2017年12月19日火曜日

3421から3322へ

3421は強固な守備を形成したが、得点力が欠けていた。
3421で足りないものは得点力。
3バックによる中盤の優位性を得たが、WBが守備的にならざるを得なかった。
1トップでマークされやすく中央ボックスを打破するにはむずかしい。
1トップが中央ボックス外に出て受けつつスペースを使う形が活きた。

3バック+1ワイドの守備スタイルは変えずに、2トップ化をすること。
さらに中盤の優位性を失わず、相手をコントロールすること。
352のスタイルで3421を維持しつつ、3421で対策できなかった部分を補うこと。


前提となる3バックは

・3CBのサイドのスペースが弱点なのでWBが必要。
・サイドの守備がWB1枚で攻守両面で重要となる。
・WBが押しこまれるとサイドを制圧されてクロスを上げられて失点する。
・1ボランチではバイタルを守り切れない。

これを克服しなければならない。

問題点はWBのポジションと負担。
・WBを下げたままにせず、高い位置をキープさせる。
・WBの守備負担を軽減する。

これを解決するのがWボランチになるが、WBの裏をケアするためにサイドに出た場合1ボランチになり、今度はバイタルが致命的になる。
結果3ボランチが必要になる。

NBOXで服部福西がワイドに割れた時のバイタルには名波が下がってケアしたのと同じ理屈だ。
NBOXが難しすぎたのはワイドがいない初期配置だろう。
やはりWB1枚は必ずワイドに置くべき。

3ボランチ+WBの初期配置は5人ラインによるショートパス対策になる。
3ボランチ+3CBの初期い配置は中央の強固な守備を生む。

3421ではサイド1枚で後方に置かれフォローはCBのみになりリスクに対するフォローが少なすぎる。
WBを上げて3ボランチにすることでサイドのフォローが2段3段になりより強固なサイド守備が形成される。

3421では相手のSBからSH、WGへのワイドの大きなフィードによるスペースを狙った攻撃とWBのミスマッチ、ボランチのミスマッチなどが狙われていた。
これは宮崎の対人の弱さを狙ったもので、後ろをカバーする森下の援護でどうにかなった。
やはりワイドの守備の枚数の少なさが突破しやすい場所になっている。
これはどのチームでも同じであり、サイド攻撃は守備が薄くなる場所なので突破されやすい。
重要なのは2枚腰3枚腰でのサイド守備。
3322ではまず高い位置のWBがワイドで蓋をしている。
その背後は3ボランチのスライド、その背後を3CBのスライドでフォローする。
ワイドを高い位置に置くことで相手のサイド攻撃を事前に抑えつつ、3センターによる中央制圧プラスサイドに広いスペースを与えない配置を維持する。
3センター3CBによる強固な中央守備は両サイドに長いスペースを与えるが、横幅は狭い。
1ボランチ、Wボランチでは両サイドに広いスペースを与えてしまう。
3センター3CBは両サイドのスペースを最小限にしておけることと、前の列がワイドにプレスバックすることで3センター+1ワイドを2段構えにしておくことができる。

3バックの弱点であるサイドのスペースは前の列がワイドに入る形を維持する。
WBと3センター、スライドしたボランチと3CB。
さらに深い場所に入れられた場合はCBがサイドにスライドし、逆サイドのボランチが下がる。
3ボランチなのでボールサイド、逆サイドのボランチが離れてもバイタルには1ボランチが残ることになる。
絶対にバイタルに穴を空けない。


攻撃面では3421の中央のカウンターとアダイウトンのサイドアタック、ボランチの上がりがメインだった。これに中村のFK、PK、CKによるセットプレーが加わる。

3322では2列目のWBと2FWの4人の初期位置が4バックの攻撃時にマークしやすく、ハイプレスからのロスト誘発を狙う。
WBが2列目なので4バック+SHの中間位置で縦パスを防ぐことが可能。
トップ下を置かないので相手のバイタルに自由に飛び出す攻撃が可能になる。
左右でWBFWか、WBボランチの連携で起点をサイドに作ることができるので、相手のWボランチをサイドに誘導できる。
動かなければ裏やファーにクロスが入り、動けばバイタルに逆サイドWBやボランチが上がってくる。
ワイドと中央のギャップを使った攻撃で相手をコントロールできる。
これも3センター+WBの5人ラインだからできることだ。
サイドで2対1、3対1も作りやすく、中央は3センター2段。
どちらも多重にフォロー可能な強固な守備が取れる。
同時に厚い抗攻撃、相手に選択を強いる攻撃が出来る。

バイタルのスペースは自由に使える。
・FWが下がって受ける。
・WBがカットインして中央に切り込む。
・マイナスクロスにボランチが上がってミドルシュート。

バイタルに囮を置いて、空いたほかのスペースを使うのが本命ということもできる。
・FWがバイタルに下りてCBを釣り出し、WBが斜めにCBの裏に入って受ける。
・WBがカットインしてサイド守備を中央に釣り出し、ボランチがオーバーラップしてサイド深くに侵入してクロスを上げる。

あえてバイタルを空けておくことで相手のマークを外におびき出し、フィニッシュにバイタルを使えるように誘導する。
その為にトップ下やインサイドハーフを初期配置ではおかない。

相手ボランチにノーマークだとゲームメイカーを自由にしているように思えるが、周囲を取り囲んでいるのでパスの出しどころがない。
WBがインサイドハーフに絞れば相手ボランチを囲むボックスで奪うっ事が出来る。

トップ下、インサイドハーフを置かずにそのスペースをユーティリティに使うことでj攻撃の柔軟性を担保している。
0トップでスペースを使うのと同じ要領だ。
0トップでは使える空間が前だけになってしまうが、バイタルなら後ろに動くこともでき応用度が上がる。
バイタルにトップ下、インサイドハーフを置いてもボランチのマークが厳しいので機能させるには手間と時間がかかる。それならばむしろ空けてしまい、その分の人手を他の場所で有効利用した方が効率が良くなる。
バイタルはフィニッシュに必要な場所ではあるが、常に掌握している必要はない。むしろ警戒を強めてしまい有効に利用できるチャンスが減ることになる。


磐田の人もボールも動くパスサッカーはやはり352でないと機能しない。








2017年12月18日月曜日

3322の守備

3322の守備の基本は3センター+2ワイド

3322は中盤の3センター+2ワイドで構築されるが、3バックのサイドを狙われるので、3ボランチがワイドに開いて3バック+2ワイドを最終ラインでも作る。
3センター+2ワイドを中盤と最終ラインの2段構えで可能な構成なのでより堅い守備になっている。

3センター+2ワイドだとショートパスで抜ける場所がほぼなくなる。2センター2ワイドの4人ラインだとスライドが必要になり、ポジショニングの差が生まれる。

3センター+2ワイドを中盤と最終ラインの2つで作ることができるので中盤を飛ばされた場合はボランチが開いて3バックのサイドをフォロー。3バックはセンターをキープしておく。残った2人のボランチはバイタルを2人で守れるのでWボランチより危険度が低くなる。

中盤で3センター+2ワイドの5人ラインを形成できるのでショートカウンターしやすく、2ワイドがインサイドに絞ることで中央でボックスを形成してボランチを囲んで奪うことができる。

中盤5人ライン構成はセンター守備を3人で、ワイド守備を2人で出来るので1対1のデュエルに
頼らなくても良くなる。中盤の量で守備ができる。

中盤を無理矢理抜けても3バックがそれをスイープするので堅い守備が可能になる。

3バックのサイドは弱点でWBが下がってサイド守備をすることが通常だが、3ボランチのワイド守備参加でWBは必要以上に下がらずに済む。これによってWBがより攻撃的なポジションを維持できる。
WBが高い位置をキープできることで相手のSBを攻撃参加させずに済む。より良い守備がより良い攻撃を生み、相手の攻撃を未然に防ぐことが可能になる。
SBの攻撃参加は人数差を生むだけでなく、前線の人数がそれだけ自由になり不利な状況を生むことになる。
両ワイドのWBが高い位置をキープできることで相手SBを攻撃参加させずに押しこんでおくことが可能になる。

2FW2WBの4人が前線に張り付くことで4バックに対して1対1の状況を作ることができる。3バックの相手ならWBを下げさせて5バックにさせておくことができる。
3ボランチにすることで左右のWBを維持し、センター、ワイドの両方で攻めるポジショニングを維持できることが大きい。
Wボランチの場合ではこれはできない。

3センターの基本は中央の守備ポジションをベースに、左右がワイドの守備、攻撃を支援する。
戦力を分散せずに常に密集状態、ラインやボックスを意識しキープすることで守備力は格段に強くなる。

前線での守備の基本は2FWが2CBへのチェック、2WBが2SBへのチェックを基本とする。
チェックからボールロストを狙う。
前線のハイプレス、ボールチェイスで出し手のパス精度を下げる。

中央でボランチ、トップ下、インサイドハーフに渡った場合はWBが中央に絞って中央ボックスを作って囲い込んで奪う。
場合によっては2FWもやや下がり目になってCBへのパスコースを消し、プレスバックできるようにしておく。

SH、WBなどサイドに出て場合はボールサイドのWBFWが下がり、WBは3ボランチと3センター+1ワイドを作る。逆サイドのWBFWは中央に絞り、FWは1トップ、WBはボールサイドのFWと2シャドーを作る。
サイドに出た場合は3421に変形して中央にボックスを作り中央を制圧し、サイドチェンジさせず、ボランチやトップ下に渡さないようにする。

2017年12月17日日曜日

サッカーの戦略

戦略とは戦闘、戦術より大きな視点をもった作戦。

サッカーでの戦略はトップチームのレギュラーメンバーだけに限らず、ベンチメンバー、育成、スタッフも含めた全体の構成調達を含めたもの。

長い期間のリーグ戦、短期集中のトーナメント戦、チーム内の世代交代、選手の怪我の発生率や回復率、稼働実績、練習メニュー、スタッフのレベルなど試合には現れない部分のすべてを担う。

チーム運営は戦略が土台となる。常勝不敗のチームを作るには土台となる戦略が充実していなければ無理。

リーグ戦 : 1年、半年の長期間に渡る試合形式。選手の調子やアウェー移動の疲労、連戦の疲労、イエローカード数、戦術を補うベンチ補充、など多くの項目で考慮しなければならない。レギュラーメンバーだけが強いとベンチメンバーの出場機会が少なくなり成長が阻害される。疲労度に応じて選手の入れ替え、ターンオーバーをしても戦闘、戦術上の質の低下がない選手構成、育成が出来ているか。フィジカル系スタッフの充実による怪我の予防、疲労の回復、怪我予後の早期回復、筋肉体調の維持管理、食事の管理など、選手のメンテナンスを担うスタッフを充実させることで選手の不安要素を無くし、試合に集中させることができる。

トーナメント戦 : 多くは短期間の勝ち上がり制なのでリーグ戦以上の短期間での連戦を強いられる。戦術上のミスマッチに対応できるベンチ体制や怪我の発生頻度上昇などトラブルの出やすい状況になる。短期決戦なので集中力が切れることは少ないが、強度が上がり過ぎて怪我の発生率が高くなる。また短期間の連戦で疲労度も上がりやすいのでベンチメンバーとの入れ替えで質を落とさない戦術も必要になる。多くの選手を使うことで疲労度を分散して誤魔化すことが出来るが、後半まで残った場合に疲労度が全体に溜まるのでフレッシュなメンバーを望めなくなる。 無難に勝ち上がる為にはいいが、後半やや厳しくなるか。序盤と終盤でターンオーバーすると疲労度は一方に集中しているのでフレッシュな選手を維持できるが試合勘や体調などの維持でマッチするかが問題になる。

