディフェンス:Wボランチ+2シャドー
ラインディフェンス:Wボランチ+WB

この組み合わせで出来ている

ボックスディフェンスは中盤中央に4人が方形に位置してボックス内に入って来た相手の侵入を防ぎ、プレスバックによって奪う戦術

ラインディフェンスは中盤4人がラインを形成してパスコースを切る戦術
3センター+1サイドが基本
5バックは3センター+2サイドで横スライドの必要がない
4人の場合は横スライドが必要になる

ペンタゴンディフェンスでは5人でボックスディフェンスとラインディフェンスを形成する
5角形をトップ下、WB、Wボランチで形成
WBはインサイドでワイドにならないようにする
中央に5角形を作る

トップ下とWBの3人が前方中央のぱすコースを消す
中央にパスが入った場合はWボランチがコースを消してWBがプレスバックして奪い取る

___ST
_WB●WB
_DH_DH

ボールが5角形を迂回してサイドに回った場合
WBがサイドに出てサイド前方のパスコースを消す
トップ下が下がり、逆WBと2シャドーになって中央のボックスを作る

●__ST_WB
WB_DH_DH

_WB_ST_●
_DH_DH_WB

ボールサイドのWB+Wボランチの3人がラインディフェンス
トップ下+逆WB+Wボランチの4人がボックスディフェンス

トップ下+WBで相手のWボランチに対して3対2を作りパスを出させない
スルーパスはWボランチが対応する

3421の中盤6人で構成される守備を5人で行う
重要なのは中央ボックスを形成してサイドチェンジさせないこと
サイドは前を切ってボックスを押し付けてサイドラインを割らせるなどして奪う事
中央制圧によるゴール最短コースを守ること
リスクの低いサイドで奪う事
中央を無理矢理割に来る相手にはWB+Wボランチで囲んで奪う事



逆ペンタゴンディフェンス

相手がこちらのプレスを引き出してカウンターを狙っている場合
相手は自陣深くでボールを回し、こちらの守備が広がるように釣りを行う
この場合、相手の最終ラインへのプレスが重要になる
敵陣内での前からのプレスを行う場合は逆5角形でディフェンスする

__CF__CF
WB____WB
___ST

WBの位置を上げて、相手SBへのプレスを行う
CFは相手CBへプレスする
STはボランチへのプレス
4バックの相手は2CBを残して両SBを上げるパターンが多い
SBとCBに同時にプレスを行うことでボールロストやバックパスのパスミスを引き出すことができる
STだけでなくWボランチが上がって相手Wボランチトップ下+Wボランチの3人で当たるとさらに効果が高い
相手は出しどころがない
GKからのロングボールという選択肢にになるのでバックパスを誘うことができる
この時CFがGKにきちんとプレスに行くことと、連動して最終ライン全員にプレスがかかること
苦し紛れに蹴ったボールは正確には飛ばない
WBはすぐに戻って中央で5角形を作りセカンドボールを取ること


352ペンタゴンの初期位置ではペンタゴンディフェンス、WBを上げて逆ペンタゴンディフェンスになる
相手の守備陣形と戦型に応じて使い分ける


3トップでフォアチェックにくる攻撃型の守備相手には3CBとWBが開いてボールを回す
空いた中央を使ってボランチからトップ下へとショートパスをつなぐ
もしくはCBからWB、WBからCFへと縦にパスをつなぐ

中盤ショートカウンター型ならWBがワイドに上がって逆ペンタゴンを形成
中盤をカットしてCBからWBへとロングボールを入れる
サイド深くのWBからトップ、トップ下へとクロスをあげる

敵陣にこもってロングカウンター狙いの引きこもり守備には2トップ+トップ下をPA内に入れて、WBとWボランチでPAを包囲してミドルシュートを撃つ
PA内の2トップとトップ下がこぼれ球を押し込む

WBの位置の違いで守備的にも攻撃的にもなる
352ペンタゴンは変幻自在に攻守を行う

352ペンタゴン

352ペンタゴン

__CF  CF
     ST
  WB   WB
   DH  DH
 CB  CB  CB



3バック、Wボランチ、WB、トップ下、2トップで構成

3232の亜種

特徴は中盤5人の5角形
WBはサイドに張らずにインサイドをキープ
5角形を中央に作って中盤を制圧する

2トップとトップ下が協力してボールをサイドに寄せる
ボールサイドのWBがサイドで対応
トップ下はWBの抜けた位置へ入り、逆サイドWBが中に絞って2シャドーを作る
ボールがサイドに出た時には1WB+中央ボックス(2シャドー+Wボランチ)を形成する

