まずボランチの話しは何度もしているが、基本的にボランチとは守備ボランチ=第一ボランチが原型
ボランチをどうするか、っていうのはチームの核をどうするか、にほぼ近い大事なのはまず「ハズレ」を置かないこと
では何が「ハズレ」で何が「アタリ」なのか
ボランチには大きく
1.守備ボランチ(第一ボランチ)
2.攻撃ボランチ(第二ボランチ)
3.レジスタ
の3種類に分かれる
守備ボランチはボールハンターであり、中盤の制圧の核、ゲーム全体をコントロールしたい場合、まずこのボランチを置く必要がある、中盤の底で相手を潰し、背後のCBがクリーンにボールをクリアできるように手前で潰せるストッパー役、強度とスタミナが必要
攻撃ボランチはBoxToBoxで敵陣に侵入して攻撃参加できる選手、自分でボールを持ち上がることもあれば、後方からのボールを受けて前線へと運ぶなど中盤から前線にかけて前目にプレーする、第一ボランチと共に中盤を支えるスタミナが必要
レジスタはいわゆるパサー、プレースキッカー、と呼ばれるタイプに近く、後方からサイドチェンジや縦パスを使って攻撃を組み立てるボールの出し手、一般的に強度もなく、スタミナもなく、テクニック一本のタイプが多く、リーグ全体の傾向やチームのスタイルなどに強く依存する、癖が強いので常時配置しておくのは難しい
ジュビロのボランチを分けるとすると
1.レオ、金子
2.上原、金子
3.中村、上原
まず「ハズレを置かない」「安定したゲームを作る」という意味で第一ボランチを置く事が大前提、よって金子を最初に外すというのが最悪手、ハッチ監督は最悪手を常に選んでいる
金子の良さは第一ボランチとしての機能と第二ボランチとしての機能の両方を持っている点、守備でボールを奪える、攻撃で飛び込める、というのがこれ
レオは第一ボランチタイプで第二ボランチ的な動きはできないが、ミドルがあるので遅攻の場面ではミドルを打つことで攻撃支援できるのが利点
上原は基本は攻撃ボランチで攻撃参加するタイプでプレースキッカー寄りな面もあり強度やスピードでは少し劣る、ボランチ陣の中では中間的で汎用性があるタイプ
中村はパサー、プレースキッカータイプで強度もスピードもスタミナも微妙でボランチとしての基本的な機能をしない特殊なタイプ、ジュビロは名波、上田、遠藤などこのタイプが好みでボランチに置きたがるが、実際に「ハズレを置かない」という選択肢を取る場合は一番置いてはいけないタイプ
レジスタでもボランチ置かれるタイプとサイドの置かれるタイプといるので、ボランチに置かれるのはピルロ、サイドに置かれるのはベッカム、と考えると分かりやすい、キック精度が良く展開することで一発で場面を転換できる逆転要素があるが、その代償として守備力の無さを他の選手が補わなければならない
レジスタタイプはギャンブル性が高く、安定したゲーム展開を考える場合では優先的には使えない
イタリアは1-0でゲームを終えるのが美しいとされる守備的なリーグであり、守備メイン、カウンターで決める、というのがスタイルとして存在する、つまり、自陣にブロックを引いて人数で守る、反撃はレジスタが2トップに配球して1v1、2v2など敵陣に守備が少ない状況で決めきる、という形を取りやすい、自陣に人数を置いたブロックを作ることで強度の無いレジスタでもラインの一部となるのでサポート、カバーの距離が近く生存率が上がる
イギリスではキック&ラッシュで敵陣に突っ込んでいく走るサッカーなのでこちらも一発で局面を変えるという意味ではレジスタを置きやすい、しかしお互いにそれをやるとオープンな展開になるので中央にレジスタを置くとセカンドボールが回収しにくいのでサイドに配置した方がより機能しやすい、中央は第一ボランチ第二ボランチで回収と攻撃をし、サイドにレジスタがいることでサイドチェンジやアーリークロスを入れる、という展開で局面を大きく変える戦術が取れる
どちらもリーグの特性とのマッチがあるが、日本では「常に動き続ける」というタフなリーグなのでレジスタをどう起用するか、というのはある程度状況が固まった状態でないと使いにくい、例えば2-0で勝っている、負けている、ような状況で勝っているならイタリア式の引いてブロックを作りロングカウンター一発狙いで相手を仕留める、負けているならイギリス式でオープン展開を作りボールを動かしてチャンスメイクをしていく、という感じになると思う
0-0や1-0/0-1のような状況では引き離すか、追い付くか、という鎬の削り合いの状況なのでボールの奪い合いがかなりの比重を占める、よってここでは第一ボランチ、第二ボランチが活躍するステージであり、この段階でレジスタタイプが活躍することは難しい
今のJリーグでは強度、スタミナなどアスリート能力の高さがぶつかり合っているので、レジスタタイプは「隠し玉」としての役割になりやすい、またセンターラインは強度、スタミナのどちらか、もしくは両方が必要なのでテクニック重視のレジスタタイプはあっという間に呑み込まれてしまう、中央でのボールロストは一番危険な場面なので、どうしても置きたいならサイドに置くことで少なくとも中央を崩されて失点するというリスクは避けることが出来る
ハッチ監督は上原を残すが、やはり守備力という面では金子、レオに及ばないのでボランチに残すべきなのは金子、レオ、の優先度が高いはずだ
これは守備的という意味ではなく、「ボール支配」「ゲームコントロール」という意味で非常に攻撃的な選択なのだが、まだジュビロはこの意味を理解できていない、結果として「守備的」な選手を外してしまう、という悪手をとり、かつ同点、1点差の状態でギャンブルとなるレジスタタイプを投入してしまうという「負け選択」をしている
ボランチのボール奪取は守備ではなく「ポゼッションの基点」なのでより攻撃的な選択という意味なのだが、それを理解していない
結果、ボール奪取できず、後手に回り決勝点を入れられた後にアタフタして頑張って得点しても同点に終わる、という勝ち点2を失うゲームを自分達で作っている
ボール奪取=ポゼッションであり、パス回し≠ポゼッションということ
この差が分からないうちは同じ間違いをし続けるし、打開するどころか自分達で勝ちを逃す選択をし続けることになる
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