2024年12月10日火曜日

サッカー以前

サッカーと言う競技がどういうものなのかを球技の分類をしつつ考えてみる

まず攻撃権を意味する球を使用して2チームが勝負するのが球技の基本形

そのうち攻撃権が固定のものをクローズド、攻撃権が固定されないものをオープン、固定されないが最初はどちらかに固定されるものをセミオープンとしてみる

また、攻撃の時間がターン制のものと、非ターン制=フルタイムに分けてみる

さらに自陣敵陣に分かれたフィールドを選手が移動できるかできないかを分けるとオープン、クローズドに分けられる

すると、サッカーはスタート時に球がどちらかに固定されるがゲーム中は固定されないセミオープンでありフルタイム型、オープンフィールド型の球技と分類できる

野球、バレーはクローズド、ターン、クローズドフィールド

アメフトはクローズド、ターン、オープンフィールド

バスケットはオープン、フルタイム、オープンフィールド

この分類上の違いというのはサッカーというスポーツを理解する土台になる

ターンとフルタイムの大きな違いはボールを持てる時間、持てない時間が大きく異なる

ターン制の場合かならず自チームに攻撃権があるが、フルタイムの場合は常に攻撃権であるボールを奪い合う必要がある

ボールを奪えなければいつまでも攻撃権を手にできないという悪夢が続くということ

またクロースドとオープンの違いも同じでクローズドでは必ず攻撃権を持てる、持ち続けられる時間があるがオープンでは最初からボールの奪い合いがあり、セミオープンでも最初だけ攻撃権を持つだけで直後からはオープンと同じになる

クローズドフィールドの場合はフィールドが区切られているので自陣内に相手が入る事は無く、ボールを休めることもできるが、オープンフィールドでは相手も自陣に入り込んで来る

以上の事を理解すると、サッカーとは90分ずっとボールを奪うか奪われるかの状態をつづけなければいけないということ

ボールを奪えなければ攻撃権がなく得点できない、さらに自陣に押し込まれると圧倒的に不利な展開になる

この理解をまず第一にしなければいけない


しかしサッカーには救済措置としてボールを奪わなくても攻撃権が無くても得点出来る機会がある、ということ

「オウンゴール」というルールがサッカーにはある

このルールによりボールを持てないチームでも戦術によってはゴール出来る可能性があるということ

ボールを奪えないので攻撃権がないが守備組織、運用により相手に悪手をうたせることによりGKへのバックパスを誘発したりゴール前のDFと混戦状態に陥らせるなど「状況」を利用することでボールを持っていなくても得点する機会がある

セミオープン、フルタイム、オープンフィールドのサッカーの面倒な部分は「ボールを休ませることが出来ない」と同時に「選手が休めない」ということ

90分ボールを奪い合うという苦しいスポーツであり、走れないことはサッカーしないことという町田の黒田監督の言うことと合致する

走る、ボールを奪う、というのはサッカーの基本中の基本であり、ルールや競技性自体がそれを求めている

また競技の性格上足でボールを扱うので必ずミスのあるスポーツであるということ

特に走る+蹴るを同時に行うことは難しいので、セットプレーのような状態では精度のあるボールを蹴る事が出来るが、走りながら正確なボールを蹴るのは難しくなる

よってプレスにより相手を走らせることはボールを不安定にしてキックミスを誘発させることになる

また、プレスが速い、強いと相手の判断時間も短くなり選択肢を絞り判断ミスを誘発させる

ライン守備、ブロック守備は強固だがこれはターン制に近い概念なので相手の攻撃権を揺るがすようなものにはならない

プレスをかける、という行動がサッカーという競技ではボールを持たない守備側にとってゲームを動かす大きなテコとして存在する

もちろんプレスをかけるだけでは相手もそれを外すように動くので簡単ではない、しかしライン、ブロックによるリトリートだけでは相手のミスすら誘発できないのでプレスとリトリートの差には大きな違いがある

例えば5バックでラインを組んでいるなら直接背後を取られる可能性は低いので前の5人が積極的にプレスに行く方がプレスをかわされたとしても5バックが封鎖しているのでスピードは下がりプレスバックにより挟み込める可能性がある、しかし5-4でブロックを作ってしまうとたとえクリアしたとしても前進不可能であり押し込まれた状態をずっと続けることになり、いつか決壊する

速い展開はミスが多くゆっくりな展開では正確になるがそれは相手も同じで遅いゲームは相手もミスなくかつプレスをかけやすくなる

ジュビロがこれらの原則を理解した上で遅いゲームを選択するとしたらどのような戦術が機能するのか、もちろんそれに対する対策も存在するので何をやれば勝てるのか、というのは禅問答でもある、サッカーは不安定なスポーツであり常に変化する、よって不安定に常にマッチできるか、というのが正解ともいえる、つまりどのような状況にも対応しやすいフォーメーション、戦術、選手、運用によって全てを想定内として準備する、もしくは確率論的に中央値に近い部分をカバーし確率の低い部分を無視して効率化する、どちらにしても不安定さにどれだけ対応できるかというのが最適解である

ただ相手チームに合わせてストロングを消してウィークネスを突くというのだけでも大きな戦果は期待できる、これに自分達のやり方もプラスされればより選択肢が増える

しかし自分達のやりたい事が先に出て行くとそれは相手の対策によって無力化される

高いレベルでの戦いはいかに「相手の選択肢を減らせるか」というのが重要である、よって「自分達のやりたいこと」というのは対策されやすい

2024ジュビロでは相手の選択肢を減らすことも出来ず、やりたい事も出来なかった、どちらも機能しなかったので全面的に敗北したとも言える

まず結果を出しやすいのは相手への対策の徹底、分析と対策なので受験勉強に近い、相手チームを分析してストロングを消し、ウィークネスを突き続ける、これだけで引き分け以上を狙える

それを土台にしつつ、自分達のやりたい事をどのように実装できるかを考えた方が良い

まずやりたい事から始めると対策されて終わる


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