2021年1月20日水曜日

3-6-1ヘキサ サイド対応パターン

中盤左サイドにボールが入った場面


CB前のバイタルを封鎖したい場合(より自陣に近い場面での対応)

 ______FW______

_SH_____←←←←SH_

____CH__←CH____

_SB__↓__←←←←SB_

___CB__CB__CB___

ボールサイドのCHを下げてボランチ役となり逆サイドが中央によって壁を作りボールを逆サイドには逃がさないように囲む。

囲んだ状態でボールを下げさせる。

バックパスさせることで攻撃側の相手は後ろ向きに、守備側のこちらが前向きに動くことが出来るので奪うタイミングさえあれば良い状態でカウンターに移行できる。



センターラインに近い場面

 ______FW______

_SH_____←←←←SH_

__←←CH_←←CH____

_SB_____←←←←SB_

___CB__CB__CB___

2センターと逆サイドがボールサイドに寄せてスペースを狭くする。

中盤の3層はぶつかることがないので横スライドすることで密度を上げてスペースを消すことが出来る。



3-6-1ヘキサの並びの解説

_SH_________SH_

____CH___CH____

_SB_________SB_

___CB__CB__CB___

中央ラインは2センターと3バックでライン守備をする。縦のギャップを作らずにライン守備をすることで中央の縦パスコースを潰す。かつ中央の縦パスコースがないのでサイドのスペースを使わざるを得ないので斜めにパスが入る。斜めのパスは縦のパスより距離が延びるのでインターセプトのチャンスが高まる。2CHの壁を避ける為に左右に迂回する必要がある。左右はSHとSBがいるのでCHと合わせて囲んで奪うエリアになる。

中央のCH前、ボランチがボールを持っている場合は両SHが詰め寄って左右に逃がさないようにする。CHが正面で相手を受けてボールを奪取する。

左右からCB前、バイタルに入る場合はSBが中央に寄って囲むことと、CHがプレスバックして奪う。CBは動かないこと。

SHとSBが攻守に動くのでスタミナ、走力があること。中央のCH、CBはボール奪取出来る事。CHとCBは壁で動かないことが基本。両サイドが中に絞って囲んでからCHCBが正面で奪うことでボールが空いたスペースに逃げるリスクを避ける。

どのエリアで奪うのかは自陣敵陣など場面で変わるので自陣では出来るだけ前、横で、敵陣では後ろも含めて、という感じに状況にあった形で運用する。

2021年1月19日火曜日

ジュビロ磐田黄金期復活の鍵3-6-1ヘキサ

2020年8月23日 J2リーグ第14節 ツエーゲン金沢戦

ジュビロ磐田 6-0 ツエーゲン金沢

この試合だけは黄金期が復活したかのようなジュビロが見られた。


このとき何が起こっていたのか?


ジュビロ磐田は3-6-1をベースとしたやや変形したフォーメーションを採用していた。

名波浩監督が2017年に3-6-1を採用してJ1リーグ6位に食い込んだ。

3-6-1はショートカウンターを主体としたフォーメーションだ。

      FW

   OH     OH

WB  DH   DH  WB

  CB   CB  CB


このフォーメーションでは前線左右に選手がいないので相手SBからのアーリークロスに対しての守備が弱い。3CBでサイドCBの選手が左右に分かれる為に中央を守るCBが1人のみとなってしまう為だ。これはサイドの選手がWBだけなのでそのカバーをサイドCBが行う為でもある。

2017年の失点パターンはこのSBを抑えられなかった部分にあった。

以前はボランチにゲームメイカー、パサーを置くことが多かったわけだが、3-6-1など中央に人を集めてコントローラーを潰す戦術が生まれた為にSBにコントローラーを置くパターンが増えている。

この流れは以前はトップ下にコントローラーを置くところから始まり、これに対抗する為にボランチにボール奪取に優れる選手を置いた流れから来ている。

近年ではさらに下がってCB、GKが積極的にビルドアップに関わる流れになって来ている。


ジュビロ磐田が黄金期に使用したフォーメーションN-BOX。

3バック、サイコロの5の目の中盤、2トップという構成で、戦術的には中央縦に布陣をして左右を分断する。FWがボールを左右どちらかに誘導し、中盤5人がサイドに寄せて奪い取る守備からカウンターを狙うショートカウンター戦術を目的としたフォーメーション。

