2025年4月19日土曜日

技術を活かす知性

テクニックをベースとしたチームを現在のフィジカルベースの時代に強いチームにできるのかどうか

1つは技術は技術だけでは弱い、技術が活きる状況を先読みして生み出す必要がある、その為にはサッカー脳、知性をどれだけ生かせられるかが重要になる

例えば1v1の状況で強度不足が問題になるなら1v1でない状況をチームで生み出す、必ず2v1や3v1になるように最短で移動、常に状況を確認し、相手のパスコースを潰す、もしくは限定して奪いやすいコースのみ残す、などわなを仕掛ける

強度はあくまで1v1での勝負の質で重要になるが、数の勝負、連携、全体に対しては個は埋没してしまう、つまりフォーメーションやポジションを最適化し、常に面で圧倒する、という思考を持つ必要がある

局所に人数をかけるのでもちろんその網から抜けた場合はピンチになるのでしっかりと網にかけて奪う、もしくは網の粒度をコントロールして奪われない位置を取る、という位置と連携をキープする

どれだけ個の質が強くてもボールより早くは走れない、だからポジショニングやパスの精度、スピードがより重要になる、フィジカルサッカーが面白くない、ファンタジスタが死ぬ、というのなら、チーム全体のスキル、テクニック、インテリジェンスをリーグトップにしなければならない

それができるトレーニングメニューを組めるのか、というのが最大の問題、知性が高くテクニックもある選手を選抜、移籍させられるか、フィジカルに対してどれだけ知性と技術で対抗できるのか

現在は既にフィジカルだけでなくフィジカルの密集を利用した戦術で局面打破やゾーン、エリアを限定した強度重視の奪い合い、というのが標準化されてきている、この状況で常にボールを広く回せる技術やスペースをどこに作るか、どう作るか、どう利用するか、2手3手先までチーム全員が共通理解できるメソッド、トレーニングを構築できるか、という問題になる

多分これは非常に難しい挑戦だと思う、なので今はフィジカル重視の時代に沿っていくとしても、チームの戦略としてテクニックを重視したいのなら同時に高い知性、戦術眼、フィールド全体を認識できる選手のみを採用しなければいけなくなる、たった一人の個の技術だけでどうにかできる時代ではない、逆にチームの中で自分の知性と技術がどう生かせるかを考えないといけない

もちろんポジションを取り直す走力は必要になるし相手をかわす技術、騙す技術、など多くの能力があればあるほど良い

チェスでキングは全ての方向に動けるがたった1マスしか移動できない、近い場所だけは最強だが距離が離れれば最弱でもある

逆にクイーンは最強のエース、キングと同じく1つしかない駒であり全ての方向に長距離移動できる、だから最強、サッカーでは正確なロングパスをどの方向にも出すことができ、同時にスタミナと知性があるので先読みしたポジショニングで広いエリアをカバーできる、という感じ、キングのように裸の王様になるか、クイーンのように最強の駒になるか、ただ棒立ちでパスを出すパス出し地蔵の時代はとっくに終わっている

パスを活かすならカバーシャドーを活かして背後を1人消し、目の前の2人の中間ポジションで2人同時にカバーできる、というようなポジショニングまでできる知性を持たないといけない、パスを出すだけでなく、パスをどれだけ消せるのか、というのはパスを出すのが上手いからこそできるはずの能力、そうでなければ、パスを出すところにやってこい、という裸の王様プレーで終わる

知性は技術が活きる場面を判断する能力、どの場面でどの技術が活きるのか、それが分からないとどんな時も同じことをして失敗する、はまった時は上手く行くがそうでない時は上手く行かない、これはギャンブルみたいなものに過ぎない、知性があればこの場面ではこちらの技術が活きるがこちらは合わない、という事を判断できる、だからこそフィールド全体を見る能力、ボールや選手全体の移動の先をイメージできる、これから狭くなる場所、広くなる場所を予測できる、その場所に近い選手は誰なのか、その選手がそのスペースに入るにはどういう角度からボールが入ると良いのか、など、今の状況を延長して未来の状態を予測してパスや移動の選択ができること、そしてそれが一人の選手ではなくチーム全体で同じ場面を共有できるかどうか

チーム全体の知性のレベルを高めることがチームの技術をよりフィットさせることにもなる

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