2021年4月8日木曜日

ジュビロの強みを活かすには

ジュビロの特徴は中盤と攻撃。

活かすには複数の状況に合わせる必要がある。

フィールドの広さや相手の戦術、システム。

自分達のやり方だけで打開できることには限度がある。


遠藤やパサーを活かすにはまず十分なスペースが必要。

スペースは攻守両面で重要になる。

スペースが無いとパスコースが無くなる上にカウンターを食らいやすい。

スペースが無い=守備が密なのでパスコースがない。

プラス、遠藤への距離が短くなりマークされやすくロストしやすくなってしまう。

スペースを作る為にはポゼッションするよりもロングボール、サイドチェンジによってフィールド全体を広く使う。

広いスペースがあれば遠藤への直接のマークも遅くなり、パスコースもできる。

ショートパスによるポゼッションは現在の守備スタイルの流れからすると非常にやりにくい。

スペースがあることで2列目の攻撃的選手が動ける。

特に裏への動きや幅を使った動きでFWのアシストや3,4列目の攻撃参加にもつなげることが出来る。

遠藤が下がってポゼッションをするより中村俊輔の時のように前目にいる状態でボールを待った方が良いかもしれない。

その為にはボランチに守備力のある選手が必須。

まずゲームを支配するにはボール奪取から。

ボール奪取出来ないチームにゲームの支配は出来ない。

パサーが活きるのはボール奪取した「後」の話し。


問題点はスペースの広さは攻撃には必要だが、守備には不必要だという事。

この点でショートカウンターの難しさが出てくる。

ショートカウンターはゾーン2で待ち構えるカウンターだが、横幅いっぱいを守備しなければならないのが問題。

かといってゾーン3まで引き下がるロングカウンターだとカウンターする距離が長すぎてスピードのある選手が少ないジュビロでは不利。

かつスピードのある選手に負担がかかり過ぎてしまう。

センターラインより前のゾーン2に押し込むハイプレスは前線に2トップ3トップが必要になる。

ハイプレスだと前線が上がった時に2列目以降が上がって詰めるのかが問題点。

徹底的に追い込んでロスト狙いで相手のゴールに近い場所で奪って決める、という流れを取るならショートカウンター位置からのハイプレス狙い。

やはり問題点は間延びによるスペース。

カウンターでもポゼッションでも使えそうな位置取りと考えると、センターラインから自陣PAまでのエリアで待ち構えるミドルカウンターを考えてみる。 

ゾーン2の後方からゾーン3の前方という位置取り、センターラインの位置が前線で横幅最大なので最前線に人数をかけることでカウンター時にサイドいっぱいまで幅を使った攻撃が可能になる。



全く異なる発想からだと、442ボックスやNBOXのような縦列フォーメーションによるサイド制圧型カウンターもあり。

そもそも何故サイド攻撃をするのか、というと、これは横列フォーメーションの守備に対しての突破方法だから。

つまり最初期の守備は横列にしておきながら、相手がサイド攻撃による突破を図る場合は縦列にシフトしてサイド全体を面制圧してボールを出させない。一方で自軍は1人だけ逆サイドにアイソレーションしておいてボールの出口を作りカウンターの起点にする。


NBOXではなく、通常の352(3232か3412)で考えると、中盤をWボランチ+ボールサイドのWB+トップ下の4人で中盤をボックスにシフト、逆サイドのWBをアイソレーション。

ボールサイドに3223ボックスを作り面制圧し、逆サイドにWBを残す。

これならサイドをWB1枚の守備で終わらせずにチームの縦列をそのままサイドに寄せて潰しに行く守備が可能になる。

横列フォーメーションの複合型を考えると、3412の形からWBが前方に上がりながら相手のSB、WBを抑えつつ、チーム全体がボールサイドに寄せてWBを囲い込む。

2トップも含めてボールサイドに寄せてボールを出させない。

トップ下に遠藤がいれば、WB+Wボランチの3人で奪ってからトップ下の遠藤経由でボールの出口である逆サイドWBに繋げる。

同時に2トップが中央に入り込む。

3人目として守備していたWBがもう一度上がるか、Wボランチから1枚が上がる。

352だとサイド1枚ということもあり、相手は積極的にサイドを攻めようとするので、余計に中央にいるチーム全体がサイドに寄せる速度が速ければ早いほどサイドで潰せる可能性が高くなる。

