2024年5月28日火曜日

横内監督の戦略

上原や松本の事を色々言われているようだが、横内監督には彼の持つ戦略があり、その上で両名をスタメンとして起用していると思われる

横内監督は大きく変えることをしない、ある一定のリズムやパターンを好むタイプ
戦略的には「戦力の定出力」を基本としているように思える
90分間のゲームの全体で同じ動きが出来る事、つまりスタミナがあり前後半でのプレーの質が落ちることを嫌がる
逆に言うと90分間で同じプレーをし続けることが出来れば相手がスタミナを無くして動けなくなり、相対的にこちらが上回る、という考え方だ

松本や上原は尖った性能を持つ選手ではないが長時間同じプレーをし続けることが出来る、よって90分間で出力がほぼ変わらないので相手の選手のスタミナが下がってくれば自然と彼らが相手より上になる

サッカーはリソース(資源)を奪い合うゲームでもある
90分という時間、陣地という空間、体力というエネルギー、ボールという攻撃権、こうしたものを奪い合うので出来るだけ奪われないという戦略は理解できる

ジュビロがスローテンポで攻める理由の一つは自分達のリソースを減らさないという選択でもある、ハイテンポの攻撃で自らのリソースを消費して攻撃する場合、それなりのリターンがなければリソースを失うという高いリスクが生じる

わざとスローテンポでプレーすることでゲーム全体の中で消費されるエネルギーの波を消して定出力にすることでハイテンポな相手は時間と共に戦力が落ちていくことになる

ジュビロの選手がゲーム後に倒れ込まない、スプリントが全体的に少ないというのもこの戦略をベースと考えると理解できる

背の高さなどの話しも出ているが、ある意味それもこの考え方に近い、ジャンプ力はスタミナと共に減少するので序盤は飛べてクリアできても後半ラストに近くなるとジャンプできなくなり上背のある選手に負けてしまう

背の高い選手はゲームの開始時と終了時の差がないので定出力だが、背が低くジャンプや飛ぶタイミングで補っている選手はそうもいかない、ということからハイタワーの選手をFWとして前線に置きゲームを通して放り込み続けるというのは質の差の飽和攻撃になる
CBの背が高い方が良い理由としてはゲームの最後まで高さが変わらないということだ

ゲームは90分あるが、常に動き回る場合60分を境にプレーの質は大きく下がる、よって後半60分まで耐えきって残り30分で巻き返すというのは戦略的な方法論になる

しかしながら耐え方という部分を整備しておかないといけない、より消耗しにくい布陣や動きが必要になる

軍事用語に「ハイローミックス」というものがあるが、ハイエンド、高機能高性能な少数の機体とローエンド、平均的性能の量産機を混ぜて運用するというもの、ジュビロはこの形に似ていて上原や松本などハイエンドでない平均的能力の選手を長時間プレーできるスタメンとして起用し、ピンポイントで一部のスタメン、サブにハイエンドの選手を入れる運用をしていると思う、ハイエンド=全てが高性能というわけではなく、尖った性能、一部の能力が圧倒的に平均的能力の選手より高い、ということでどこかに弱点があるわけで、スタミナがなければ前半のみや後半60分過ぎてからなど管理が必要になる

選手も人間なので全て何でもできる選手というのはほとんどいない上にいたとしてもそういう選手は高額なので契約できない、となると平均的能力の選手と弱点のある尖った選手をどう混ぜて運用するか、という部分に行きつく

チームにより尖った選手で瞬発的な攻撃力を高める攻撃型のチームもあるが、ジュビロの場合は1ゲームだけの短期ではなく、中長期(リーグ戦)での戦略的な戦い方としてローテンポでリソース消費を少なくした戦い方を選んでいるように思う

トーナメント戦と違ってリーグ戦は長期間の戦いなのでチーム全体のリソースをすべて消費することが前提となる、よって1つのゲームに勝ってもリーグ戦では1/38にしか過ぎない

横内ジュビロの戦略は1シーズンを通して戦えるチームという考え方をベースとして持っている、同時に1シーズンだけではなく数シーズン先を見据えた選手の強化、チームの強化も考えているのだろう、若手を多く加入した理由はそこにあると思うし数年後に若手が中堅になりチームの中核となる時期までに育てられれば上位定着もあるかもしれないがやはり定期的に若手を加入させて次世代に繋ぐようにすることも常勝チームには必要になる、失敗は経験、次のチャンスを与えることもチャレンジなことであり選手を育てる手法でもある

無事これ名馬という諺があるが尖った能力をもつ怪我がちな選手より怪我も少なく90分戦える選手の方がゲームには出続けられる、ということだ


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