4231の攻撃は中央とサイドのどちらも攻撃できるが、2列目の人選は裏抜け出来るタイプが重要。FWは強力なポストタイプ。相手が4バックWボランチの場合。相手CBがFW、DHがOHについている場合、こちらのSBのクロスをSHが裏抜けしてシュート。相手SB、DHがSHについている場合、OHが裏抜けしてシュート。松浦や中野のような裏抜け出来るタイプが2列目に向いている。現在の2列目の構成はアダイウトン、中村など裏抜けするタイプではない。力押しでラインを下げるとか、外から打ってくるタイプ。相手の守備ラインを下げてしまうと裏のスペースを使うことが出来ない。2列目には常に裏に抜けることを考えるようなタイプが向いている。ドリブラータイプは陽動型で後ろからの方が向いている。つまりSBがドリブラータイプで後ろから中盤までを陽動でサイドをドリブルして相手をボールサイドに引き出す。FW、OHはニア、センターを狙うがファーは空けておく。同時に逆サイドのワイドが裏のファーを狙う。SBはそこにアーリークロスを放り込む。
アダイウトンが前でドリブルしてしまうと守備ラインが下がってスペースを消してしまう。この場合はマイナスクロスでゴール前中央、OHや上がって来たDHが詰めてミドルシュートを狙う。ギレルメがSBから上がってくる場合は中盤当たりでアーリークロス。ファーで逆サイドから上がったSH、SBがシュートする。
名波のスタイルとして、ショートパスで崩す、つなぐ、というのをやりたがるが、これでは守備の穴を瞬時に攻めることはできない。時間がかかり相手のスタミナ切れを待つだけの消極的なスタイルだ。相手のスタミナがあるうちは守備に簡単な穴は開かない。なのでカウンターを狙う。相手が攻めているタイミングこそ守備が一番薄い。カウンターこそ最大の攻撃。ショートパスによるポゼッションでは相手の守備が食いつかない限り得点にはつながらない。相手を釣りながら針の孔に糸を通すように攻めなければならない。選手に高いレベルの技術を求めることになる。
名波の考えるスタイルでは守備も攻撃も機能不全で終わる。
名波が好きなのは、攻城戦、野戦、籠城戦の中では圧倒的に攻城戦。つまり敵陣に入って崩して得点しようとすること。しかし攻城戦は悪手。
『孫子』では、防御に徹する守備側を攻略することは容易ではなく、攻城は下策で最も避けるべきと述べられている。
これを名波は理解していない。サイドをドリブル攻撃することで相手の守備ラインを下げて籠城させてしまう。しかも短期戦ではなく長期戦が好き。ポゼッションからの崩しを狙いたいタイプ。包囲は相手より多くの人数が必要で簡単ではない。
- まず、補給路などを確保し防御設備を築いた上で、交通路を押さえて、城を包囲する。
- 攻城兵器、火矢を使って城を破壊したり、印地あるいは鉄砲などの飛び道具で城兵の損傷を図る。
- 開城交渉や調略を行いながら、心理的な圧力をかける。
- 城設備の破壊度、相手の兵糧・物資の窮乏度、士気の低下度を確認するため時々、攻撃をかけてみる。
- 十分、弱まったと判断したら総攻撃である「強攻」をかける。あるいは敵が食糧不足などで降伏するまで、さらに滞陣する。
アタッキングサード:攻城戦
ミドルサード:野戦
ディフェンディングサード:籠城戦
ロングカウンター、ショートカウンターなら相手をおびき出しつつ、背後の城を狙うことができる。ロングカウンターは籠城戦からの攻撃、ショートカウンターは野戦からの攻撃。押しこみ過ぎる攻撃は相手の守備を固めてしまい、後手になる。
戦術の基本は戦史研究であって、流行りのフォーメーションではない。
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