2024年10月8日火曜日

ロングボール戦術

「純粋な」ロングボール戦術ってのはそれ程ないと思う
ロングボールは手段の一つであり、相手がそれに対応しようとすれば別の戦術を使って回避する
戦術が分かっていないと戦術ジャンケンすらできないからどこに相手を引きつけてかわすか、ってのすらできない

ジュビロのロングボールはセンターからワイドへの広角ばかりなのがちょっと問題点
ロングボールを蹴った直後に動かないのがロングボール戦術の意味を無くしているのもある
ロングボールにはいくつかの意図がありそれを使い分けないと全く意味がない



守備的 1 ⇔ 2 ⇔ 3 ⇔ 4 攻撃的

1.相手ラインの後退
自陣に押し込まれる場面が多いと失地回復が非常に難しくなる、それを避ける為にワイドにボールを蹴って敵陣内深くでサイドアウトを狙い全体のラインを相手陣内まで一気に押し上げる、敵陣内で相手はスローインしなければならないのでフィールドプレイヤーが一人少なくワンサイドに寄るので逆サイドが空きやすくなる
悪い使い方は敵陣内の浅い位置のサイドアウトや、深い位置でサイドアウトしてもラインを上げずに棒立ちして相手はSBとCBだけ残ってスローインして再開してしまう状態、失地回復=自陣に閉じ込められた状態を解消し敵陣内でのプレーを強制的に発動することでピンチをチャンスに変える、もしサイドの深い位置で受けられればそこから攻撃に行けるし無理に止めようとしてFKやPKを得たりCKを得たりセットプレーのオプションが得られやすいので足の遅いジュビロでもセットプレーなら得点チャンスが得られやすい、「こちらのラインを上げる」という部分が伴っていないと失敗しやすい

2.オープン展開に持ち込む
現代サッカーでは局面の限定と局面に戦力を最大限投入する「局所有利」を作り出す戦術が強い、その為にライン間が非常に狭くショートパスを繋いでかわす場合に1回のトラップすら許されない距離に相手がいる、このような状態を解消する為に敵陣に大きくボールを入れて最終ラインを下げさせ、相手がロングボールを入れてくるならそれも大きく蹴り返し強制的にラインを下げさせることで中盤以前のライン間を押し広げてプレッシャーのかかるエリアを徐々に小さくする、「相手のプレス領域を減らす、下げる」という意図であり、自軍ポゼッションの安定性を上げる為に使う、相手が下がるまでしつこく放り込みラインを下げさせることで中盤以前のプレスを減らす、同時にこちらのラインを上げて安全領域を広げ中盤での回収率を上げることでポゼッションを上げる、ポゼッションを上げる、ショートパスが入るスペースを作る意味でも「先に」ロングボール投入によってポゼッションやショートパスが通る環境を作り出す

3.サイド寄せ、オープンサイド攻撃
SBWBから逆サイドへの対角パスを入れることでボールサイドへの相手の誘導と逆サイドのオープン化、オープン後にサイドチェンジすることで攻撃に転じる基点を作る、SBWBがしっかりワイドに寄せて相手の全体をボールサイドに寄せるようにおびき出す必要がある、相手のスライドが甘く広く守っている状態だと失敗しやすい、ボールサイドへ全体を寄せておびき出してから対角パスのサイドチェンジでオープンサイド展開、攻撃へ転ずる、ボールサイドは前後に広く使って良い、中途半端に中央抜こうとしたりせずボールサイドで抜こうという姿勢を見せて食いつかせる必要がある、それを対処しようと寄せてきた背後を取る、ということ

4.背後への速攻
相手の守備ラインが高い=ハイライン守備の場合、背後に広大なスペースがありこちらのFWにスピードのある選手を配置しておけばワンチャンGKとの1対1が狙える、そうでなくてもCBとの1対1をかわせばGK1対1など押し込んで狭いエリアでプレーするのではなくスペースのある広い場面でプレーできるのでFWの選択肢が増えることでFWが有利な形で攻めることが出来る
ただしCBやGKから直接縦に放り込んでしまうとFWはCBと対峙してしまうので出来ればワイドに開いたSBからのアーリークロスに対してFWがダイアゴナルに走ることで死角であるCBの背後に走り込んだりGKがボールに向かっている状態で死角にFWが走り込めると得点チャンスがより高くなる、「ワイドから逆ハーフ背後への対角パス+ダイアゴナル侵入」の両方を噛み合わせて行く必要がある、FWがニアに入る囮になるならシャドー、SHなど逆サイドの選手が死角から斜めに侵入する

ロングボールは攻撃でも守備でも使える戦術、ただ使い方や準備がしっかりされていないとただ前に蹴ってすぐ戻ってくる、という状況になる、ロングボールは馬鹿が使っても意味がない、どんな戦術でもキチンと使い方を理解していないければゴミと一緒
戦術は道具であり良いも悪いもない、使い方次第、だからロングボールがつまらんとか面白くないとか誰でもできるとか言ってる奴はそもそも使い方すら理解していない
使い方が間違っているから面白くないだけの話し
使い方すらわからないのなら何やったってダメに決まってる
それはポゼッションでも同じ、ポゼッションがショートパスとか勘違いしてる勢はいつまで経ってもポゼッション率すら上がらない、そもそもボール奪取出来なければポゼッション率は上がらないのにパサー揃えて並べてずっとブロック守備してミス待ちしてるだけ、それでポゼッション率上がるとでも?
パス本数とかパス成功率とかデータだけでは意味がない、そこに文脈、コンテキストが無ければただの数字
場面、局面がデータと一緒にならないとどういう場面だからどう動いた、どうパスした、という意味や解釈が発生しない、
ポゼッション率と勝率が比例しないのは当たり前、データという数字だけ見ても無意味
そもそもポゼッションやショートパスを通そうと思ったらそれこそロングボールを使って環境を作らないと簡単に通らないということ、特に「走ってポジションを作る」ということをしないジュビロならなおさら、ポゼッションやショートパスに必要なのは受けられるポジションに移動すること、それをしない、できないのであればそもそもポゼッション、ショートパスでゲームを作ることが出来ない、何故ならポゼッション、ショートパスをやる相手には前からプレッシャーをかけて封じることができるから、相手の対策に対して対策を持てないのがジュビロ、だからやりたい事が全くできない、戦術ジャンケンは指揮官の必須能力、それがないのだからそもそも指揮しても失敗しかしない

指揮官に必要な能力、プレーを見てどこに穴があるか、どう塞ぐべきか、どう突くべきか、そういう部分が見えないと指揮は出来ない、対応できないのだから負ける

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