2018年10月12日金曜日

2018清水戦

磐田は3412、清水は442

磐田は両WBを上げて3バックをワイドに展開したサイド攻撃。
清水は両SHを内側に絞って4バックをワイドに展開。

磐田は3バックでサイド守備はWBの戻りのみ。
清水は4バックでサイド守備はSB。

清水はSHを絞って、SBで磐田のWBを迎撃。SBは深い位置にいるのでWBがサイド攻撃で前進し過ぎ=自陣サイド守備が出来ない状態になる。清水はこれを狙っていた。WBが上がった裏のスペースにSHやFWが縦に飛び込んでCB脇を突く攻撃。

磐田は3バックをワイド展開しているので実質1CB+2SBの形。ボランチは攻撃時に前進するので守備専ボランチ1人が残り1CBと縦関係に2人がいるだけ。フィールドの横幅は68mあるので3人で守る場合は34m=半径17mを守ることになる。CB間は34mのスペースがあるのでCB間を突くのは簡単。CBが閉じた場合でもサイドは14mあるので左右CBがマークに来るまでに1~2秒のタイムラグを稼ぐことができる。

カミンスキーが止められないのはCBの壁が無い為にコースを限定できずにほぼフリーな状態でゴールの正面でシュートを打たれるから。3CBで中央に壁があった場合コースを限定できる。

磐田が3412でサイド攻撃したのに対して清水は442でカウンターを狙った。この戦術がピタリと当たって1-5の大差で大敗した。

磐田が3421でワイド攻撃をした場合、WB、CBがサイドに展開するので正面の守備が全く機能しなくなる。さらにOHかボランチのどちらかがサイドに開くので攻撃面でもFWが孤立して中央攻撃、シュートに繋がらない。

清水はSHの金子石毛が磐田のWBとマッチアップしてもフィジカル的にミスマッチして抜かれる+WBを前で止めた場合逆に裏のスペースにCBが展開してカバーされるので有効に使えないという2つのマイナス面をひっくり返した。タフネスで負けるSHを絞って利点のクイックネススピードを生かした縦への攻撃へ利用、サイド守備をSBのみにしたことによって磐田のWBが簡単に清水の深い位置まで前進して裏に大きなスペースを提供した。これをカウンターの起点としてSHが裏に飛び出してCB脇を突いてCBをサイドにおびき出すことに成功。FWはCBのいない正面から自由なコースでシュートを打つことができた。



磐田はどのようにこの罠を攻略すればよかったのか。

清水はサイド守備をSBのみに担当させた。442の弱点はSBCB間のスペース。WBがボールホルダー、クロッサーとして機能させるのではなく、OH、FWと共にレシーバーとして3~4人の前線のラインを構築する。トップ下の中村は中盤4人ラインと2CBに囲まれているので中央では機能しない。WBの開けた中盤サイドへと戻り、WBへの起点のパスを入れるべきだった。清水はSHを絞っていたいので中盤サイドでのチェックは少ない。空いたスペースを使い、WB、FW、OHを使って孤立しているSBをおびき出してSBCB間のスペースにFW、OHが切り込んでサイドから攻略する。相手の罠を利用してその穴をさらに広げるべきだった。中村が下がってWBの裏にいることでカウンターされた時のSH、FWの上がりを一旦止めて前線のWBを戻すためのリトリートにもなる。

機能しない攻撃は使わない。
カウンターされることを前提とした攻撃と守備の両立。
攻撃は連携と密集が重要。

サイド攻撃は一方に戦力が分散してしまう。両方同時に使うことは難しい。サイドチェンジには3~5秒かかるので4人ラインの清水に対しては機能しない。

磐田の3バックの運用は攻撃的過ぎで守備が全く考慮されていない。その為にカウンターされた時は簡単に崩されてしまう。まずこの運用を変更しなければならない。3CBが中央に居ればそれだけで失点は激減する。その分サイド守備を誰が担うのかを考える。WBなのかDHなのか。両WBを攻撃的にするならDHを守備的に。中央攻撃でDHを前に出すならWBを守備的に。一方のサイドだけ攻撃的にするなら逆のサイドを守備的にして攻撃時にスライドして中央に入ってくるようにする。これだけで守備は安定する。

中断期間中にどのように再構築するのか。
勝ち点計算では清水戦が分水嶺だったと思う。この試合で大敗したということは長崎、湘南戦で勝てる可能性は低くなる。残留を考えるなら長崎、湘南戦は勝った上で残りの4試合のうち半分は引き分ける必要がある。

磐田の間違いはたくさんある。個人のフィジカル、特にタフネスに対して評価が低い。テクニカル、クイックネス、ステルスなどに評価が高いが守備面ではハイタワー、タフネス、スタミナ、スピードが重要になってくる。戦術面ではサイド攻撃、ポゼッション、守備軽視と大量失点、攻撃力低下と二重のマイナス。チーム構成面ではベテラン多用、若手軽視。あらゆる面で逆のことをしているためにここまで低迷している。フロントスタッフ監督と運営側は総入れ替え再構築の必要さえ出てくる。しかし総入れ替えし過ぎても過去に上手く行かない部分があった。半分の入れ替えは必要になる。

ジュビロ磐田というチームが強ければ観客も来る。チームが負ければ離れていく。単純なことだ。ビッグネームはいらない。実力のある選手がその実力を発揮できること。まずはこれが第一だ。監督やスタッフはそれができる環境を作り上げること。

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