2021年2月7日日曜日

ドリブルとロングボールでスペースを作り出すこと

清水とのトレーニングマッチはお互いに守備の確認は出来ているのかもしれない。

問題は攻撃面。

ボールを支配しつつも得点に至らない。

ボールを持たされてカウンターされたがリスク管理は出来ているという感じか。

こちらもカウンター戦術は可能なのでポゼッションでどう攻略するのかという部分。

報道を見るとシュート精度の問題はあるが崩しの部分ではフベロ体制のサイドを前後に使う崩しが出来ている。

サイドのWBにCHやWGが絡んでサイドを前後に深く使って揺さぶってサイドと中央を分断、その中間のスペースを使ってゴール正面に近い場所からシュートを打つという事が出来ている。

相手のゴール近くに押し込んでの崩しとなっているので、大学生とやったトレーニングマッチのようなオープンな展開での試合ではなかったかもしれない。するとエスパルスは引いて守る、ジュビロはそれを囲んで崩すという展開の中で崩しきれずにカウンターされるタイミングが多かったのかもしれない。

引いた相手に対しての対策は結構難しい。フベロ式なら押し込んでボールをポゼッションしたままチャンスメイクする。が相手もタイミングを見てカウンターするのでリスク管理が大事になる。この点では3バックになっているので442のフベロ式よりはリスク低減にはなっていると思う。

シュート数が少ないという部分ではその前の崩しが上手く行っていなかったかもしれない。エスパルスは枠内シュート多数のわりに得点が無かったということでジュビロの守備陣がコースを切りつつGKが抑えたと考えられる。枠内シュートが多い割りに得点にならないということは高い守備でコントロールされていたことになる。ジュビロは3バックでWBも引き気味なので正面もサイドもシュートコースはそれほど多くない。よってこの結果でも問題はない。

シュート数の少なさを考えるとエスパルスはコースを完全に切っている可能性がある。まずボールホルダーに対してマークがキッチリとされている可能性。ジュビロのフォーメーションを考えると引き気味にスペースやコースを潰している可能性が高い。

完全に引いた相手を崩すにはドリブラーやミドルシューター、後方ワイドからの放り込みをハイタワーのヘディングで決めるなど複数の攻撃パターンを組み合わせる必要がある。

攻め方も守備をサイドにおびき出すのか、中央に集めるのかでも異なる。ジュビロの場合は基本的にサイドにおびき出して薄くなった中央、逆サイドを狙うパターンが多いか。バリエーションは多い方が良いので中央に集めるパターンも練習した方が良いかもしれない。サイドからドリブルで中央を横切るパターンがそれ。ドリブルに釣られて守備がドリブル方向に集まる。これによってサイドにスペースを作って安全にクロスを入れることが出来る。

サイドのWGがボールを持ってそのまま中央のFWとCHのスペースに横スライドドリブルで入ってくる。ワンチャンFWへの縦パスやシュートを狙いつつ、それを阻止するようにSBやCBを中央から逆サイド側に向かって集める。コースが無ければ後方のCHにパスを渡す。CHはWGの居なくなったスペースに入り込んでくるWBへ直接パスを渡す。WBはWGが横スライドでスペースを空けた場所に移動してそのままクロスを上げるもしくはドリブルで守備の薄くなった同じサイドを2次攻撃で突く。さらにサイドCBが上がってWBのスペースをケア+セカンドのミドルシュートなどの多段攻撃が可能。

サイドにおびき出す形だと味方もサイドに散ってしまうので中央の攻撃が薄くなってしまう。ここは逆サイドの選手が中央に詰めてファーから攻撃する必要がある。サイドにおびき出す場合はボールホルダーが囮、中央に寄せる攻撃ではボールホルダーがアタッカー、フィニッシャーとなる。考え方がことなるのでどちらも戦術としては持っていた方が良い。ボールホルダーがフィニッシャーというスタンスを基本とした方がより囮役が役に立つ。サイドにおびき出すのはボールホルダーがゴールから遠い為に囮であることが分かりきっている。その為にジュビロ対策はサイドを捨てて中央を守るというスタイルを徹底するチームは多い。

パスで崩すというのはオープンな時の方が有効でクローズドな状態では守備がよりソリッドになってしまうのでパスで崩すというのはとても難しくなる。それならばよりソリッドな状態に持ち込んでいった方がスペースが出来てシュートが撃ちやすくなる。被シュートが多くなれば守備側はそれを止める為にまずボールホルダーに対して詰めていかなければならないので自然とおびき出される。

このように一つのスタイルではなく、複数のスタイルを状況によって使い分けることでより自軍に有利な状態を作り出すことが出来る。相手に2択を迫るような戦術が取れることが望ましい。2択のどちらを選んでも相手にとっては不利かより不利になるからだ。そのような攻撃パターンが構築できれば非常に良い。

エスパルスがボールを持たないのであればこちらはどんどんシュートに行けばよいわけだが、枠シュートが少ないことを考えるとボールホルダーに対して早い詰めが行われたのかもしれない。チェックが速ければボールをゆっくり持つことは出来ない。パスを速く出さなければならないので精度も低くなりよりインターセプトされる可能性が高くなってしまう。

ジュビロは「押し」と「引き」の両方の攻め方をもう少し融合した方が良い。ワンパターンではなく複数の攻め、崩し方があった方がより効果的に攻めが回転する。オープンでもクローズドでも人数や全体のスペースは変わらない。相手が引いているならサイド深くから真横の攻撃をしていく必要がある。サイドからの多段攻撃はドリブル、ミドルシュート、ワンツー、クロスなど複数のスタイルで同じ場所を攻め続けるというのも良い。ドリブルで押せばスペースが出来てミドルが撃てる。ミドルを撃たせまいと守備が押してくればワンツーでかわして侵入する。ワンツーをさせない為にサイドに寄ればクロスで逆を突く、と相手の守備の1手先を常に考えながら攻撃を組み立てる必要がある。


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