20年前に現代サッカーに近い戦術で多くの勝利を得た革新的なフォーメーション。しかしその難易度は高く、サイドに人が少ないのでサイド攻撃に弱い部分があった。


ツエーゲン金沢戦で見せたのは中盤の構成がN-BOXに近いものだった。


      FW

 SH        SH

    CH  CH

 SB        SB

   CB  CB  CB

中盤のDHはやや前に置いて2センター化、WBがやや下がり気味で5バックにもなるSBに。OHは高めの位置でサイドを深く攻める形ができるSHに。

このフォーメーションでジュビロ磐田はツエーゲン金沢から6点を奪う勝利を挙げた。


N-BOXでは中盤は5人だったが、3-6-1では6人。中央に2センター、3バックがいることで中央を即座に抜かれることはなく、サイドに人数がいるのでN-BOXの弱点であるサイド攻撃に対する守備力もある。3-6-1の弱点であるSBからのアーリークロスに対してもSHの高い位置での攻撃と守備があるので即座に撃たれることはなく、SBがいることで3バックが左右に広がらず、中央に密集しているので相手SBからのアーリークロスが撃たれたとしても十分に壁として機能する。


3-6-1ヘキサは3-6-1とN-BOXの良い部分を組み合わせ、かつ両者の弱点を減らしたフォーメーションである。


さらに重要なのは、ショートカウンターだけではなく、このフォーメーションを基礎とした他のフォーメーションへのトランジション、可変の柔軟性である。

3-6-1ヘキサはサイドが下がれば5-4-1となり、両サイドまでしっかりと封鎖した守備型のフォーメーションが出来上がる。先制、逆転などした後、残り時間の少ない場面でしっかりと引いて守りたい時などにも使える。

サイドが上がれば3-4-3となりより攻撃的なフォーメーションへとシフトすることが可能である。

中央を守りたい場合は通常の3-6-1にシフトしても良い。

3-6-1の変形としても使われるのは5-2-3のフォーメーション。5バックがラインを形成してショートパスもドリブルも通させない。3トップにすることで相手SBからのアーリークロスも上げさせない。SBのドリブルに対してはサイドで囲んで奪い取ることもできる。3-6-1ヘキサからならSBを下げ、SHを上げ、全体のラインをコンパクトにすることで変形可能だ。


3-6-1ヘキサの構造は、守備型フォーメーション=ピラミッドと攻撃型フォーメーション=シザースの複合型。守備型は4-3-2-1などゴールを中心として等距離に守るようにピラミッド状にする。一方攻撃型は両サイド前方の攻撃+ゴール前中央守備の鋏状のフォーメーション。3-6-1ヘキサでは、守備は中央ラインの1トップ、2センター、3バック(5バック)、攻撃はSH、SBの両サイド攻撃+2センター、3バックの中央守備。結果、攻守両方に柔軟な変化が可能なフォーメーションとなった。


中央ラインを守備、サイドを攻撃としてみた場合

実は3-5-2と同じということ。3-5-2はジュビロ磐田が扱う基本的なフォーメーション。

2トップがSHになり、WBがSBになり、トップ下が1トップに、Wボランチが2CHになっている。

1トップには強靭なフィジカルを持つファビアンゴンザレス選手が良いかも。カウンター時に単騎で突破し得点が出来る選手は非常に有効。

SHにはサイドアタック+PAエリア内での仕事の出来る選手。大津選手は大型でクロスもあるので向いているかもしれない。ルキアン選手は1トップでもサイドに流れがちなのでこちらの方が向いているかも。藤川選手、吉長選手など若手も積極的に使いたいポジション。

CHは守備と攻撃の両方に絡める選手。大津選手はここもできそう。伊藤選手とのツインタワー2センターが出来たら面白いかも。守備貢献ならば鹿沼選手なども。遠藤選手が入るならもう一人は守備的な方が良い。

SBには加藤選手、鈴木雄斗選手が合いそう。サイドで奪ってからの速攻カウンターが戦術なのでその核になりそう。サイドに張り過ぎずに中に入ってボランチの仕事が出来ると2CHが中央攻撃に絡めるので、CHとSBの組み合わせは中央攻撃とサイド攻撃とで入れ替わりなどがあるとバリエーションが出て攻撃がさらに柔軟になる。

CBには多くのCB人材が揃ってきているので誰が入っても問題なさそう。

GKだけは補強が必要かもしれない。

2021年1月16日土曜日

新加入選手

ジュビロの新加入選手、補強を見てみると結構良い感じ。

フィジカル面を強化しているので1対1にも強い。

ファビアンゴンザレスの強さスピードはかなり期待できるがコロナ対策の為に合流は遅れてしまうことになる。序盤は参加できないが途中から参加する追加ヒーローとして登場してくれ。