育成 : 多くのチームでレギュラーメンバーが固定されて黄金期を作った場合に育成できずに黄金期が終了することが多くなる。チーム全体の強さを維持するためにはレギュラーメンバー固定ではなく、ベンチや育成も含めて短時間でも試合を任せることは重要になる。レギュラーメンバーのイエローカード数や疲労度なども考えて下位チームとの対戦で使用するなど出場機会を増やして育成するタイミングを計画的に作らなければならない。

スタッフ : チーム全体のカラーが定まっている必要がある。それに合わせたスタッフが必要となり、さらにそのスタッフの知識、技術、経験が選手を育成することになる。選手のスカウトなどにもかかわるのでスタッフの質は重要になる。技術スタッフやフロントスタッフだけでなく、フィジカルスタッフなども選手の体調管理、怪我予防、怪我回復、練習メニュー、など選手の土台を作りメンテナンスする重要な存在。怪我しない、回復が早い、というのはチームの質を保ち苦しい連戦を戦いやすくしてくれる。

資金調達 : 良いスタッフ、良い選手を集めるためには資金調達は重要になる。観客、サポーターを多くする為の対外的な広報宣伝スタッフも重要になる。資金繰りが悪くなればチーム自体が存在しなくなる。ビジネスとして維持できる状態になければチームは強くなることはできない。


戦略はチームの土台であり、土台がしっかりしているチームは戦術戦闘=試合に集中できる。チーム全体の底上げが出来ていれば常勝不敗のチーム作りはかなり楽になる。

2017年12月16日土曜日

3322戦術

3322(2ワイド3ボランチ)の戦術はショートカウンター。

3322(ワイド)は基本形でここからボールの位置に応じて変形して対応する。


ゴールキック、CB、SBからのビルドアップには3322(ワイド)を使用。
キックオフ、リスタート、自陣に引く場合は2FWを下げた344を使用。
ボランチのビルドアップには3322(ボックス)を使用。
サイドのビルドアップには3421を使用。


3322(ワイド)は後方からのビルドアップに対して前方のFWWBのハイプレスによってオウンゴール、パスミス、インターセプトからのシュートを狙う。

キックオフ、リスタート、引く場合は2FWを下げてWBと並べて4人ラインを前線に置く334に変化。
4人ラインでパスコースを限定し、そのパスを3ボランチで奪う。

ボールがボランチに入った時には3322(ボックス)に変化する。
両ワイドのWBが内側に閉じてボランチを閉じ込めて奪う。

ボールがサイドに展開された場合はボールサイドのWBFWが下がり、逆サイドWBFWが内側にスライドして3421に変化してサイドで奪う。



3322ワイドはトップ下を置かずに、両サイドワイドにWBを置く。
カウンターメインなので前線には人数を余り置かないこと、特に中央を空けてFW、WB、ボランチがそれぞ使えるように空けておく。
その分3ボランチによって中央とサイドにかけてのスペースを十分にケアできるようにしている。
トップ下を置かないので最短はFWへの直接ロングボールを入れるかスルーパスを通すか。
中央の守備は22ボックスになることが多いのでそれをサイド攻撃で避けるか、ロングボールを裏に入れての攻撃になる。
最終ラインを押し込んで下げることで、こちらの3ボランチがマークされずに正面のスペースへと入ってミドルシュートを撃つことができる。
サイド攻撃は逆サイドの影の攻撃、フィニッシュを可能にする。正面からの攻撃だと2次攻撃が難しいが、サイドの攻撃は逆サイドが背面になり死角からの攻撃が可能となるのでフィニッシュに繋がりやすい。
サイド攻撃は中央攻撃より最終ラインを下げ、全体の守備を下げさせるので3ボランチの攻撃参加が容易になる。
出来ればラインを深く下げずにWBから2トップへの配球でフィニッシュとシンプルな攻撃が優先される。
最終ラインが下がればそれだけゴール前の守備は固くなる。
よって相手のラインが下がる前に裏のスペースを突いて得点まで行くことがショートカウンターにとって重要な点である。
ロングカウンターであれば自陣に引いているので相手は前がかりになって守備がてうすになるが、ショートカウンターでは相手の守備は薄くなっていない。
ショートカウンターでは手間をかけずに裏を突けるスピードのある攻撃が重要となる。
相手のボールをポジショニングでコントロールし、空きスペースへと誘導しつつ奪う。
そこから速攻のカウンターへとつなげる。

トップ下を置かず、中央を空けつつ、最短の中央は3ボランチ3バックの2段構えで守り、サイドは狭い一本道のみ空けておく。

ショートカウンターのエリアを3つに分ける。
アタッキングサード、ミドルサードセンター、ミドルサードサイド

アタッキングサード = 相手の最終ライン付近のボールに対して、3322(ワイド)の前線4人でロングボールのキッカーへとハイプレスをかける。

ミドルサードセンター = 相手ボランチを囲む3322(ボックス)でボールを奪う。

ミドルサードサイド = WBFWのスライドで3421に変化、サイドでボールを奪う。

ミドルサードへボールを入れられずに最終ラインへと戻せばハイプレスに変化する。
ハイプレスを避けてロングボールを入れれば3ボランチ3バックで制圧するか、狭いサイドに押しこまれる。



3421では
ミドルサードセンター = 中央ボックスで囲んで奪う。
ミドルサードサイド = 狭いサイドで奪う。
と中盤で奪うことをメインとしていたので、最終ラインからのロングボールへの対抗策が余りなかった。
3421では人数を後方に集めていたので前からの守備はスペースがあり過ぎて捉えられなかった。
また人数も中央に集中していたのでポジション的に無理があった。
相手のボランチを押さえてゲームメイクさせないというプランが優先されたが、後方からのフィードでプランを崩されることが多い。
ロングカウンタータイプのチームにショートカウンターが効きにくいという相性の問題でもある。

3322(ワイド)では、中央は3ボランチ3バックの2ボックスを基本として、2WB3ボランチの5人ラインで中盤のパスコースを潰す。
ラインとボックスの位置を3421とは入れ替えて、前方にラインを、後方にボックスを置いた形になる。
その分、中央のボックスがないので制圧されやすくなるので、ボールの位置によってWBを絞って中央ボックスを作る。
もしくはFWを下げてWBFW4人ラインを作る。

相手が引いた場面では、WBFWが両サイドへと起点を作り、相手のブロックを左右に分離させる。
中央を開かせて、3ボランチが空いた中央へと攻め込む。

中盤での制圧ではライン、ボックスの変化を意識して抜かれないように気を付ける。
サイドではラインを形成し、中央ではボックスを形成する。

3322(ワイド)は広げた網。どこかで網を閉じる。網の中に入らない=バックラインへ下げた場合は追い立てる猟犬になる。WBFW4人がスピードスタミナに優れた選手を揃えることが条件。

後方からのビルドアップにはハイプレスカウンター、ショートパスには囲んでカウンター、引いた相手には両サイドアタックからの中央攻撃。



より深い位置での守備

3ボランチ3バックの2ボックスで中央を堅く守る。
サイドに展開された場合は左右ボランチ、左右CBが対処し、中央はボックスを維持する。
まずは左右ボランチ、WBが連携してサイドで2対1を作り、その背後を左右CBがケアする形をとる。
最終ラインからのサイド深くへのロングボールは左右CBがケアする。そのスペースは左右ボランチが下がって埋める。
もしくはCBがスライドし、逆サイドのボランチが下がって、逆サイド側を埋める。
3バックは維持し、新たなWBを作り、逆サイド側から補充する形をとる。
ボールサイドの人の位置を変えると穴が開きやすいので、逆サイド側から補充した方がより安全に維持できる。

2CB、2SB、Wボランチの42ラインと、3ボランチ3バックの33ラインでは中盤でのスペースの大きさが異なる。
Wボランチでは左右に大きなスペースがあり、SH、WB、SBが自由に動くことができる。ただしSBがいるので前のスペースはない。
3ボランチ3バックでは前後のスペースの大きさの差はない。ラインが下がっても中央に6人なので跳ね返す確率は4人に比べ1.5倍になる。
前後に3人なので左右のスペースに対して中盤からチェックにいける。4バックではSBの前、ボランチの脇が穴となっている。
33ラインは大きな穴を空けない守備陣形。対応も早く反応できる。速いショートパスで崩す攻め方に対しても守備が有効になる。42ラインではサイドに穴があり、ボールを保持できる時間が長くなり、それだけ正確なキックでクロスを上げられてしまうことになる。
出来る限り均等に守備を配置することでボールへのアクセス時間を早くし、決定的なパスを出させない。
キッカーに対して精度のあるパスを出させないことがシュートや得点につなげない為の策になる。


3322(ワイド)ではサイド攻撃がFW、WB、ボランチと縦関係に3人で三角形を作りサイドで密集した状態を作ることができる。サイドで数的優位を保ち、かつ近い距離でプレーできるので連携が容易になる。

攻撃時にボールサイドはクロスを、逆サイドをゴール前でフィニッシュを狙う。両サイドを攻撃的に使うことで得点力が上がる。
引いた相手にはボランチを経由して両サイドへの攻撃を仕掛け、フィニッシュは中央の3ボランチが行う。
両サイドは2対1を作って中央の守備を左右に分けるようにする。
守備がスライドして中央を守りつつボールサイドもケアし、逆サイドを空けるなら、逆サイドに素早くサイドチェンジするか、攻める位置をやや下げて守備を引き出し、逆サイドへのクロスを上げて裏を狙う。


3322(ワイド)のはポジションの変化があるのでボールの位置によって動き、奪い方が変化する。選手がやるべきことは複数あるので変化に強い選手が必要になる。
3ボランチ3バックは4人ラインのスライドを3人ライン+1人のスライドで行う。常に中央には不動の3バックがいて、左右の1人を3ボランチの左右がサイドにスライドして守備のWB役になる。
3人ラインは統率しやすくオフサイドトラップもかけやすい。
中央3人ライン+サイド1人というパターンを中盤でも最終ラインでも作ることができるのでサイドチェンジにも強い。
同じ6人でも42だと中盤サイドでフリーを作ってしまいチャンスメイクさせてしまう。また制圧された中盤から左右へのサイドチェンジをされると4人ラインのスライドが間に合わなくなる。
33ラインでは中央に強く、サイドへの展開も1人のみのスライドで中央3人の形を維持してサイドチェンジに対しても対応できる。
42ラインでは穴となるボランチ脇のエリアに33ラインでは左右ボランチがスライドしてすぐにチェックに行くことができる。サイド攻撃に対しての守備が早くなる。
もちろんWBと2対1の数的優位を作り出せる。
WBと左右ボランチがそれぞれサイドの攻撃と守備を担当できるし、近い関係で2対1を作りやすい。中央3人来なので中央が堅く、サイドに1人割れても2人が残るので中央のボックスは維持される。

2017年12月15日金曜日

3322ワイド運用

3322ワイド

3バック
3ボランチ
2WB(ワイド)
2FW

対バックライン
FWはCBをマーク、WBはSB、WBをマーク。
バックラインからのビルドアップを阻害する。
CB、SB/WB、GKのパスのインターセプト、カウンターへ。
Wボランチへの配球を3ボランチでインターセプト、カウンターへ。