できればサイド2枚の状態で全体をシフト出来ると更に良い。

サイド2枚はサイドに穴が開かないので次善の守備ができる。

サイド1枚だとその後のケアがやや難しくなる。


攻撃力=得点力。

得点力を上げるにはそもそも守備をさせない。

中盤に釣り出して背後を。

後ろ向きに走らせて視界を奪う。

相手に思い通りにさせない。

いつでもボールを奪える高い守備力。


攻撃するためにはクレバーかつストロングな守備が必須。

高い得点力は高い守備力から生まれる。

ジュビロは攻撃力はチャンスメイクだと考えている感じがするが、チャンスメイクだけで終わっている感じ。

それがようやくわかってきた感じもする。


確実に勝ちを伸ばすためには負けない守備力とカウンターで確実に決める決定力がいる。

決定力は個人の能力でもあるが、決定的な場面を作る「仕込み」のできる監督、コーチが必要。

それは高い能力と組織力の揃った守備から始まる。


カウンターは決して守備戦術だけではなく、高い攻撃力を持った攻撃戦術でもある。

そしてカウンターは守備からスタートするのでポジティブトランジションがメイン。

攻撃的スプリントが可能。

ポゼッション戦術だとネガティブトランジションが必須で守備的スプリントに追われてしまう。


やはりサッカーは「ボールを動かす」ゲーム。

その為にはフィールドを広く使う方が有利。

よってサイド2枚+中央縦列のフォーメーションによって横列と縦列の可変フォーメーションが出来ることが大事になる。


J2の長期戦を考えると季節による戦術の変化も必要。

夏季のフォーメーションは出来るだけ走らないゲームかつ相手を走らせるゲームができるものを用意する。

交代枠は使い切る。


徹底的に考えつくして準備できるものはどんどん準備する。

考えることはいつでもできる。

むしろプレー外の時間に考えつくして、プランを用意した上でゲームをするべき。

その場しのぎのクリエイティブなサッカーは高度にパターン化されたサッカーに太刀打ちできない。

まずは高度なパターンを仕込むこと。

クリエイティブなサッカーが活きるのはパターンが不得意な場面。

雨や雪などの荒天、ボールが収まらないオープンな展開、守備の難しいオールコートを使うロングボールやサイドチェンジ。

そういう部分にこそクリエイティブなサッカーが活きてくる。

つまりポゼッションである限りクリエイティブなサッカーは生まれにくい。

高度なパターンの得意な分野は80%

クリエイティブなサッカーが得意な分野は残り20%

ジュビロはそれを80%でやろうとしてして失敗した。

そもそも正反対な事を一緒にやろうとしたので失敗した。


ジュビロがやるべきなのはむしろもっと荒れたゲーム。

ボールを収める必要はない。

もっとボールを動かせ。

その中にクリエイティブなサッカーが生まれる。


カオスなゲームをすればするほどクリエイティブなサッカーは活性化する。

「破壊的創造」

それこそジュビロが求めるべきクリエイティブな攻撃サッカー。


それを維持するためには強力な守備力が必要。

いつでもボールが回収できる守備力があること。

ゲームがあれれば1対1の優位性が出てくる。

スピード、スタミナ、ストロング、テクニック、インテリジェンス。

相手に勝てるものを当てることで1対1は有利になる。

ボールをもっと大きく回せ。

小さく回すほどジュビロは不利になる。

ボールを動かせば動かすほど有利になる。

ボールを手放しても構わない。

より相手のゴールに近い場所で奪い返せばいいだけだ。

オープンなゲームこそジュビロが得意とするべきゲーム。

パサーが活きるのはオープン。

クローズドなゲームでは死ぬ。


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