2021年3月8日月曜日

名波再登板の可能性と難点

 残念なことに今のジュビロで一番戦術を理解しているのが名波。

名波再登板はありえる。

名波は2016年の3バック4バックの二つを前後半シーズンで試して2017年に3バックのカウンターに絞って6位まで結果を出した。

現実主義の部分がある。

一方で自分のコピーのパサーボランチを置きたがる習性があり、それが現代サッカーに合わない。

宮崎が今もどこのチームにも行けない理由の一つは名波がボランチ、アンカーで起用してしまった事。

対人能力の低さを露呈して中央をドリブル突破される。

宮崎はSBだからこそ活きた人材。

今のジュビロが弱い理由の一つはボランチに対人の弱いパサーを置き続けている事。

2017年の時は川辺ムサエフのコンビで中盤の要、攻撃の軸として機能していた。

両者とも対人に強く中央をドリブルで突破したりBoxToBoxで上下動が出来るタイプだった。

これが中央攻撃の軸になって3421のフォーメーションとマッチしていた。

問題点だったのは3421のフォーメーション的問題で、相手SBの位置にプレッシャーがかからずにWBが前に出て守備した時にCBがサイドに釣り出されて中のスペースを利用されるパターン。

これは攻守に同じパターンで、WBがサイド攻撃で前に出た時にその裏を突かれるパターンと同じ。

WBがボールサイドので前に出る動きが攻守に置いてウィークポイントだった。

WBの穴をDHが下がって埋めるなら3CBが維持されたのだが、ジュビロではCBがサイドにスライドする形を採用し続けているのでいつまでもその穴が埋まらない。

DH=ボランチに対人の弱いパサーを置くと余計に酷い。

まず動かないのでCBの穴が埋まらない。

バイタルをポジショニングで守っているといえばそうなのだが、だからと言ってドリブル突破が来た時には止められないので相手はパスの選択肢が低くなるがドリブルの選択肢が高くなる。


NBOXは守備戦術であり、かつ名波は中央にいたがポジションはCH。

NBOXは役割からすると3322の3ボランチ。服部がサイドに出た時のボランチのスペースや秀人がサイドに出た時に福西が下がる時のボランチのスペースを埋める為に名波も下がる。

決してWボランチのスタイルではなかった。

2.5ボランチ的な状態。

名波はCHをメインにしながら守備時にDHを兼務する形だった。

NBOXは8連勝したフォーメーションなので弱いわけではない。

NBOXに類似したものと考えられるのは442ボックス。

中央をボックスで固めてセンターラインを常に制圧した形。

サイドは相手にくれてやるが中央のゴール最短コース+危険エリアは決して使わせない。

逆にサイドの高い位置に守備がいないのでサイドからのアーリークロスには弱い。

その分2CBの対空能力が必要になる。


パサーをWボランチとして置くのは守備構築上お勧めしない。

むしろ避けて欲しい。

守備の基本はWボランチ+2CBが最低限。

ゴール前にボックスを作ると非常に強いが、このままだとサイドが使われてしまうのでSBなどのサイドを使わせない守備が必要になる。

遠藤は走る距離は長いがスピードの遅さがあるのでドリブル突破される可能性が高く宮崎と同じで守備強度の低さの問題で後方では使えない。

前やサイドに置くしかない。

センターラインにパサーを置くスタイルは守備上の問題で良くない。

対人守備が出来た上でパスが出せるなら問題ない。

ここは大きな違い。

伊藤が注目されるのはサイズや対人守備力だけではなく、高速ロングボールを蹴ることが出来る事。

伊藤こそボランチにふさわしい。

伊藤は縦への意識もある。

重要なのは伊藤が高速ロングボール、高速サイドチェンジが出来る事。

この重要度はコンパクトな守備をする現代式の守備を迂回できるから。

相手の守備を伊藤のパスで回避すればそれだけで得点のチャンスになる。

高速のパスは短時間で距離が稼げるので局面の打開には最適。

ショートパスを繋ぐより伊藤のパスで盤面を動かす方がよっぽどゲームをコントロールできる。

レンタル移籍しているが上原も良いパスを出せる。

この二人は対人、縦への動き、高速パスが出来るのでボランチやCH向き。

遠藤よりこの二人を中央に置いてゲームを作るべき。


名波のファンタジスタ路線を継承し続ける=紙フィジカルパサーボランチ=守備崩壊になるのでキッパリとやめて欲しい。

本来ボランチにいるべきなのは伊藤や上原のようなタイプ。

チーム自体が理解しないと沼から抜け出せない。



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