対サイド
WBが下がり、左右ボランチ、左右CBの3人でサイドで奪ってカウンターへ。

対センター
WBが中に絞って32ボックス形成。
WB3ボランチで囲んで奪いカウンターへ。

FWが下がって4人ライン形成。
34ラインを作ってショートパスを封じる。


3322ワイド → 対バックライン
3421 → 対サイド
3322ボックス → 対センター
334 → 対センター + 対サイド


3322ワイドは左右WBFWと3ボランチ3バックで3角形をイメージする
3角形のイメージは3421でも同じ。

WBFWラインはCBSB、CBWBのラインと同じで中央へと入れさせず、ボールをサイドで奪う。
WBはSBWBとのマッチアップで勝つことが重要になる。
WBのバックアップに左右ボランチがケアする。
3角形の中にボールが来た場合はWBが中に絞って中央で3ボランチ2WBのボックスお作って奪う。
相手の両サイドがストロングポイントでWBを動かせない場合はFWを下げて2FW3ボランチでボックスを形成する。
左右に配球される場合はまずFWがパサーキッカーへチェックに、WB、左右ボランチが受け手に対してチェックしてインターセプトする。

左右ボランチがWBと連携してのサイド守備、3ボランチでの中央守備と重要ポジションになる。
WBも攻撃守備の両方に対応しての動きが必要なので戦術眼が必要な重要ポジション。
攻撃の中心は2FW2WBの4人。

中盤5人が非常に重要なのでスタミナスピード戦術眼対人キックなど平均して質の高い構成が必要になる。

3421ではカバーしきれなかったバックラインへのチェック、ロングボールを抑える動きを3322ワイドで対応する。
サイドへの展開は3421への変形によって今まで通りの動きで対応。
3421、343の形は334にすることで34ラインをさらに前に上げてスルーパスのコースを出来る限り潰す。


守備で押しこまれる場合

352フラット
532

WBを下げることで352フラットを作り、5人ラインでパスコースをさらに絞る。
サイドのスペースを狙ってくる場合は5バックにしてあらかじめスペースを消しておく。
ロングボールでなく、ドリブルとショートパスでの突破に対しては352フラット、532で密集した守備で対処する。


352の復活(3322ワイド)

2017年は3421が当たりだったが、得点の少なさが問題として残った。
やはり磐田は2トップが合う。
現在の守備に残っている問題点はロングボールの出し手へのチェック。
2トップ化することで1トップではできなかったロングボールの出し手へのチェックが可能になる。
現在の守備の基本は343で、中央3人で最短コースを消しつつ、WBがサイドをケア、最終ラインも含めて4人ライン、5人ラインとすることで横のスペースを最小限にする。

352は332(ワイド)2に配置する。3ボランチとWBがSH位置まで上げた攻撃型のスタイルになる。
3ボランチはWBを上げた分、左右に空くスペースと中央のスペースの両方を埋める為に3人必要になる。
ボールがサイドにあれば、1人がサイド、中央2人、ボール中央ならば、中央3人。
ボランチがWBの守備の役割を担う。


3322ワイドは基本状態であり、ここから変形する。

1.ボール中央ならば : ワイドがインサイドハーフに入って中央ボックスを形成し3322にする。
2.守備重視ならば : 2トップが下がって334にする。
3.ボールサイドならば : ボールサイドのWB、FWが下がって、逆サイドはインサイドに入って3421にする。

守備の334からさらに押されても両サイドが下がって35(フラット)2、532とサイドを下げて5人ラインを形成できる。

ボールの位置に応じて、3322ボックス、3421、334、352フラット、532と変形可能。
1トップではなく2トップなので前線からの横パスを防いでワンサイドに絞りやすくなる。

3322ワイドの基本形から、3322ボックスの縦列型、3421、352フラットの横列型の両方に変化できる。

2トップと2ワイドの4人の攻撃陣が中央を避けてサイドから攻撃を行う。中央は3ボランチ3バックが守る。

課題として残っているロングボール対策は2トップ2ワイドの連動で、2トップが出し手へのちぇっく、2ワイドがショートパスの受け手へのチェックを同時に行う。
ボールはロングボールとして前線に配球される。3ボランチ3バックによってしっかりとロングボールを止める。


このフォーメーションでは、FWの得点の向上とWBからの配球による攻撃が重要になる。
守備面では3ボランチのうち、左右のボランチがサイド守備に出ることと、WBとの連携によるサイドの制圧。
WBと左右ボランチの位置が近いので、サイドでの攻防で連動制圧しやすい。
ショートカウンターを狙うので、WB+左右ボランチでのボール奪取から、ボールサイドのFW+中央に絞っている逆サイドのWB、FWの3人がアタッカー、フィニッシャーとなる。

3バックは今まで通り、3ボランチにムサエフを中心に櫻内などボランチ、WBの両方が出来る対人タイプ、左右WB、FWに配球出来るキッカータイプを置きたい。

WBは守備からカウンターで走ることのできるタイプ。スタミナとスピードの両方が必要になる。もしくは守備+キッカーで逆サイドのWB、FWへの配球やボランチとのパス交換で相手をコントロールできるタイプ。

FWは前線からのチェック、当たり負けしない体格や動きの出来るストライカー。WBと同じくスタミナスピードが要求される。


やはり磐田には3バック、2トップが合う。
3421でも4231でも1トップのみで流れからの得点は非常に少なくなっている。やはり2トップの方が得点につながりやすくなる。
重要なのは相手の隙を瞬間的に突ける正確さとスピード。ショートカウンターは堅守速攻のお手本。守備陣形、ボールの誘導と取り方の重要性や、そこからの少ない手数での速攻。速攻だからこそ得られるFK、PKが2次得点源になる。
2トップになる分、中盤が少なくなるので、中盤の守りの質を上げる必要がある。守備は分散すると意味がない。出来る限りまとまる必要がある。
特に3バックなので弱点となる左右のスペースをケアするWBが必要になる。そのWBをHの一に上げているので、その分を3ボランチでケアする。
N-BOXでは3バック2ボランチで2ボランチのみでサイドをケアしていたので非常に大変だった。
WBの後ろに3ボランチがいることでWBは攻撃に専念でき、CBもスペースのケアが少なくて済む。
2ボランチだと中央1人のみ残るが、2人残るので余力がある。
ボールサイドではWBも下がってスペースを閉じるので攻められるスペースはかなり狭くなる。

3322ワイドは3421ショートカウンターになるので2017年の積み上げを使うことができる。
積み上げをさらに底上げすることで攻撃力を上げられる。
3421の守備の強さはリーグ最少失点数で証明済みだ。
3421で対応できなかった部分を潰すことでより攻撃的に変化することができる。

最終ラインのボールに対しての前からのプレッシャーと連動して受けてへのチェック。
前線4人が連動して動くことで中央の3ボランチで潰してカウンターに行くか、3バックのオフサイドトラップで奪うか。
WBは後ろのスペースをボランチに任せて動くことができる。
2ボランチでは守備時のワイドのケアが出来ず、スペースを使われることが多い。
3ボランチはサイドのスペースのケアをしつつ、中央もしっかりと対応できる構成。
3ボランチは守備でも攻撃でも中央ワイドの両方を支える重要な土台となる。

3322ワイドは4バックの攻撃時に2CBにはFW、SBにはWBがマークにつくのでバックラインからの構築を阻むことができる。
4バック攻撃時の弱点はSBのボールにチェックへ行き、CBへとボールを戻させる。この時にインターセプトを狙う。
相手GK、CBはボランチへのパスコースを使うので3ボランチがこれに対応する。
SHへのロングボールは左右ボランチがサイドへ展開して対応する。
FWへのロングボールはオフサイドトラップを狙うか3バックで対応する。
SBからSHへのボールはWBが縦へのボールを防ぎ、抜かれた場合は左右ボランチ、左右CBが対応する。

4バック、3バックともにFWはCB、ボランチの縦ラインの外側でWBとの連携できる位置を確保。
ボールサイドのFWが正面ニアに楔としてCBボランチを引き付ける。逆サイドFWWBはファーサイド、守備の裏、影に入ってフィニッシュを狙う。

カウンター時は前線4人だけでなく、3ボランチもラインを上げておく。FWやWBからのマイナスのクロスに対してミドルシュートを狙ったり、インターセプト、セカンドボール奪取から積極的にミドルシュートロングシュートを狙う。シュートを狙うことでFWやWBがこぼれ球に詰めて得点、ファールを誘発してPK、FKをゴール正面で獲得、などの2次攻撃の形を作ることができる。

2017年10月24日火曜日

3331Kross/NX

3331は3バック、WBバック、1ボランチ、3シャドー、1トップの構成。
3シャドーの中央に川辺。
川辺を中心とした十字 = Kross として中盤中央を支配する。

3331は3421の変形として使う。
Wボランチの一人が1列前に上がって、2列目中央に3人が布陣する。
3421の運用時にサイド攻撃に対する守備の問題点の解決として使用する。

3421の攻略として4バックのSBからSHへの縦の攻撃でWBをかわしてサイドを縦深する攻撃がある。
この攻撃の対策にはWBをSHを抑えるために使いつつ、SBへのチェックを追加する必要がある。
3421は中央に3バック、Wボランチ、2シャドーと堅い守備陣形を敷いているが、WBの裏、3バックのサイドに対して攻撃をかけることで堅い中央の守備を迂回してボールを回してくる。

この攻撃に対してボランチの川辺を1列上げてトップ下に入れる。
今までの2シャドーから3シャドーにすることでアダイウトンと中村がインサイドまで広げることができ、WBの前のスペースに対しての守備エリアをケアすることができる。
ボールサイドのシャドーがSBのチェックに出ても2人が残り相手のボランチを抑えることと、カウンターでの飛び出しが可能になる。

中央に3人を並べ、その後ろにムサエフを置く。
3人がフィルターになってパスコースを限定する。
ムサエフのケアするエリアは広いが、WBもやや内側に絞ることと、3バックが後ろに控えている。
WBと1ボランチがワイドと中央で広い横パスを展開し、シャドーとトップの4人がゴール前中央を制圧する。

WBが上がっても3シャドーが中央にいるので孤立せずに連携を保つことができる。
WBの連携は攻撃時は3シャドーが、守備時には3バックが連携するので常に距離が短く連携がしやすい。

NXは中村を中心において川辺を右に置いたX(Cross)
トップ下の中村は動かずに、後ろのケアをムサエフ、左右の守備、攻撃にアダイウトンと川辺、ポストに川又。
中村が無駄に動かずに周りを動かすパスを優先させる。
動く場合は1列下がってムサエフと共に中央の守備に徹底する。

4231のワイドのように2列目をワイドに置かないのは、まず中央へのコースを潰すことを重視しているため。
相手のゲームメーカーのボランチを抑えながら、SBの上がりも警戒するために3人を中央に置く。
3ボランチを置くことはまれなので、Wボランチに対して3人が3対2になりボールを支配する。
中央に3人なので縦のコースはほぼ切れるので、相手の攻撃はワイドになる。
ワイドの攻撃にはWBが頭を押さえ、3シャドーのボールサイド、アダイウトン、川辺、中村のいずれかがSBを抑えにワイドに展開する。一人が外れても2シャドーが残るのでWボランチに対して人数差では負けない。

トップ、トップ下、1ボランチは縦の関係で相手の横パス、サイドチェンジを防ぐ。
WBとボールサイドシャドーがワンサイドでボールを奪う。
トップ下にボールを入れたら、トップと逆サイドのシャドーの上がりで2人が攻撃に参加。
時間差になるが逆サイドWBも上がってファーサイドへの攻撃参加を行う。

