ジュビロを対策するとしたら…
京都戦のジュビロの攻撃をみるとサイド突破した時点で結構守備がむずかしくなる。
攻撃の起点が出来る前、ボールを回しているビルドアップのタイミングを狙うハイプレスにくるかもしれない。ハイプレスはWボランチへのプレスから中央の大井が立ち止まるのでその背後にサイドから侵入して縦のギャップ狙い。
サイド展開すると両WBがセンターにダイアゴナルランで侵入してくるので、ワイドに分散スライドすると中間スペースにボールサイドのWBが侵入、全体スライドすると逆サイドのWBが背後に侵入してくる。
カウンターを狙うとすると541などワイドを守備できる密度の高いブロックを作るロングカウンター狙いになるか。攻撃サイドのCBが上がってくる厚い攻撃をするので逆サイドに振らずに同サイドの背後のスペースを狙ったカウンターになるか。
ロングカウンターをされると2バックで対応しなければならないのでジュビロとしては防ぎにくい。ジュビロはネガティブトランジッションになる可能性より得点する可能性の方を上げる方を選択しているのでフィニッシュまで行くことが前提。シュートで終わればGKになるだけなのでカウンターを食らいにくい。ジュビロ側のカウンター対策は得点するかゴールラインを割るかするまで厚い攻撃でネガティブトランジションを発生させないという選択肢。
ハイプレスも前半ジュビロがハイプレス回避するかそもそもボール回しせずに京都戦のようにボールを相手に渡してしまい541ブロックを作ったロングカウンター狙いでボールは渡すがゲーム全体の主導権は主体的に行うという感じになると相手はポゼッションする側になるのでジュビロ対策というよりは自分達がどう攻めるかを考えることになる。
ジュビロが541で引きこもるならどう攻めるのか。釣り出しが機能するのかどうか。ジュビロにハイプレスをさせる選択肢を作れるか。中盤4人ラインのサイドを釣り出して背後のスペースにワンタッチでボールを入れて即クロスから中央の体格差を活かした脳筋攻め。
アーリークロスでとにかく中央で一発狙い。CKになればセットプレーで得点チャンス。ジュビロ側はCKにはさせないようにサイドアウトに出せるようにしたい。一旦キープできればロングカウンターのチャンスにもなるがそこにハイプレスされるとするとちょっと厳しくなるか。ブロックを作る守備の場合ボールをどのように前に運ぶかが問題点になることが多い。ドリブルでいける選手がいると非常に助かる。
今のジュビロはポゼッションもカウンターも使うハイブリッド型なのでその強みを活かして相手の不得意な攻め、守備を強要させる嫌がらせ戦術が可能なのでデバフさせた上で隙を突いた先制点奪取。その後に得意なパターンに嵌め込んでの複数得点というのが黄金パターンになる。
相手が対応する前にスイッチして違うパターンで攻められるというのはジュビロのハイブリッドの良さ。相手が疑心暗鬼でどう動くべきかわから無くなればジュビロのもの。中途半端なポジショニングになりがちになり対応が遅れる。
対策としては強みを崩されないことか。強みの深さ=対応力=バリエーションがどれだけあるかという点では昔から同じフォーメーションを使い続けているチームは対応力も高いのでさばきが上手いと思う。
ジュビロは3バックなので攻守の切り替えははっきりした方がやりやすい。しかし引いたブロックに対する崩しはハイリスクになるのでゾーン2での駆け引きをしつつゾーン3へのシンプルな侵入と人数をかけた厚いフィッシュでの得点。チャンスの数に対する得点の確率は結構高くなるはず。ワンチャンスにコレクティブにアタックすることで確実に得点を狙う。
ビルドアップ潰しをどれだけ回避するか対策するかは問題点か。もう一つはシュートフィニッシュできずにネガティブトランジッションが発生した時の対策。この2点が今の所懸念点かもしれない。
ビルドアップ潰しはハイプレス+マンマークになると思われる。GKへのマークまでしてくるオールコートマンツーマンに来なければGK三浦の足元が機能する。基本は遠藤の1枚落ちの4バック化だが大森の落ちも含めた2枚落ちが前回の京都戦であったので中央を2枚落とす代わりにWBを上げてサイド攻撃をする形を作るビルドになる。ポゼッション時なら中央2枚落ち、カウンターなら両WBのワイドの2枚落ちの形かもしれない。
ネガティブトランジション対策は今の所どうとも言えない。Wボランチ+2バックの4枚でカウンターの対策をしなければならないが、今の時点では完全な対策は難しい。その代りにフィニッシュの精度を上げる、シュートでフィニッシュするという形の方を選択している。
J1チームでカウンター戦術チームは少ないのでジュビロ対策にカウンターを敷くチームは無いと思われる。何故ならJ1のチームだから。J2からの昇格組にわざわざ戦術変更してまで対策はしないはず。自分達の強みで押し切るだろう。するとジュビロとしては前半はカウンター狙いでコントロールしつつ先制点取ってから主導権を握って離さない流れを作ることになるか。京都戦のスタイルと同じ。
今年のJ1のチームのほとんどはポゼッションxプレスを選択しているので541ブロックを作ったら無駄にハイプレスに行かずに迎撃メインで体力温存が良いかも。するとカウンター狙いなので1トップは健勇よりジャーメインかラッソの方が向いているかもしれない。上位陣に対しては前半カウンター狙いのジャーメイン、前半先制点取れたら後半に健勇投入でボール握って遅攻コレクティブ。更に最終盤にラッソ入れて前がかりの背後狙いと揺さぶるのもあり。
ジュビロとしてのポゼッションxプレス対策はどうするか。541ブロックでポゼッションのパスコースを殺してカウンター。プレスに対しては最終ラインの枚数を増やしてプレスエリアを超える対角クロスでプレス回避しつつの疑似カウンター。
ポゼッションに対して523のハイプレスに行ってしまうと大抵サイドのスペースでWBを釣り出されてサイド突破に来ると思われる。541のラインを上げ過ぎてもこれは背後のスペースにロングボールが入って来るので余りハイラインにはしにくい。
ハイプレスで奪いに行く場合はWBをバックに落とすのではなく前に上げて前線でマンツーマンを作る必要性がある。3トップでハイプレスに行っても結局中盤のスペースに侵入されてしまうので前線ラインが揃っていないと侵入は容易になってしまう。
相手のポゼッションにどのように対策して嵌めるかは結構厄介。追えば逃げるので体力と時間を削られがちになる。ポゼッションの強みの一つは得点した後にある。失点した相手から時間と体力を奪う兵糧攻めがポゼッション。結構いやらしい戦術。戦略的に相手を潰せるのでポゼッションしたいのはよくわかる。しかし失点している側がポゼッションをするほど酷いことはない。大抵「内容は良かった」というゲームのほんとんどが失点してもポゼッションでボールを回してるゲーム。この状態を「ゲームを支配している」という「誤認」をしているとポゼッションの強みを活かせない。
若くてアスリート型の脳筋サッカータイプのチームだとハイプレスによるポゼッション対策はできるがジュビロはテクニック型でハイプレスを継続するのはむずかしいチーム。現代サッカー的にはハイプレスの方が流行しているがチーム事情的には無理なハイプレスよりブロックを作った方がコスパは良さそう。
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