現在の361の守備陣形を引き継ぎ、中盤のボックスを維持する
WBが高い位置でサイドに対応できる
361では中盤が中央ボックス+2WBで逆サイドのWBが浮いてしまう
その余った戦力を攻撃に生かすべき
361では守備の堅さは十分だが、カウンターの決定力が落ちている
361の守備を落とさずに決定力を上げたい
2トップにすれば中盤が1枚少なくなる
5人の中盤で361と同じ守備を作らなければならない
サイド1枚+中央ボックスのスタイルを作ることが前提
両サイドに1枚ずつ置くと中央のボックスが作れない
また、サイドに離れすぎてお互いのフォローができない
そこでワイドではなくインサイドに置く
インサイドならサイドと中央の両方のスペースに対応できる
中央守備はWBとWボランチのボックスでWBが中に絞って囲んで奪う
サイド守備はWBが下がってサイドを塞ぎ、トップ下と逆サイドWB、Wボランチで中央にボックスを形成する
そのままサイドに押し付けて奪い取る

3322の五角形もあるが、こちらは1ボランチ+WBの形になる
中央ボックスを作る際にボランチが移動するのでバイタルに隙が出来る
3232だとWボランチは固定しているので中央の守りが崩れることはない
またWBが高い位置から下がってくるのでWボランチがサイドに引き出されることはない
トップ下が下がってボックス形成とプレスバックによって奪ったら底を起点として攻撃に転じることができる

攻撃時は2トップ+トップ下の3人がPA内、WB+WボランチがPA外で包囲、ミドルシュート、クロスで支援する
中盤5人の守備からのショートカウンターを狙う

相手が前から守備をしてくるタイプであれば、3CBからサイドに開いたWBへとロングボールを出し、サイドのWBから2トップへとクロスを入れる
もしくは開いたCBとWBで外にボールを回しつつ、空いた中央をボランチ、トップ下とショートパスをつなぐ

相手もショートカウンターなら中盤での戦いになる
中央の人数では負けないので中央で戦う
サイドで戦うならWB+Wボランチでコースを塞ぎつつ、トップ下と逆WBのプレスバックで奪い取る

相手がロングカウンターならWB、Wボランチのミドルシュートを狙い、こぼれ球を2トップ+トップ下が押しこむ
もしくはクロスボールをファーサイド裏に入り込んで決める


NBOXでは中央がボックスでCHが3ボランチ気味に下がるスタイル
ペンタゴンではボックス+トップ下で1サイド+中央ボックスを維持
トップ下とWBとで中央3人を形成できるのでWボランチに対しても強い
またWBがインサイドにいるので相手のWボランチ脇への攻撃が容易
両WBにWボランチが対応すればトップ下が空いて中央攻撃が容易になる
インサイドのWBは2トップとの連携がしやすく4バックの弱点のSBとCBの中間を攻めやすい
左右を攻めれば中央のトップ下がフリーになりやすくなる。
NBOXは3ボランチ+2シャドーだがペンタゴンはWボランチ+2IH+1シャドーでボックスの位置が低い
トップ下に出すことでWBをやや下がり目にしつつWボランチとの連携を重視してサイド、中央の両方の守備に効果がある
3412にも近いが、WBの位置が中央寄りで高いので3232の方が近い
しかし守備的な視点では3412と言えなくもない
3412のWBをW斜め内側に入れた形でもあり3232の両ワイドを斜め内側に入れた形でもある
両者の中間で3412よりは攻撃的で3232よりは守備的
3232はハイリスク過ぎるし3412では後ろが重すぎる
3322だと2トップ2シャドーで中央攻撃が強いが1ボランチでボランチ脇が弱いので中央攻撃に弱い
その分を3CBで守っている

352ペンタゴンはWBの位置を中間的にして攻守にバランスの良い位置に置いている
中央5人は中央のコレクティブな攻撃が出来る
CBからWB、WBから2トップへと縦につなぎやすい
中央のショートパスも使える

2列目のトップ下+WBの構成で攻撃の形は多彩になる
WBがアダイウトンかギレルメか山田か、
トップ下が中村か山田か田口か
WBがインサイドなので山田も生かせる
サイドのスペースを使うならアダイウトンやギレルメ
相手の守備に応じて有利な構成に変更して戦えばいい