2017年10月22日日曜日

3331

現在の3421の変形として、3331にしてみる。
3421の問題点として相手のサイド攻撃への対応がある。
中央ボックス+3バックで中央は堅いが中央に集まり過ぎているのでサイドに問題点が残る。

3331は3バック、WB+1ボランチ、3シャドー、1トップからなる。
現在の3421のWボランチから川辺が一つ上がって3シャドーになる。
4231との違いはサイドの連携が高いこと。
4231だと両ワイドが孤立する。
3331はWBと3シャドーの左右が近いのでサイドの連携で2対1を作りやすい。
また3シャドーは相手のWボランチへのプレッシャーが高く、SHへのパスコースを消しやすい。
中央は3バック、1ボランチ、3シャドーで前後3人の壁を置く。
3シャドーがスクリーンになって、1ボランチが抜けて来た場所をケアする。
3バックとGKの関係に近い。
2列目が中央に3人密集、3列目がWB+1ボランチでワイドと中央のケア。
3シャドーで中央の人数とワイドのケアを両立させる。
前からの守備で抑えたい、かつ孤立を避けたい、さらに今までのように中央を抜かれたくない、という条件を解決する布陣だ。
狙われるのはサイドから1ボランチの脇のスペース。
バイタルのケアを1ボランチでやることになるが、3シャドーが中盤の前方で警戒しているので縦のパスは入りにくい。
ワイドからバイタルへの斜めのカットインやパスは3シャドーの左右とWBの中への絞りで対応する。
3421を基本として4231に変化するより3331になる方がすばやく、かつ基本の3421に戻ることもすぐにできる。
大きなシステム変更ではなく、3421を基本とした変形によって対処する方が良い。
4231でサイドに2人おいて前からサイドを守備したいというのはあるが、3人かつワイドで孤立して連携できない。
4バックだとスペースがないが下がり過ぎ、3バックだとWB一人で前のスペースを抑えられない。
問題点はサイドの1人に近い場所かつ、前の方でサイドを押さえたいということ。
3421でWBに近いのはWボランチだが、位置が良くない。
宮崎が孤立しないようにアダイウトンが斜め前の近い場所にいることでサイドを孤立させずに連携して壁を維持できる。
攻撃面では川辺を一つ前で使うことができる。
本来は4231でも3シャドーであればこれに近い感覚なのだが、名波は2列目をワイドに使いたがるので結局ワイドが孤立し、トップ下も孤立して守備としてはスカスカになっている。
ワイドにいることで相手のSBを抑えやすいが、味方のSBとは離れているので連携も取れない。
4231をワイドで使う場合、2列目3人とトップは孤立した状態なのでこの4人は1対1で絶対に負けないだけの体格と技術がなければならない。
今の磐田にそれだけの選手はいない。
またワイドを攻撃に使うと相手の守備ラインが下がってスペースが消される。
スペースを消すことは自分達の攻撃が得点にならない可能性が高くなる。

ワイドを使いたいというのは攻撃面で相手の守備を横の幅に広げて横のギャップを使ってパスを前に通したいということ。
また、同じ理由で相手のワイドを押さえておきたいということ。
しかしワイドに複数おいてしまうと中央の守備が薄くなる。
この問題は3バック+WBと同じで、中央を3人で守りつつ、WBを左右CBがケアするというスタイル。
同じように3シャドーの左右がWBを前でケアすることで、WBの孤立を防ぐ。


密集型の布陣はジャンケンのグーと一緒で包囲型のパーと相性が悪い。
両サイドを広く使ってくる相手にはサイドチェンジさせないように中央でしっかり分断すること。
長いパスを出させない、受けさせないこと。
しかしそのために前からプレスしてチェイスするとポジションがずれて中央にスペースが出来るのでそこを狙われる。
中央3人は1人がサイドに外れても2人残るので最低限の抑えは効く。
これが2人だと1人がサイドにでると1人だけになるので抑えられない。



どうしてもワイドに置きたいのなら、
3バック+WBと同じように3ボランチ+ウイングの形で3232で置く。
完全な包囲型の布陣になる。
中央は3人ラインを2重にする。
サイドはWBとウイングで縦の関係を構築できる。
FWはウイングだけで中央は置かない。サイド攻撃でウイングが縦深に攻撃し、
中央の3人がそれを追いかけて前進、ウイングのマイナスのクロスから中央3人がフィニッシュする。
3人はフラットで縦パスを入れさせない。
その状態のまま前進する。
3バックから3ボランチへのパスが通らない場合はWBを経由する。
WBは外から攻めるならウイングへと縦にパスをつなぐ。
中央から攻めるなら3ボランチへとつなぐ。

2017年10月21日土曜日

新生4231NBOX

2017年シーズン残り5試合ホームで最下位チームと引き分け

名波は451、4231にどうしてもこだわっている。
ポジション登録も451。
今の3421がベストだがそれがどうしても嫌のようだ。

3421の特徴をもった4231にしない限りいまの4231ワイドは全く使い物にならない。
中村の持ちすぎからのロストが致命的になる。
それがわかっているのに孤立するワイドに置く名波が悪い。

2431の駄目な部分は2列目の両ワイド+トップ下の構成。
両ワイドは孤立して広いスペースをケアしないとならない。
足の速い選手には向いているが遅い選手では囲まれるだけ。
トップ下は相手のWボランチのフィルターにならない。
自軍のWボランチの両脇にスペースがあり突破されやすい。
ワイドにSHとSBの2枚4人を置いているが、離れて連携できない。

どうしても4231が捨てられない名波。
重要なのはサイドの人数ではない。
置く場所によって連携度合いは全く違う。

中村を中心に置いた4バックのNBOXを4231で作ればいい。
4バック、3ボランチ(Wボランチ+センター)、2シャドー、1トップの451。
中村がこねずにパスするように中央に置く。
周囲は4人でボックスを作っているので必ずパスコースがある。
トップとも中央ラインでスルーパスを出せる。

サイドの守備はWボランチの1枚がスライドしてSBとケア。
中央の中村が下がって空いたボランチに入る。
サイドはSB1枚にボールサイドのボランチが開いて2枚になる。
常に両サイドに2枚置かずに必要な時に1枚を追加する形式をとる。

4231ワイド+トップ下は機能しないし効率が悪くて個人の技量に依存し過ぎる。
中盤のコレクティブは最優先事項。
中央を支配しつつ、空いたサイドを有効に使う。
SBから逆サイドに開いたシャドーへのクロスなど攻撃でも幅と深さの両方を使える。

4231ワイドの戦術は古くて対処されやすい。
中央が割られやすい。
2列目が機能しないと攻守共に機能不全になる。
ショートカウンターならトップにあてて2列目が追い越していかないと意味がない。
ポゼッションの為のフォーメーションじゃない。

パスサッカー、サイド攻撃、ポゼッション、4231、と名波が好きなものは統一されていないチグハグな張り合わせ。
これを機能させるより今の3421の方が機能している。

小林依存の4231であって、サイドのキープが出来ないと戦術として破綻している。
何より押しこむせいで相手はスペースが無くなって守備しやすい。
名波の好みの戦術には道理がない。
理屈がないから機能しない。
鶴翼の陣は包囲陣形で人数差が基本。
同数で戦うサッカーで包囲できるわけがない。
森下時代に3142とかやってボロボロだったのを思い返せよ。
同数では包囲できない。
中盤中央など「局地では可能」だが、フィールド全体でやるのは無謀。
長くなる戦線は必ず分断される、
鶴翼は左右に開いている分中央が弱い。
中央を守るには3バックかアンカーが必要。
どちらにしても両翼の裏が穴。
そもそも鶴翼は包囲戦術で守備戦術。
ポゼッションも守備戦術。
守備戦術を攻撃戦術に使おうということ自体が間違い。
戦術の誤用で勝てないとか指揮官失格だろ。

まず海外の戦術大国でしっかりと戦術の基礎を学ぶこと。
戦史上の陣形とかも知る必要がある。
大事なのは強いか弱いかではなく、どの状況下でどの戦術が活きたのかということ。
それを理解しないと流行りのフォーメーション使って負けるってことになる。
攻撃したいなら相手に守備をさせるな。
カウンターこそ最大の攻撃なんだよ。

2017年10月17日火曜日

静岡ダービー

磐田と清水の静岡ダービー

3-0で磐田の勝ち。
アダイウトンと川又の連携からアダイウトンが抜け出してゴール。
中村の回転のかかったFK。
櫻内のファーへのクロスから宮崎のシュート、山田の押しこみ。

川又は得点しなかったが、トップの仕事をよくこなしてた。2シャドーのアダイウトンと山田が得点できたのも川又の動きがあったから。
川又は足に痛みを抱えているようなので、川又の代わりの選手を誰にするのかも考えた方がいい。


清水は宮崎とデュークのミスマッチを突いた攻め方と、松原の突破の両方を使いながら中央へのマイナスからシュートと両サイドを使った攻めを基本に攻めていた。
前半の清水は悪くなかった。松原と高橋のアクシデントで流れは変わった。
高橋のマリーシアもどうかと思うが、それ以前に松原がヒートアップし過ぎてしまった点も否めない。



後半最後に4231に変更したが、やはり4231は中央を割られてチャンスを作られる。

3バック、4バック論は実は意味がない。
重要なのは守備的MFを含めた守備陣構築であって、最終ラインの数の問題ではない。
4231が機能せず、3421で機能している理由は3列目と4列目の数が重要だからだ。
4231では守備はWボランチ4バック、3421ではWボランチ+WB3バック。
4231ではWボランチが中央を防いでいるが、両サイドはカバーされていない。このために敵は両サイド、Wボランチの脇を突いてくる。サイド攻撃によってWボランチ、2CBは割れる。
一方、3421ではWボランチWBの4人が中盤でスクリーンを作りパスコース自体をかなり限定している。その為に3バックは限定されたエリアのパスコースのみに限定して守備ができる。
またストッパーとしても4人のスクリーンがあることで侵入コースが限定されるのでカバーエリアは狭くて済む。
42=6人に対して34=7人での守備人数の違いに加えて、スクリーンがなく侵入コースパスコースの広い42ではSBとCBの間が割れやすい。もしくは2列目が上がり過ぎてWボランチの周囲に大きなスペースを作りやすい。
4231での守備は3ボランチ気味かつSHはインサイドハーフのように中央に絞ってポジションを取った方がいい。
4231は中央が弱いので、中盤5人がNBOXスタイルになった方がより強固な中央守備とセカンドボールの奪取が可能になる。
2列目の3人をワイドにおいてしまうと攻めでも守りでも機能不全になる。

4231は守備時に3430に近い形になるので中央が323となって中央は簡単に抜かれないし、3人フラットに並ぶことでインサイドの位置だとサイドのWBと連携、カバーしやすい。
43は4人が広く網を広げることでコースを限定できる。
コースが限定されているので3バックは自分のエリアのコースに集中して対応できる。自分のコースでない場合は隣のカバーと切替もしやすい。

守備構築は最終ラインの3バック、4バックだけで論じても意味はない。守備的MFや攻撃陣の守備時の位置取りも含めて全体のフォーメーションでコントロールする必要がある。
3430は強固な壁を作る。カウンターで3421になり1トップのポストから2シャドーの追い越し、WBからのクロス、と形を作る。

