2017年8月10日木曜日

ステルス攻撃

守備はボールのある場所=攻撃とみなすわけだが、パスの出し手と受け手がいるように、ボールを持っているアタッカー、パサーと受け手のフィニッシャーとではどちらが脅威か。ここが守備のリスク管理である。ボールを持ったアタッカーが直接ゴールに迫る地点にいるならばこれは高い脅威になるが、サイドの深い場所にいるなら低い脅威とみなす。つまりボールを持たせておきつつチェックして最短のパスコースシュートコースは潰すして守備をする。

中央攻撃メインの磐田では攻撃が単調になり中央守備だけで防ぎきれる可能性が高い。中央ドリブルはそれを突破するための手段の一つだが、もう一つステルス攻撃がある。相手の守備がボールに注目して警戒している間にフィニッシャーがゴール前に現れて突然ゴールする。

去年の試合だとトップ下の小林がSHと連携してサイドに起点を作る。その間に逆サイドのSBが後方からゴール前まで全力疾走して上がる。相手守備陣はボールを警戒して逆サイドの深い場所から上がってくる選手をケアしていない。ゴール逆サイドまで上がったところでクロスを上げる。相手は死角に伏兵がいきなり現れた状態。守備はケアしていないので簡単にゴールが決まる。

相手の守備をかわすにはボールに注目させつつ、フィニッシャーが死角にいること。トップの
川又には常にCBが付くのでそれ以外の守備のつきにくい選手が逆サイドに消えているのが良い。

現在の布陣の場合なら、WBの宮崎からシャドーの中村にサイドチェンジのロングパス。中村は開いてサイドで受ける。中村がサイドの起点として溜めながらWBの宮崎がサイドを上がる。中村はWB、ボランチとショートパスを交換しながら宮崎の上がりを待つ。中村はニア狙いを匂わせるショートパスを出しつつ、上がった宮崎にクロス。宮崎が空いているファーサイドにボレーを決める。逆に中村から宮崎にサイドチェンジしつつ、櫻内が中村をオーバーラップして死角に上がる。宮崎がシャドー、ボランチを使ってニア狙い。櫻内が逆サイドに上がったらクロス。

ステルス攻撃の基本はボールを囮として使うこと。その為にはサイドに相手の注意をひかせながら、逆サイドのマークされていない選手が死角を使って上がる。この間にボールの持ち手は自分が脅威であることを相手の守備に知らせる必要がある。その為に周囲とパス交換して守備の警戒を自分に向かせることと、上がりきるまでの時間を稼ぐ。両サイドの広さを生かした攻撃。しかしこれは相手の注意が広くある場合には使えない。ボールがゴールに迫るような脅威であると演出する必要がある。

中央攻撃以外の選択肢としてのサイドを使ったステルス攻撃。ボールサイドの攻撃を脅威をして見せつつ、逆サイドでフィニッシュする。
WBからニアのシャドー、ボランチを使いつつ、逆サイドのシャドー、ボランチ、WBがゴールファーの死角に入り込んでクロスを押し込む。

中央攻撃を徹底しているからこそ相手の守備が中央に集まりサイドが空くので、相手の注意が中央にしか向いていないような時に虚を突いてサイド攻撃を使う。中央攻撃という実とサイド攻撃という虚を織り交ぜる。WBの櫻内はボールの落下地点の察知や対応などが上手いので櫻内をステルスに使うといいかもしれない。逆サイドPA外辺りまで上がることが出来れば十分ゴールの可能性はある。足の速いWB、CB、ボランチが一気に上がるというのもいい。

中央攻撃のサポートしてのサイド攻撃は相手の守備が中央に集まった隙をうまく使う攻撃。相手が餌に釣られてくれれば逆サイドをうまく使える。逆サイドのシャドーがサイドに消えているのもありえる。一度プレーエリアを動かしてフィニッシャーがエリア外にいて警戒されないようにするのが重要。警戒されている選手ではフィニッシュ前に相手が感づく。相手に警戒されないポジションや選手を使うといい。

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