松本は前節から361に変更、3-0で大勝した状態でのジュビロ戦ということで攻撃力をメインに来ることは予想できた。
両サイドWBを軸とした外からの攻撃にシャドーが合わせる形。
ビルドの部分では両WBを使いながらボールサイドが空けばアーリークロスや突破からのクロス、横パスからボランチDFのインナーラップなどの攻撃。
ボールサイドが防がれていると中央ボックスを経由したショートパスからのサイドチェンジでサイドを変えての攻撃。
ジュビロの失点は1点のみで、かつ三浦が触っていたいのであれを防ぐことが出来ればほぼ無失点だった。
松本の攻撃力から考えると1失点は想定内。
それ以上に価値のある4得点が出来た方に目を向けるべき。
1点目は右サイドからのグラウンダーを大津?がスルーしてルキアンまで一気に入れてMF松本のシュート。
スルーすることでテンポよくゴール前まで行けたことでDFのハンドを誘えたと思う。
一瞬でゴール正面にボールが入っているわけだから、DFとしては身体を投げ出して止めるしか方法がない。
2点目は左サイドから崩して大津にマークしていた2枚のDFがGKと潰し合ってのオウンゴール。
3点目、大津、大森の2枚で3枚釣りながらMF山本をフリーで蹴らせることが出来た。
ファーサイドのポストが上手く繋がって山田が中央でフィニッシュ。
4点目、ゾーン2後方から右サイドに3人4人と数的有利を作ってから中央の小川を経由して裏に抜けたMF山本が3バックの脇をドリブルで侵入してマイナスクロスが逆サイドを上がってきた伊藤まで繋がってミドルシュートが決まる。一番ジュビロらしい攻撃だっと思う。ニアで潰されてるのが囮になってもいた。
ボールサイドをワイドに使って、中央フィニッシュはニア、センター、ファーで決めることが出来ている。
ハイライトシーンだけだとちょっと短くてカウンターの始まりの部分が見えないのが残念。
後半の得点はセンターラインからPAまでのエリアに541で横幅をケアした布陣でのミドルカウンターが決まっていたと思う。
ボランチが下がり過ぎず、ワイドをケアしているシャドーの中間スペースに上がってライン形成したりできていた。
守備エリアをコンパクトにすることで可変システムが機能した感じに見て取れた。
以前はエリアが限定されずにフォーメーションだけだったのでスペースが広すぎてそこを突かれた時があったが、今回は狭いスペースでの運用でお互いにケア出来る距離での可変が出来た。
前半はミスマッチなどもあってちょっと対応が後手になってしまったが、ラッキーなPKもあって1-0で終われたことが大きかった。
松本としては前半に戦力を投入して先制するという狙いがあっただろうが、それを無失点+ラッキーな1点で先制での折り返しは結果的には120%だと思う。
後半の松本は前半程の勢いもなく、次第にジュビロペースに変わっていくのが手に取って見ることが出来た。
終わってみれば4-1の大勝。
攻撃的に来てくれたおかげでカウンターがしっかりと刺さった。
1失点はオーバーラップの選手への詰めが少し短くてクロスを蹴らせてしまった部分。
その前から見ると松本は右サイド攻めからのサイドチェンジ+オーバーラップでの崩しから得点している。
オーバーラップ部分をみると、実はインナーラップを狙っていたが、ジュビロ側がその穴をケアして塞いでいたのを見てオーバーラップに変更したように感じる。
2の手、3の手を考えられている。
こういう可変攻撃ができると攻撃が深くまで継続できるので得点に繋がる。
こういうのがパターンの強み。
逆にアイデアで繋ごうとするとその都度ストップしてしまうのでスピードを殺してしまい、結果的に攻撃継続が出来なくなってしまう。
ジュビロはボランチの選手が穴を塞いでそのままオーバーラップした選手にまで追いかけている。
守備的な動きはこれでいいと思う。
あと一歩詰めて蹴らせなければ満点。
最後の部分でゴール前の選手の中間の位置を取られているので体を寄せることもできなかった。
ボールを見てマークが外れることが多いのでマーク選手を手で触って動きを確認しながら距離間を保てればいいと思う。
ジュビロが良かった部分はハイライトでは出ていないので探しにくいが守備ベースでほとんど崩れなかった部分だと思う。
松本の26分の攻めの形は良い崩しパターンだと思う。大外のWBを使ってハーフスペースを空けて、そこに中央から入って来るだけでなく、大外のWBも入ってきて入れ替わりで連続攻撃してくるというやつ。これはいいパターンだと思う。4の字の連続=8の字の入れ替わりパターン。からのN字パス経由でシュート。
50分も松本の左サイドでWBかCBがフリーでアーリークロスをファーに入れてヘディング。三浦の好セーブがあって失点はなかったが、フリーで蹴らせてしまった。キッカーが遠い場合は詰めずに引いてゴール前を守るという形で守備する体制を作っていたのか。
59分の失点シーンはボランチがボールを追ってスペースとマークを上手く両立させながら隙を減らしていたが、オーバーラップで大外を使われたことでハーフスペース、ニアゾーンから詰める距離があったせいで一歩及ばず、ファーにクロスを入れさせてしまった。
これは松本の方が一枚上手だったので仕方がない。ファーで守っている選手もマークがしっかりつけていなかった部分がある。それ以前にサイドチェンジの展開からで中盤全体がボールサイドに誘導されてゴール付近に選手がほぼいなかった。広いスペースがあったことでマークが付きにくいシーンになってしまっている。
松本のサイドチェンジがゾーン3の一番手前でまだPAラインまで距離のある段階。つまりゴールからかなり距離のある状態のままボールを大きく外周りさせていることになる。こうなるとジュビロの守備もボールに寄せるタイミングない。松本がボールを大きく早く動かすことでゾーン3に入ってもゴールに詰め寄らず、PA外でボールを廻すことでPA内の守備を薄くしている。ゴールエリア付近にDFがいない。
この松本のボールを速く大きく回して守備を散らす方法はゾーン3での攻略としてはかなり面白いと思う。しかも両サイドを使ってサイドチェンジからの得点。ゾーン全体を横に広く使うことでスペースを持たせて守備がスペースを埋めるように守備させてマークが付きにくいように誘導している。
松本もかなり攻撃的で崩しも上手かった。
得点差ほどの実力差はない。
むしろ嵌って来たら怖い相手だと思う。
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