今の磐田で不安要因はやはり名波が4バック、特に4231を使いたがる点だ。
去年の後半、全く勝てなかった理由は4231にこだわった結果。
サイド攻撃とポゼッションは捨てるべき。
ポゼッションは相手に攻撃権を渡さないという消極的守備戦術であって、攻撃戦術ではない。
カウンターは相手の攻撃時に薄くなった守備を突く積極的攻撃戦術であって、守備戦術ではない。
まず、この認識を持つべきであって、ポゼッション=攻撃戦術、カウンター=守備戦術という誤りを正す必要がある。
なぜポゼッションが上手くいかないのか、なぜサイド攻撃が上手くいかないのかをよく考えるべき。

中央攻撃といってもインサイドの幅があるわけで、その面積はサイドの面積よりも広い。
サイド攻撃ほど面積は狭いので止められやすい。
相手が中央に集まっている時にサイドを使い、相手がサイドにいるなら中央や逆サイドを使う。
重要なのは相手の守備の弱い所を突く、ということであって、自分達の攻撃サイドは右だ、左だ、と決めないことだ。決めれば相手もそれに対応する。重要なのはどのような形でも柔軟に対応できることだ。

中央から左右中央どこでも使えるようにしておくこと。守備ではどこから来られても対応できること。これをフォーメーションとして考えると、攻撃陣は中央に少人数で、守備は広く多人数で、ということになる。つまり3421は攻撃でも守備でも非常に柔軟で対応できるフォーメーションといえる。

2017年8月14日月曜日

磐田対策3バック

最近どのチームも磐田対策に急造でも3バックでくる感じに見える。3バックでもWBが2列目にいるならサイドのロングボールに弱い。磐田としてはWBは引いて相手のWBの裏を狙えばいい。逆サイドからのサイドチェンジでWBの裏を狙ってもいい。シャドーがサイドに開いて裏で受けて、トップにそのまま入れるか、ドリブルで斜めに入りながらシュート、もしくは囮からパスして守備の薄い場所からシュートを狙う。

3バックでもWBの位置の違いは大きいので、こちらが中央を閉じていれば相手はサイドに回さざるを得ない。相手WBにはこちらのWBが対応しつつ、奪ったらその裏をそのまま突いてやればいい。相手のWBが引いている3バックの場合はこちらと同じような形になりやすい。3322のワンボランチなら、WBとボランチの間をシャドーが使いやすい。中央のスルーパスが有効になる。

問題はミラーに近い形。3バック+WB+Wボランチだとお互いに攻め手にかける。中央に人が集まるしそこを突破するのが難しい。CBとWBの間をシャドーが切り崩すのが良いがそのためには左右に大きくボールを動かしてWボランチとWBとの間を広くしておくことが必要になる。WBとCBのパスで素早く逆サイドのWBまでつなぐ。もしくはWB間でのサイドチェンジを素早く行う。間隔が出来たらシャドーがそこで受けたりドリブルで突破する。ボールを大きく動かさないと中央は割れない。

磐田は守備をベースにしているから負けないサッカーをしているが、勝ち切るサッカーにはなっていない。引き分けによる勝ち点1の価値は上位では重要になる。勝ち切ることが出来れば本当の上位、優勝を狙えるチームになる。先制点が取れると相手は前がかりにならざるを得なくなる。それだけカウンターが入りやすくなる。セットプレーでの先制点はそれだけ重要になる。カウンターでもセットプレーでも先制点が入ることが大事だ。得点する為には守備をどれだけ分散させることができるか。同時に薄くなった場所に最速の攻撃を最短でかけられること。CB、GKから両WBへの素早いパス、サイドチェンジで相手の守備をできる限りサイドに釘付けにする。中央を開かせるために必要となる。その開いた中央に両サイドから切り込む。ピッチをダイアゴナルに使う。後方での速くて長く正確なパスが必要。中央が開いてくればスルーパスを入れる。

磐田対策の3バックをどう攻略するか。中央攻撃の厚さに対抗して3バック。1トップでもそれ以上に中央を守らなければならないので2CBの4バックではなく3CBの3バックという選択なのだろう。それだけ磐田の中央攻撃の効果が高いということ。磐田のカウンター対策でもある。相手の3バックをどうかいくぐるのか。裏狙いのパスを誰が出すか。どこにひきつけるか。3バックにするということはサイドが1人になるのでそのWBをどうするか。WBがどこにいるか。攻撃的か守備的か。ボランチとWBの間隔は広いか狭いか。

WBが高い位置ならば3バックの弱点であるボランチ、CBのサイドのスペースを使う。WBが低くボランチが1人ならばボランチの両サイドのスペースを使う。WBが低くWボランチなら両WBへ展開して中央から切り離す。その上でWBとボランチのスペース、CBのサイドのスペースを使う。

3バック相手にはできる限りサイドのスペースを狙うことなのでWBが高い位置なら第一の選択肢として狙う。低い位置ならバイタルからCBのサイドを狙う。バイタルを空けさせるためにも一度サイドに起点を作ってWBをサイドに張らせて中央との間隔を開かせる。

シャドーの動きが攻撃の重要度を増す。2CBの4バックの場合ならカウンタータイプのアダイウトンでもいいが、3CBの場合は中央が密集するので機動性のあるタイプのシャドーを入れた方がいい。ゴールに向かわずにスペースを生かして反対に開いてから逆サイドを使うというのもあり。この時は死角を使いこなすタイプのシャドーが良い。いずれにしても対3バックようのシャドーは必要かもしれない。

ガンバ戦

相手のラフプレーや微妙な判定もあったようだが、きっちりと守り切って中村のFKから大井、アダイウトンの2発で完封勝ち。順位を一つ上げた。ここから上はかなり厳しくなる。中位下位との闘いでの取りこぼしは許されない。

守備ラインとGKとのスペースの調整が出来ているようで穴がかなり無くなっているようだ。トラップが機能しているのはボールホルダーへのチェック、ラインコントロール、GKの飛び出すスペースのすべてが管理されているということ。どれか一つでも手を抜けばトラップはかからずにピンチになる。

堅い守備をベースにして攻撃はカウンターとセットプレー。無理にボールを持たず、相手を待って最大の攻撃をかけるカウンターと、相手の守備が堅くてもこじ開けるセットプレー。相手としては攻めればカウンターが怖く、守ればセットプレーでこじ開けられる。磐田は厄介な相手とみられるだろう。中央攻撃を防ぐために中央を絞れば、WBと外に開いた中村が自由にボールを上げてくる。逆に外を警戒すれば中央の縦パスがゴール前に入ってくる。どのシーンにおいても相手に脅威を与えてプレーの質を落とさせている。中央支配によるボールの出し所の限定、裏スペースをトラップで抑える、この2点で相手はサイドで持たされるだけとなり、サイドの安全なエリアでボールを奪ってからスペースのある中央を最短で攻撃する。攻撃スピードの速さは相手の守備の立て直しを許さない。

中央重視の守備と攻撃はサイドをより活性化させる。中央を重視しているからこそ相手の守備は中央によりサイドの中村がより活きてくる。あくまで第一選択肢は中央攻撃。正面からの攻撃は2次的な面での優位性が高くなるから重要。セカンドボールの奪取、FK、PKの奪取、カウンターへの対応と中央を制圧することでゲームの大半の部分は優位に立つことができる。中央を避けてサイドで攻撃するのはあくまで次善の策であって、それを第一にすることは間違い。しかもSBを使ってまでこ縦の突破を仕掛けるのはリスクとリターンが合わない。柏の攻撃のようにトップがサイドに大きく開いて待っている状態で大きなサイドチェンジや中央からワイドへのロングパスなどから、一気にスペースを生かして単騎で攻撃するというのはかなり良い。人の集まり過ぎたサイドでのパスサッカーは余りよくない。ゴールに直接はつながらないからだ。ガンバ戦でも同じで、集団での詰まったサイド攻撃をしても直接得点にはならない。CKを取れることが大事。これは中村がいるため。流れからの得点を狙うなら常に守備をどう薄くするかを考えるべき。それが最大の攻撃になる。

アタッカーはできるだけ守備のズレを作るように囮役として攻撃する。守備の薄くなった場所をフィニッシャーが使って得点する。これが攻撃の基本。守備とは戦わない。守備を騙すことが最大の攻撃になる。守備の欲しがる位置のボールを楔で入れておき、食いついたら戻す。それによって生まれる人数差やスペースを生かして得点する。

サイドに攻め込み過ぎることは守備ラインを下げることになる。守備ラインを上げさせておいて裏を狙うべき。その時はサイド、逆サイドを有効利用することだ。ボールサイドに守備を引き付けて釣り出す。その上で背後となる逆サイドに走り込んでゴールを決める。ダイアゴナルに使うことだ。
そのためにはトップ、シャドー、WBの5人の布陣が必要。WBがシャドー、トップに斜めから入れ、楔のパスの後、WBは逆サイドのシャドー、WBの上がりに大してクロスを上げる。ニアサイドを囮にして逆サイドの本命を使う。相手の守備は常に目の前のボールに集中する。ボールサイドは囮に使い、最大の攻撃は守備の薄い逆サイドへのロングボールのクロス。そこにダイアゴナルに走り込むシャドー、WBがシュートを狙う。トップはそのこぼれ球を狙う。常に2段3段構えでの攻撃を想定すること。攻撃の厚みを絶やさないこと。

WBをセンターライン付近に置くことでボールをサイドに逃がすことと同時にサイドに陽動をかけて守備を寄せて逆サイドを空けさせる。ボールサイドの仕事は直接攻撃することだけではない。磐田は左WBの宮崎と右シャドーの中村がボールを上げられるのでサイドチェンジもやりやすいしサイドからの放り込みもしやすい。両サイドにパサークロッサーを置くことで両サイドのスペースを生かして放り込みやすい。サイドに人数を置いていないのでその分スペースもある。そのスペースがクロスを入れやすくする。

シャドーのタイプを変えればもうちょっと中央での戦いも変わってくると思う。中央突破できるシャドーや裏への動きが速いシャドーとか。今はカウンターとセットプレー用でシャドータイプがいないから使ってる感じもする。本来2列目が飽和してたはずなんだが、サイド突破型ばかりで中央突破型や本当にシャドーで死角から攻めるようなタイプがいない。ドリブル突破型と忍者型の2シャドーになれば中央の攻撃力はもっと上がるはず。しかしそういうタイプがいないのが現状か。

2017年8月10日木曜日

ステルス攻撃

守備はボールのある場所=攻撃とみなすわけだが、パスの出し手と受け手がいるように、ボールを持っているアタッカー、パサーと受け手のフィニッシャーとではどちらが脅威か。ここが守備のリスク管理である。ボールを持ったアタッカーが直接ゴールに迫る地点にいるならばこれは高い脅威になるが、サイドの深い場所にいるなら低い脅威とみなす。つまりボールを持たせておきつつチェックして最短のパスコースシュートコースは潰すして守備をする。

中央攻撃メインの磐田では攻撃が単調になり中央守備だけで防ぎきれる可能性が高い。中央ドリブルはそれを突破するための手段の一つだが、もう一つステルス攻撃がある。相手の守備がボールに注目して警戒している間にフィニッシャーがゴール前に現れて突然ゴールする。

去年の試合だとトップ下の小林がSHと連携してサイドに起点を作る。その間に逆サイドのSBが後方からゴール前まで全力疾走して上がる。相手守備陣はボールを警戒して逆サイドの深い場所から上がってくる選手をケアしていない。ゴール逆サイドまで上がったところでクロスを上げる。相手は死角に伏兵がいきなり現れた状態。守備はケアしていないので簡単にゴールが決まる。