大津は怪我でプレースタイルを変えざるを得なくなったが、それでもフィジカルを活かした中盤での活躍が期待できる。攻守に絡むことのできるタイプなので中央に伊藤と2人で布陣してハイタワー2センターとして相手のパスを通さない壁として期待できる。攻撃時は前目に大津、その後ろに伊藤と並んで中央をミドルシュートで攻撃して欲しい。サイドから崩すチャンスがあればそのままゴール前に上がって高さを生かしたヘディングで決めて欲しい。

鹿沼は中盤のプレスでボールカットからのカウンター。

加藤も相手のサイド展開、縦パスをインターセプトしてのカウンター。

大津、伊藤のWハイタワーを中央に並べることで鹿沼、加藤がサイドでボールカットからカウンターを仕掛けやすいはず。

DFは山本、大武と大型CBがいるのでハイボールにも強い。

唯一の問題はGK。ここだけ穴が塞がっていない。八田は悪くないがまだ弱点が克服できてない。カミンスキーのような反応が必要。


テクニカルにだけ走るのではなく、フィジカル面も強化出来たことは大きい。

ジェイ、アダイウトン、ムサエフ、カミンスキーと加入してきた時に近い感じ。

今回は外国人ではなく日本人構成。

助っ人外国人が少なくなったが日本人同士で意思疎通の速度は速くなったので連携面ではよくなるかもしれない。

しかし共通理解が重要なので細かい場所まで含めて確認作業はしておくべき。それを怠るとリスクのある場面で齟齬が生じることになる。


まずは開幕戦勝利を願って待つしかない。


2021年1月14日木曜日

結果にコミットしない → 迷走

ジュビロの迷走の根源 = 結果にコミットしない。

具体的に言うと、試合で活躍した選手を正当に評価できていない。
人気のある選手とその選手のグッズ販売は経営面での利点であり戦略的には貢献する。
しかし、チーム全体としてみた場合に汚れ役をする守備陣の評価が良くない。
攻撃サッカー、パスサッカーを掲げてしまう為に守備が個人分断されて個人の責任問題にすり替わってしまう。
大南の移籍や藤田の評価などほぼそのライン。
CBやGKがミスをする確率は高く、その責任を一人に押し付けることは非常に危険である。
そもそも守備は個人ではなく全体で賄うべきものであって、個人のミスはその局面だけを見るのではなく、そこに至る経緯がある。
失点の理由はGKが止められない以前に守備ラインがコースを限定で来たか、中盤が詰めていたか、前線が追っていたか、というすべての連動が切れていたことによる。
もしくは敵のボール回しが的確でこちらの守備組織の構成の弱点を突いた崩しを徹底されたか。
いずれにしてもチーム全体として守備に穴がありそこを突かれたことに間違いはない。

攻撃サッカー、パスサッカー、ポゼッションサッカー、サイド攻撃とスタイルを作ることも良いが、得点や失点を深く分析して評価して強化、克服することが出来ているか。
複数得点出来た戦術や勝った時の戦術をベースにするべきでスタイルを求めるより勝つことにこだわるべき。
つまり勝利という結果にコミットする必要がある。
結果を出した戦術、選手を評価することが重要。
内容が良かった、という言葉は結果を重視しない。
内容が悪くても勝利することの方が重要である。
パスをいくら回しても得点にはならない。
重要なのは得点することであり勝利する事である。
まず最初にチーム全体が勝利主義に立つ必要がある。
そして勝った戦術、選手を評価するべきである。

なぜ迷走するのか、それは選択肢が間違っているから。
常にチグハグな事をやり続けているジュビロ。
なぜそうなるのかを真剣に考えて解決する気があるかどうか。
人気選手ばかりを利用するスタイルは実力主義を潰す。
結果として勝利できない=見向きもされなくなる。
勝利が第一であり、売り上げはその次であるべき。
勝利こそ売り上げへの近道である。
真逆なポピュリズムに走った結果が低迷期。
スパルタンスタイルで勝利重視であるべき。
勝利こそ利益を生むものだと理解するべき。

2021年

遠藤を延長したがかなりの選手を放出済み。

オール磐田=身内主義の構図で行くようだ。


問題点はいくつもある。

まず肝心となるのがGK。八田、三浦、杉本。八田はベテランで平均的な能力はある。中長距離でコースが限定されている場合には強いが、近距離で1対1だと反応度の低さで負ける。三浦は逆に小さく反応は速いので近距離に強いが中長距離からのボールや高さのあるボールに弱い。杉本はサイズはあるがとにかく足元が駄目でパスサッカーが出来ない。

