福岡に育成レンタルに出ていた藤原が戻り、そしてまた栃木に育成レンタルに出された
これはジュビロの「伝統的構造問題」とも言える重要課題の一つでもある
これが根深いのはジュビロユースからの生え抜きとして育ってきた選手がトップに入ると活躍出来なくなる問題、とも言える
この問題点の背景はジュビロが評価する指標として肉体的優位性より技術的優位性を評価しやすい、という部分が根底にある、そしてその評価が高かった選手がユースで活躍してトップに上がる、しかし肉体的優位性の低い選手は強度面で劣りトップ環境では耐えられない
特に近年のリーグ傾向の変化によって強度重視への転換がはかられており、トップリーグではまず肉体的優位性が重視される
もう一つの問題点はこの問題の延長にもなるが、中盤の王様を置く場所や、その補完をする為の選手の人数や配置、つまり選手のタスクやフォーメーション、の部分
中盤の王様、というといくつかタイプがあるが、ファンタジスタのようなテクニカルタイプと本田のようなフィジカルタイプもいる
まずボランチ=中盤の底、要、としての中盤の王様はフィジカルタイプ一択、まずバイタルの守備が完璧にできること、そもそものボランチはアルゼンチンのカルロス・ボランテのプレースタイルに起因する
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%AD%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%9C%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%81
つまりパサー、リンクマン、という意味の「舵」を意味するボランチは後付け
第一ボランチ、第二ボランチ、レジスタなど多くの呼び方があるが
第一ボランチはカルロス・ボランテと同じ「守備的MF」で守備重視のプレースタイル、読みと強度重視、読みが良ければパスをインターセプト、強度があれば力づくで奪い取る
第二ボランチは攻守に動ける汎用タイプ、スタミナがありBoxtoBoxで走れるセンタータイプ、機動性重視
レジスタは一番パサー、リンクマンに近いタイプ、ミドル、ロングパス、サイドチェンジ、スルーパスなど戦術的なパスを武器にするパスを軸にする
中盤の底と言ってもいくつもタイプがいる
一番問題なのはジュビロのフォーメーション選択
「Wボランチ」ということは、3種類の中から2種類しか選べない、ということでもある
ちなみに中村はレジスタタイプ、上原は第二ボランチタイプ、金子は第一ボランチタイプ、レオ・ゴメスは第一ボランチ、第二ボランチタイプ、藤原はレジスタタイプ
こうしてみるとジュビロが選択するのは常にレジスタや第二ボランチタイプが主流、これは「攻撃サッカー」の軸として考えられている為
どうしても「第一」ボランチである守備的MFが選ばれない
この為、守備のタスクとそのリスクが大幅にCBに投げられてしまうという問題がかなりの長期間に渡ってジュビロを苦しめてきた
これらの大きな問題はチームの戦略にも関わり、「守備でボールを奪えない」という問題がかなり大きい、この問題はチーム戦術にも大きく影響している
幸い、ハッチ監督は「ボール即奪還」=「ポゼッションの基盤」ということを理解している数少ない監督であり、守備の修正、長時間のボールポゼッションを許さない姿勢、ネガティブトランジッション時のボール奪還に対する強度を見せている、これらの成果としてジュビロがかなりのボールポゼッションと文字通りの攻撃的サッカーが出来ているのは監督の理解によるものだと考える
ジュビロの幹部がレジスタタイプをユースで重用するならトップでもレジスタを活かす為の戦術、フォーメーションを採用しなければならない、その問題点は強度不足であり、それをチーム全体で補わなければならなくなる、このねじれ現象をどう解決するのかはジュビロの考え方次第、あくまで技術を活かす、という立場を変えないのならそれを最大限に生かし勝ち切るサッカーをどう構築するのかを考えなければならない、それをしない、というのならば、ユースから上がってくる選手でも低いディビジョンに移籍していかざるを得ない、ということになる
育てたユースをトップチームで活かす戦略を取るのか、移籍させる戦略を取るのか、さてどうするのか
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