相手の守備をかわすにはボールに注目させつつ、フィニッシャーが死角にいること。トップの
川又には常にCBが付くのでそれ以外の守備のつきにくい選手が逆サイドに消えているのが良い。

現在の布陣の場合なら、WBの宮崎からシャドーの中村にサイドチェンジのロングパス。中村は開いてサイドで受ける。中村がサイドの起点として溜めながらWBの宮崎がサイドを上がる。中村はWB、ボランチとショートパスを交換しながら宮崎の上がりを待つ。中村はニア狙いを匂わせるショートパスを出しつつ、上がった宮崎にクロス。宮崎が空いているファーサイドにボレーを決める。逆に中村から宮崎にサイドチェンジしつつ、櫻内が中村をオーバーラップして死角に上がる。宮崎がシャドー、ボランチを使ってニア狙い。櫻内が逆サイドに上がったらクロス。

ステルス攻撃の基本はボールを囮として使うこと。その為にはサイドに相手の注意をひかせながら、逆サイドのマークされていない選手が死角を使って上がる。この間にボールの持ち手は自分が脅威であることを相手の守備に知らせる必要がある。その為に周囲とパス交換して守備の警戒を自分に向かせることと、上がりきるまでの時間を稼ぐ。両サイドの広さを生かした攻撃。しかしこれは相手の注意が広くある場合には使えない。ボールがゴールに迫るような脅威であると演出する必要がある。

中央攻撃以外の選択肢としてのサイドを使ったステルス攻撃。ボールサイドの攻撃を脅威をして見せつつ、逆サイドでフィニッシュする。
WBからニアのシャドー、ボランチを使いつつ、逆サイドのシャドー、ボランチ、WBがゴールファーの死角に入り込んでクロスを押し込む。

中央攻撃を徹底しているからこそ相手の守備が中央に集まりサイドが空くので、相手の注意が中央にしか向いていないような時に虚を突いてサイド攻撃を使う。中央攻撃という実とサイド攻撃という虚を織り交ぜる。WBの櫻内はボールの落下地点の察知や対応などが上手いので櫻内をステルスに使うといいかもしれない。逆サイドPA外辺りまで上がることが出来れば十分ゴールの可能性はある。足の速いWB、CB、ボランチが一気に上がるというのもいい。

中央攻撃のサポートしてのサイド攻撃は相手の守備が中央に集まった隙をうまく使う攻撃。相手が餌に釣られてくれれば逆サイドをうまく使える。逆サイドのシャドーがサイドに消えているのもありえる。一度プレーエリアを動かしてフィニッシャーがエリア外にいて警戒されないようにするのが重要。警戒されている選手ではフィニッシュ前に相手が感づく。相手に警戒されないポジションや選手を使うといい。

マナブに学べ

仙台戦は敵地で引き分けで連敗なし。勝ち点1をもぎ取った。5バックドン引きの相手に対しての攻撃をどうするか。これが課題として残った。

磐田はドリブル数最下位。理由はドリブルによるサイド攻撃を捨て、中央カウンターに特化したことで最低数のドリブルで勝利を手に入れているからである。ドリブル数が高いからといって勝利するわけではない。

サイドにおけるドリブルはゲームに何ら影響しない。逆にゴール正面でのドリブルはゲームに直結する。下位に取りこぼしのある磐田にとって、5バックで引いた相手をどのように崩してゴールするかは大きな課題の一つ。カウンター主体の攻撃だけではなく、どうやって厚い守備を崩すのか。

ドリブルの価値はどれだけ相手の守備を引き付けるかにある。守備を突破できることではなく、囮としてどれだけ活躍できるかである。もちろん相手の守備の質が悪く突破できたのならこれに越したことはないが、守備が統率されているのが現代サッカーである。

横浜の斎藤学はドリブルの名手なので彼の動きやそれに連携する攻撃を取り入れるべきである。まずはドリブルする位置。サイドではなくインサイドからセンター、逆インサイドまで。サイドを縦に突破するドリブルには何の価値もない。そこに脅威はない。重要なのはゴール正面にある厚い守備をどのように崩すのか。その為の手段としてドリブルによって相手の守備を引き付けるという選択肢を選ぶことだ。中央でのドリブルの利点はドリブラーが守備に強引に止められればゴール正面でFK、PKを得られる可能性がある。ペナルティーエリア内でのドリブルは効果的だし、その前のエリアでも同じ。ただしサイドでは意味がない。次にバイタルで横に動くドリブルでは守備が横にズレるのでボランチから見た場合にゴールへのシュートコースが空くということである。ボランチのミドルシュートが決まる可能性がある。もしくは空いたコース、スペースへの走り込みへの縦パスでより近い場所からのシュートも選択できる。防がれたとしても。トップ、シャドーがPA内に残り押し込む。

このように中央でのドリブルでゴール前の守備をかき回して空いたコースを狙う中央攻撃は3421の布陣とシナジーがある。トップ、シャドーがバイタルで暴れることでボランチの攻撃参加が可能になる。FK、PKが取れれば中村や数多くいるキッカーの出番になる。

ドリブラーは中央でこそ活躍する。アダイウトンもサイドでは全く活躍できなかったが、中央
カウンターに絞ってからは活躍で来ている。アダイウトンの場合は1対1かつスペースのある場合に活きるドリブラーだからである。5バック+Wボランチのような狭いスペースの場合は背が低いが対人に強く切り替えしの速いタイプのドリブラーが使える。松浦はそのタイプなので松浦をシャドーとして中央で暴れさせるのは一つの案だ。それにムサエフのミドルシュート、川辺の走り込みによる攻撃と、川又のフィニッシュがあれば中央の厚みを最大限に活かした攻撃になる。

ドリブルは縦の突破だけではなく、横に動くことで守備を引き付ける効果がある。これによりボランチからのシュートパス走り込みコースを作ることが一つ目。ゴール正面でFK、PKをもらうことが二つ目。これが重要な役割である。

もしこれでさらに中央の守備が堅くなったのなら、相手はサイドの守備を中央に絞ってきたことになる。すると、WBからの放り込みがやりやすくなる。あえて押し込まずに相手の守備全体を前に出させながらWBから裏のスペースを狙う。この時にシャドーが開いてサイドで受けると相手の守備をサイドにおびき出せる。その分中央の守備が薄くなる。

攻撃の基本はどうボールを回すのか、ではなく、どう守備を動かして薄くするか。である。その結果がボール回しになるに過ぎない。守備を薄くするにはパスよりもドリブルの方が効果が高い。サイドより中央がより効果が高い。相手の守備が厚いからこそ中央でドリブルをして守備をさらに狭い範囲に集める。これによりわずかにコースが生まれる。それを徹底的に使う。

5バックはじゃんけんのパーで広く守備をしている。攻撃は集中して特化する方が効果がある。広く守備するなら攻撃は集中して、集中して守備をするなら攻撃は広く。相手の守備と逆のことをすることで相手の守備の狙いをボカす。攻撃は常に守備の狙いの裏を突くことだ。

中央で暴れることのできるドリブラーの起用とその周りでシュートを打てる選手、サポートできる選手、フィニッシュを決める選手を使うこと。中央カウンターの基本戦術をそのままにしつつ、守備の厚いチームに対するポゼッションでの攻撃パターンも中央攻撃。それは基本中の基本。中央攻撃こそが最短でありもっとも有利だからだ。中央を制したものが勝つ。

下位チームに対する取りこぼしを無くしたら死角はかなり少なくなる。上位を狙うには下位の守備チーム対策。攻撃を貫き通せることが大事。シャドーの起用が重要になる。WBもやや前、内側に絞ってボランチと共にシャドーを囲むようにしてカバーすること。裏を警戒しつつも中央攻撃のサポートをするように。ボランチは攻撃の核。シャドーのドリブルに連携してミドルシュート、スペースへの走り込みとシュートなどを狙う。トップはこぼれ球の押し込みとスルーパスの反転シュート。

中央攻撃の厚みが相手の守備の厚みより強くなければダメだ。いくらパスしてもそれで守備陣形は簡単には崩れない。中央のドリブルで崩してシュートを狙う。この連続。ファールでないと止められないくらいまで。そうなればFK、PKに繋がる。外でパスを回すだけではなんの脅威にもならない。脅威とはゴールに直結する動きだ。それは中央攻撃。

どれだけ中央攻撃のバリエーションを増やせるか。それが勝利に直結する。攻撃は中央。中央を支配したものが勝つ。

2017年8月8日火曜日

名波の視点

前節広島戦は3421のミラーマッチであったわけだが、相手ボランチの青山を自由にしてパトリックへのコースを全く防ぐことが出来なかった。

次節仙台も3421でミラーになるわけだが、名波は前節の負けを嫌って4231にするようだ。

しかし、4231で3421に有利になるか?というと逆に不利になる可能性が高い。


3421ミラーの場合、中央ラインはマッチアップ、サイドはお互いにフリーになるのでサイドが陽動したりサイドからの放り込みができやすい状態にあった。
3421に対して4231だとほとんどマッチアップ状態になり、フリーなのは3421側だと左右CBとボランチ、4231だと両SB+CB。ここで重要なのはお互いに1トップに対して2CBをつけるとすると、3421側では3バックなので左右どちらかのCBのみフリー+ボランチ。4231だと両CBがつくのでSBのみフリー。3421側は司令塔のボランチがフリーとなるが4231側はSBのみがフリーとなってしまう。SBはそもそもマッチアップしにくいポジションで脅威とはならない。一方でボランチは最重要ポジションであり、そこがフリーになるのは非常に危険なことになる。

名波としては3421に対して4231で1対1のマッチアップを増やして前からディフェンスをして両WBを後方に押し込めておきたいということなのだと思う。例えこの戦術が上手くいったとして、そもそも3421で重要なのは中央であってサイドではない。むしろWBがサイド後方に押し込められるのは守備的には何の問題にもならない。むしろWBが突出して前に出た時の3バックの両サイドのスペースのケアが無くなるために守備に大きな穴が開くことの方が危険なのである。そしてマッチアップからはずれたボランチが自由になるため中央でボールを運びやすくなる。4231だとサイドに4人がいるので中央では2人足りなくなる。相手は2人多い状態でさらにボランチがフリーとなり中央攻撃が有利になる。4バックでは2CBで中央が薄い。

もし4231の2列目が中央に絞ってWボランチに3人で潰しに行くと両WBが上がることになる。しかしボールの出し手であるボランチを抑える上にフリーのSBが対応するので穴はなくなる。しかし2列目がWBを押し込めようとワイドにポジションを取るなら、ボランチがフリーになり中央でシャドーやトップへとスルーパスを入れやすくなる。ここをどのように防ぐのか。トップ下1人でWボランチの両方を見ることはできない。守備時に0トップにしてトップが一つ下がってWボランチにマッチアップする形を作らないとボールを自由に回されてしまう。

相手のフリーのボランチは4231の弱点のWボランチの脇を突いてくることになる。相手の2シャドーに対してのスルーパスを中央で入れてしまうと1トップへもつながってしまう。2CBとなる4バックだと中央突破が弱点。4231だと2列目のSHの位置取りが悪いと簡単に崩されてしまう。ワイドに開くとトップ下は孤立する。ワイドに開かずに3センターの形で中央を制圧した方が良い。相手WボランチとWBに対して絞ったSHとSBがマッチアップするので攻撃の構築を阻害できる。

前節広島戦のミラーはシャドーの守備が出来ていないためにボランチの青山が自由にパスを出せたことが大きい。そしてWボランチの守備力がなかったこと。対人への強さがなければ外国人選手の中央へのドリブルを止めることはできない。去年の宮崎、上田をボランチにした時に何度も見た光景だ。その為にムサエフを取ったわけだし、藤田、櫻内のように対人に強いタイプをボランチに置くのは絶対条件であってそれができなかった前節の起用に問題があった。それを布陣の偏向でどうにかしようというのは無理な話だ。少なくとも4231では3421の中央攻撃を止める所かサイドに分かれすぎで守備できない。

4231で守備するなら、3CBか4CBの形で左右の守備を少なくすること。SHがWBに対してマッチアップし、中央攻撃に対してはSBが中央に絞ってサポートする必要がある。もしくはSHが絞ってWボランチを抑えつつSBがWBとマッチアップする。

攻撃に関してはSBとSHを使ったロングパス、サイドチェンジを多用して相手の中央守備を左右に引き裂く必要がある。SBはSHをオーバーラップするより、SHとトップ下、ボランチとの間にカットインした方が効果的。オーバーラップを使うならSHが中に絞って相手の守備を中央に押し付けないと意味がない。安全なサイドでクロスを上げるためにSHが絞ってSBがオーバーラップからクロスとなるが、相手の守備は中央に固まっているのでむしろ中で弾かれることになる。
SHが十分にワイドに開いて守備をサイドに引き出しておくなら、割れたインサイドにSBがカットインして入ることで中央のトップ、トップ下、ボランチへのショートパスを入れることで守備の縦のギャップを使うこともできるし、サイドに引きはがしているので薄い守備になりこちらの中央攻撃が有利になる。

攻撃時は相手の守備をできる限りサイドいっぱいまで引き出して守備を薄くすることが重要になる。守備ラインを長くすることで守備の間隔を広げることで縦のパスが通りやすくなるからだ。サイドからのクロスはSHが外に開いてSBがカットインしてインサイドに守備を引き付けた時にSHから中央に上げるのが良い。4の字パスでまずSBのカットインで縦に、そこから斜め後ろのSHに渡り、SHから中央へとクロスが上がる。4の字パスは相手を動かしつつこちらの攻撃を通す為に必須。

4231の両SHを絞ってWボランチに対して3人で抑えると相手は両WBを上げて余ったCBからボールをWBにいれようとする。このパスの精度と長さを考えると、余ったボランチの方が脅威であり、CBからのWBへのロングボールはむしろ低強度となり、SBがマッチアップしつつ、SHやボランチが長いパスをインターセプトする方がカウンターの起点になるので良い。

守備で重要なのは最短かつゴールを広く狙える中央をまず防ぐことであり、サイドはあくまで陽動である。中央攻撃こそが重要。ファールをもらえばゴール正面でのFK、PKをもらえるが、サイド攻撃ではゴールが狭くなる角度でしかFKはもらえない。同じように3421に対してはどれだけ中央攻撃を防いでサイド攻撃させつつカウンターするかが重要になる。WB1枚のサイド攻撃は諸刃の剣だからだ。その為にはSHを張ってWBを押し付けるより、ボランチを潰しつつWBを上げさせて弱点をさらけ出させる。その上でWBをSBで潰して弱点の3バックのサイドをカウンターで狙うべきだ。名波にはこの視点があるのかどうか。単純に前節広島戦のミラーマッチでの中央での負けに対して押し込んで守るというポゼッション的な考えで4231を選んだなら両SHをサイドに張ってWBをくぎ付けにしてサイド攻撃するが全く決まらない。中村のFKの回数が増えるだけという戦術を取るだろう。今までの名波の判断からするとこのパターンになる可能性が高く連敗の可能性が高い。

名波は麻薬のように危険だ。既に首にできないだろう。だからこそ磐田が上位定着するためには名波の経験や判断の無さを修正する為に優秀なコーチスタッフ陣が必要になる。しかしながら最終決定者が名波である為にどれだけ良いお膳立てをしても名波の好みですべてが崩される可能性が非常に高い。名波ほど磐田を危険にさらす者はいない。現に去年のセカンドは2勝のみで降格してもおかしくなかった。その采配の酷さをフロントがムサエフを移籍させたことでようやく穴をふさいだくらいだ。名波が自分の能力の無さを自覚して自分から退陣することを認めなければいつまでもこの綱渡りを続けることになる。もっとまともな監督なら磐田はすぐに上位定着する。監督が名波である為にそれが非常に苦しいのだ。名波のこだわりが磐田の足枷になっていることを名波は全く自覚していない。

2017年8月5日土曜日

名波浩という時限爆弾

磐田にとって名波浩を監督として使い続けるのは高すぎるリスクだ。今日の広島戦を見ても名波に監督としての能力はまったくないことがわかる。それ以上に危険なのは名波がファンタジスタが活躍するチームを求めていること。つまり黄金期の磐田は自分の能力があったからこそ強かった。その焼き直しを作りたい。と望んでいること。名波はまったく理解していない。

ファンタジスタ一人でチームを劇的に強くすることは不可能。現代のチームによる守備戦術を前にしてファンタジスタ一人の能力で打開できる部分は決定的なものにはならない。名波が磐田の監督になって呼び寄せたのはレフティパサーであり、自分のコピーだった。自分は強い。その自分のコピーでチームを作れば絶対に強い。そう考えていた。しかし全く守備が出来ずに終わる。

ムサエフの加入によって守備が劇的に安定した。現役時代に服部や福西がいたおかげと同じ状況。今日の広島戦はそのムサエフがおらず、攻撃参加する川辺もいなかった。現在の磐田の核となる選手2人が欠場という場面で選んだのは守備の弱い上田。結果としてやりたかったサッカーは広島にやられたわけだ。これが名波の底の浅さ。

フロントやコーチが積み上げてきたものを名波は簡単に壊す。2016年後半2勝しかできなかった理由は名波自身にある。名波にはそもそも監督としての能力は全くない。モチベーターに過ぎない人間を担ぎ上げて監督にしてしまったことが磐田の悪い所だ。担ぎ上げた人間は首吊った方がいい。

広島の司令塔青山をケアできずパトリックとロペスを抑えられなかった。数人の選手を抑えられなかった結果だ。ボランチが守備をできず、シャドーも守備をしていなかった結果。今の磐田は決して上位にいることができないということが露呈した。サブが入っても同じ質を保つことができない。下位チームに逆転負けする。つまりベスト状態では上位を食えるが核となるボランチがいなければ下位に負ける程度まで下がる。つまり磐田の中央を攻略してしまえば怖くないという印象を与えてしまった。去年から宮崎上田とボランチに入れているがやはり守備が出来ずに中央を何度も突破されている。藤田は不倫問題があったが、藤田こそ今ボランチに必要な選手。選手起用できない時点で名波は監督としてやるべきことができなかった。磐田の弱点の中央をケアするための3バックでありダブルボランチであり2シャドーであるのに、それを全く理解していない。それが監督として采配を振るっているのである。

名波を使い続けることは磐田にとってのハイリスク以外の何物でもない。いくらフロントコーチが良い状態を作ってもそれを泥で上塗りする無能な働き者であることに変わりはない。名波は大学のコーチレベルからやり直すべきJ1上位に安定しているべきチームの監督のレベルではない。このツケは必ずやって来る。早く切ることが磐田にとって一番大事なことだ。選手起用も選手交代も全くダメ。自分の理想を求めるだけの無責任な人間に監督はできない。してはいけない。チームのすべての責任を負う覚悟と能力がある者が監督になるべき。名波はそれに値しない。早すぎる以前の問題。チームのレジェンドであるというのは全く関係ない。能力のないものが監督をやるべきではない。名波にはその覚悟も能力もない。

2017年8月3日木曜日

3バック運用の間違い

3バックにしながらWBを攻撃的に使うのは間違い。そもそも3バックの弱点はサイド攻撃。そのサイド攻撃を抑えるためにはWBで蓋をする必要がある。攻撃して弱点をむき出しにするのは最悪。攻撃されないためにWBを前に出して攻撃することで相手のサイド攻撃をさせない、という発想があるが、これは中央からSH、ウイングへの斜めのロングパス一本で覆される。つまり相手のサイド攻撃を潰すためにWBを攻撃に使って前に出すことは悪手だということ。

磐田が堅守速攻を高いレベルで出来ているのはWBを無理に攻撃に使っていないから。中央制圧力を生かして相手をサイド攻撃させつつ、そのサイドで相手の攻撃を潰している。相手の攻撃を制限してリスクを低くしたうえでサイドで奪い中央を攻撃として使っている。きちんとWBを定位置に置くことで強力なカウンターを生んでいる。カウンターが攻撃戦術として生かされている。3バックには必ずWBが必要になる。そして定位置のWBが守ることによってより強力な中央攻撃を生み出すことができる。

WBが定位置にいるので相手はサイド攻撃をするが、WBがいることでそれ以上の攻撃は不可能。つまり定位置のWBは相手をサイドに引き出すのに好都合ということ。こちらがカウンターに中央攻撃する時に邪魔なのは中央ポジションのボランチ。サイド攻撃を誘うことでポゼッションするボランチがサイド攻撃のカバーにサイドに寄る。これによって相手の守備はCBに限定される。WBの定位置は3バックの弱点を防ぎ、かつ相手の攻撃をサイドに誘うことでこちらのカウンターを通しやすくする効果がある。

無意味なWBのサイド攻撃は攻撃の効果以上に守備のマイナス要因の方が大きくなってしまう。3バック+WBの5人ラインであるからこそ。両翼までをしっかり守りつつ、縦パスを通す間隔をできる限りなくすことができる。3バックは中央に強力な壁を作るしWBがいることでサイドの守りのタイミングを遅らせて3バックのカバーがその後のリスクを最小限で防ぐことができる。両翼までの広い守備は攻め手の選択肢を少なくさせる。狭い間隔によって縦パスが入りにくくなる。3バックは4バックより連携が良くなりトラップのタイミングが高くなり最終ラインを上げることができる。トラップを有効に使えることでロングボールが入りにくくなる。3バック+WBの5人ラインは相手の攻撃の選択肢をかなり抑えることが出来ている。これにダブルボランチや中央4人ボックスが追加されるとショートパスの崩しが出来なくなる。こうして攻撃側の選択肢はどんどん狭くなる。

磐田の3421の布陣は守備戦術と共に攻撃戦術とも表裏一体となっている。守るだけの布陣ではなく、より高い攻撃を生むための守備戦術である。それがショートカウンターという攻撃戦術となっている。

ジュビロ2017システム

磐田のシステムは3421に落ち着いたようだ。
3412のツートップも名波はやっていたが、選手の方がバランスを考えて1トップ2シャドーの3421を要求したようだ。

以前から書いている通り、中村のトップ下では守備は安定しない。相手のダブルボランチに対して一人のトップ下では抑えることができないし、中村がポジションを離れるこで相手のボランチ、司令塔が自由になってしまう。

2シャドーの利点は相手のダブルボランチに対して1対1で対応できること。中央が4人のボックスになり中央の守備が堅くなること。その副作用として相手は中央突破をあきらめてサイドにボールを渡すが、そのサイドに対してもWB、ボランチ、シャドーの3人で囲むことができること。以上の利点がある。これが戦術にそのまま反映され、中盤の厚い布陣からのショートカウンターが基本戦術になっている。

布陣を分析すると、中央ラインの鉄壁さがうかがえる。まず中盤中央の4人ボックス。その後ろに3バック、さらにカミンスキーと中央ラインに数と質の両方をそろえている。しかもボックスの利点は中央を囲むだけでなく、サイドに対して壁を作ることができ、簡単にサイドチェンジさせない。サイドにWB一人かつ3バックの磐田ではサイドチェンジは大敵。サイドに追い込んだら確実にボールを奪取してカウンターにつなぐ必要がある。

2トップによるチェックはボールを押し込めるような気になるが、1シャドーなのでトップは深追いしてしまい、ダブルボランチにわたると1シャドーで対応できずに前に繋がれることになる。1トップだと左右をどちらかに動かすことだけに専念でき、その後はボールサイドのシャドーに受け渡すことになる。シャドーは中へのコースを切りながら外に運ばせる。WBが前を切りながら、ボランチシャドーが中を切ってコースを限定する。

中央ボックスの利点はパスコースのほとんどを切ることができる点にある。中へのパスを潰して中央を制圧できる。もし中へのパスが通っても3バックが中央をふさいでいるので2段構えで中央の守備は堅い。中央ラインとはゴールへの最短コースであり、ゴール正面は一番コースのある選択肢の広い攻撃側が有利な場所。それを中央ボックスと3バックで徹底的に潰し、直接コースのほぼない外でボールを奪うことでリスクコントロールをしている。

磐田がショートカウンターを選択している利点はロングカウンターでは終始押し込まれて守備に体力を使ってしまい攻撃するタイミングをつかめないことが多いからである。またジェイのように一人で得点できる選手が必要になる。また相手がピッチのほとんどを制圧してしまいコントロール下に置かれることでこちらのボール運びは限定される上にセカンドボールも制圧されてしまう。

ショートカウンターの利点はロングカウンターの弱点を補うことができる。ポゼッションでなくカウンターだが、フィールドはショートカウンター側が制圧している点が異なる。ボールを持たずにフィールド中央を制圧しているので相手はボールを持っても最短の正面を攻めることが困難になる。サイド攻撃に対してはWBとスライドした3バックが抑え、ロングボールにはコンパクトになっている最終ラインがトラップを仕掛けることで裏への攻撃を封じている。

そもそもカウンターは守備戦術ではなく、攻撃戦術であり、ポゼッションは守備戦術であって攻撃戦術ではない。それを理解しない限り磐田のショートカウンターによる堅守速攻の利点は理解できない。守備戦術は3421という布陣である。中央を徹底的に制圧することで相手の攻めをサイドに限定してリスクを減らしつつ、攻撃時には薄い守備の中央を攻め切ることによって高い得点を挙げている。サイド攻撃をさせることで中央の人数を減らし、それが守備の人数を減らすことにも貢献している。中央制圧の効果は相手の攻撃を左右のサイドに分断させること、それによって中央の守備は極限に薄くなる。磐田が攻撃する時には相手の守備は中央に数人いるだけであり、ほとんどはサイドに分かれている。磐田の攻撃は中央最短なのでサイドから斜めに走って守備に回るにはすでに遅いのである。

J2から上がったが4231の酷い布陣、レフティーばかりの守備のできないメンバー。そうした名波の思い込みの酷さがあったが、ようやくそれを捨てて改善できた。弱い部分に対してしっかりと対策を立てることで強固な守備と攻撃の厚みを手に入れることが出来た。やっと土台が出来て来た。今年の最終順位が上位であることと、来年以降今のスタイルに対するメタが出て来た時にどこまで対応できるか。また川辺の完全移籍ができるのか、それとも川辺を戻して川辺に変わる誰かを入れることが出来るのか。この辺りは非常に重要な部分。今の磐田躍進には川辺の存在が大きい。ボランチ=守備的ミッドフィールダーではない、ほぼセンターハーフに近いタイプの選手。藤田俊哉のような攻撃性を持っているいい選手である。周りが良く見えているし、流れからのタイミングを測ることのできる能力がある。

3421は広島のWBを上げたスタイルが強かったが、磐田の運用スタイルは広島とはまた違ったスタイルで出来上がっている。かなり強い布陣に仕上がっているので後半これからの上位争いが非常に楽しみ。松井が移籍して枠も余っているのでそれをどう生かすか。

磐田の3421ショートカウンターのメタになりそうなのは442。SBから大きく上がったSHへのピンポイントでのロングボールがトラップにかからずにあげられること、SH同士やSBから逆SHへの鋭いサイドチェンジができること、サイドをパスで縦に使いながら中央の守備を広げてギャップを作るようなパス回しができるかどうか。今のJリーグのパス主体チームはほとんどショートパスがメインでロングパスを回せるようなチームは少ないだろうから大丈夫かな。442で2トップがウィングとして開いてSBからの縦のロングパス、逆SHからのサイドチェンジを受けつつ、後ろのSHが斜めにゴール前に走り込んできてシュート。この攻撃だと磐田の布陣では防ぎきれないかもしれない。サイドに3人置きつつ、磐田の中の守備をサイドに開かせておいて斜めに切り込む。逆サイドのSHの切り込みもあり得る。むしろ死角を考えるとそちらが本命になりうる。

磐田の守備が深追いするかしないかで変わってくる。少なくともサイドで縦のパスが通るなら最終ラインを下げさせて押し込める形にすることは可能になる。磐田としてはサイドの突破をいかに潰して通させないかが重要になる。3421の利点としては中央に人数もいるが3バック+WBの5人のラインとWB+ダブルボランチの4人のラインがあること。5人のラインは間隔が狭いのでカバーがしやすくパスを通しにくい。また4人ラインで前でチェックしつつ、3バックのスライド+逆WBの下がりによる4バック化で34が43に変化する。サイドを限定していない場合は前でサイドを抑えられる34にしつつ、サイドが限定されたらそのサイドをきっちり守れるように43に移行して一方のサイドを抑えつつ中央の人数も減らさない。非常に計算されている。

2017年6月21日水曜日

新生ジュビロ2017

久しぶりにジュビロの戦術について書いてみる。

去年2016年の陣形は4231ワイドで後半戦はほとんど負け。
今年2017年は3421、3412で上位陣に対して完封、3~4得点とかなりの戦果を挙げている。

まず、去年はポゼッション、サイドアタックが戦術の基礎にあった。
今年はカウンター、センターアタックとなっている。

ポゼッションもカウンターもよく間違われるが、

・ポゼッションは守備戦術
・カウンターは攻撃戦術

である。

ポゼッションはボールを保持する時間を長くすることによって相手の攻撃の時間を少なくする守備戦術。
カウンターは守備陣形を整え、相手が前がかりになり手薄になった守備の裏を突く攻撃戦術。

この基本がわかっていないとやっていることのチグハグさがわからない。

去年のチグハグさはポゼッション、サイドアタックでの攻撃サッカーという意味不明だったから。
今年はショートカウンターセンターアタックによって堅守速攻というシンプルでわかりやすい動きになった。


まず新生ジュビロがどのように改善されたかを辿ってみる。
大井、カミンスキーの加入によって守備陣が非常に強固になった。
カミンスキーはジュビロのGKの中で最高の能力を持った選手。
スカウトはよく連れて来た。
国内のGKの能力に比べると格段に高い。
判断力、瞬発力、フィードの正確さが高い。

アダイウトンは1対1に強いがスペースのない場所では活きない。
連携の弱さなどがあった。
陣形ポジションの問題もあって今年になってから良い形になり始めた。

ジェイは能力も高く良いフォワードだった。
得点能力の高さが物語っている。

ムサエフの加入によって問題点だったボランチが収まった。
ボランチ、CB、GKの中央ラインが堅固になり、守備レベルも格段に上がった。

川辺はムサエフの加入によってさらに良くなった。
ムサエフも川辺も守備的なだけのボランチではなく、チャンスには前に出て得点に絡む動きができる。
パサータイプのボランチではなく、ミドルシュートや時にはゴール前まで押し込む攻撃的な動きもできる。
ムサエフと川辺は攻守のバランス感覚がとてもいい。
基本は守備で中央の穴を空けずにしっかりと鍵をかけている。
奪ってからは縦への意識が非常に高く、パス一本で川又やアダイウトンを狙っている。
また、守備時に常にインターセプトを狙う良い感覚を持ち始めている。
守備=攻撃の起点、という感覚だ。
田中誠が守備コーチとして加入したことによって守備レベルは格段に上がっている。

陣形は4231でサイドに4人のサイド重視が3421、3412のサイド2人に変更して中央メインに。
サイドに4人、しかも縦に離れて並んだ状態を去年は生かせなかった。ピッチを広く使ってボールを回すスタイルが合うはずだが、サイドを縦に突破するスタイルを選択したために縦並びは前が詰まって意味がない。中央は守備が薄くなり、対人に弱いパサー、スペースを生めるタイプのボランチ起用で中央を突破されることが多かった。今年はボランチを対人に強いムサエフにしたことで強固になった。中央重視はセカンドボールの取り合いでも有利になる。サイド重視だと人数の少ない中央でのセカンドボールの取り合いで負けてしまう。中央に人が集まっているので前後に動くセカンドボールを取りやすくなる。

3バックにより3CB+2ボランチで中央を堅くした。3バックの弱点のサイドはWBを置くことで穴を空けないようにしている。WBが縦に突破しようとしすぎると穴が開くので3バックが広くカバー。その分をボランチがやや下がり気味になり最終ラインの穴を埋める。3CB+WBの横のラインで広い守備ランを作り、縦に攻めるボランチとトップの中央攻撃によって攻守が効率的になっている。攻撃時は後衛の広さを生かしてサイドチェンジすることで相手の守備を中央から左右に広げ、攻撃陣の中央攻撃をサポートする。

カウンター戦術にしたことによって失点が減り、負けが減ったことで引き分けによる勝ち点アップにつながっている。また攻撃がシンプルなので選手のアイデアという他人任せで意思統一の難しくなる選択肢の多くなる方法をやめた。川又、アダイウトンのどちらかを生かす、スペースへの縦パスによってスピードを生かす、という具体的な選択肢を作ることができた。それをベースにしてボランチ、WBの押し上げるサポートによって攻撃の厚みを作る。

中央攻撃が有効なのは相手の守備が激しくなるほど相手のファールが多くなる。つまり中央ゴール前でFKを得られる。これによって中村のFKが得点しやすい位置で得ることができる。サイド攻撃の場合、FKもサイドに偏るため有効な選択肢となるコースが極端に少なくなる。


去年の名波は自分のコピー、レフティーパサーを集めたが結局守備の要のボランチが全く機能せず、中央を割られて負けるケースが多かった。サイド4人にした上に守備の弱いボランチを選択したためだ。去年の弱かった部分を着実に埋めてきた成果が最近出始めて来た。

現在のところ中位圏を維持できているので、1シーズン制の今年はこの状況を維持しつつ、下位に対する取りこぼしをなくすことが重要になる。上位を食えるような時もあるので、下位に対する戦い方をどうするかが問題となる。

下位のカウンター戦術に対する対策をどのようにしていくのかが問題になる。解決策としてはボールを大きく回すことになるかもしれない。つまり4231ワイドかつ、ワイド、SBにパサータイプを置くとこ。正確なサイドチェンジとサイドの縦のロングパスでピッチを広く使い、相手の守備を引き出す必要がある。守備の網がゆるくなれば1対1の個人の能力になる。3421、3412ではツートップ、ツーシャドーが左右に開いた形で、WBからの縦パスを受ける。開いた中央をトップ下、ボランチが入って中央攻撃する。もしくは、CBが開き、左右のCBから縦に移動したWBへの縦パス。四隅のスペースを使ってボールを広く回すことで引きこもった守備を広げることが必要になる。