何故GKが重要かというと、GKの能力を活かしながら、弱い部分を覆う為にはDFの守備ラインの高さが関係してくる=チーム全体の位置取り=戦術の幅と関係してくる。

カミンスキーのようにサイズがあり反応度も高い選手がいると非常に助かるのはGKに合わせずに守備ラインを自由に動かすことが出来る。逆に能力の低いGKがいるとその選手に合わせないといけないので戦術の幅が極端に狭くなってしまう。

八田の場合は守備ラインを上げて距離を作り撃たせて八田がセーブした方が良い。裏取りされないように4バック5バックで突破させずにミドル~ロングシュートは許すが突破は許さない守備が必要になる。突破を許すとしてもサイドのみで中央の高さ勝負では八田が競って勝てばよい。サイド突破に対しては上げさせないこと、上がって来たら八田がセーブしに行き、DFはゴールを防ぐように並ぶこと。

逆に三浦の場合は中長距離から撃たれる、高さのあるボールを撃たれると困るのでしっかりと引き付ける必要がある。守備ラインが遠すぎるとカバーエリアの狭い三浦では対処できない。このため守備ラインを自陣にとどめておく必要がある。

バランスのある志村が抜けたことで使える戦術が限定されてきた感じもあるので、どのGKを使うのかは非常に重要な選択肢となる。

八田がメインで戦術を変えない場合は杉本に代わるが経験と能力で差があり過ぎる。三浦では八田と真逆のタイプで戦術を変えないといけない。よって今の構成は非常に不安定といえる。GK自体は長時間プレーできるポジションだが怪我もしやすいのでバックアップは重要課題の一つ。ここでも磐田のチグハグ差が出てしまっている。


中盤パサーの迷走

針谷のレンタル延長を見ると上田の流出を思い出す。名波がレフティパサーコレクターで何人もレフティを集めて自分のコピーが多くいれば強いと勘違いした時代の犠牲者。結局パサーは何人もいらないし、守備の要の中央で守備が出来ないのでは話にならない。中盤を制圧出来なければゲームをコントロールは出来ない。攻撃的でも守備的でも中央の制圧力は非常に重要な要素。ボールコントロール以前にセカンドボール回収、ボール奪取が重要な点。それを無視してボールコントローラーを重視するのは本末転倒。


外国人選手の一掃

外国人選手がごっそり抜けてほぼ日本人になったことでコミュニケーションや文化的な障壁はほぼなくなった。意思疎通のスピードの面では問題が少なくなった。しかし外国人の持つパワーやスピードといったフィジカル面で劣勢に立たされることになる。チーム全体に、よりテクニカルな能力を求めることになる。判断力の速さ、パスのスピード、攻撃パターンの選択、という部分でスピードが重視されなければならない。フィジカル的劣勢を回避するには1対1の場面を無くしより全体がまとまるもしくは分散して連携の速度の速さで対処しなければならない。この為攻撃にはアイデアよりパターンが求められる、複数のパターンの併用、応用とその選択速度が重要視される。


中山のコーチ復帰と若手の成長

チーム全体の底上げとして中山をコーチとして復帰させた。ユースからの選手も多くオール磐田体制になった。一方で中堅の上原をレンタルで出したり中野が完全移籍するなど中核となる層が不安定というのが気になる。


戦術

遠藤を延長したが個人に頼らない個々の攻撃力を高めたチームにするようなコメントなのでパスサッカーというよりどれだけアタックできるかの部分が注目されるかもしれない。


レギュレーション理解度

2021年のレギュレーションではコロナ対策としてコロナ発生時に0-3で負け試合になる。ということで選手数の調整はかなり重要。ただの負けではなく失点付きの負けなので順位的にすぐ落ちることになる。交代選手枠の数も戦術的に重要で去年は5枠全部を使えなかった。5枠あるので怪我交代を抜いたとしても2~3枠は使えるので体力面の問題を解決できる。こういうレギュレーションを理解した上で戦術に組み込んで利用するのは基本中の基本。それが出来ていないのは微妙。



2021年1月8日金曜日

541カウンター

______FW______

__SH→_____←SH__

__↑_CH___CH_↑__

__SB_↓____↓SB__

___CB__CB__CB___


1.サイドを封鎖して中央のCHが下がりつつ中央に引き込む。

2.CHSBで4人ラインを作りSHが中央にプレスバックして中央で囲んで奪う。

3.両SBが前線に上がってカウンター。


SHはバランスタイプ、CHにボランチタイプ、SBに攻撃タイプを置いたスタイル。

中央側に巻き込むようにロールして中央で潰す。

攻撃はワイドのSBが上がってカウンターを仕掛ける。

中央のSH・CHの4人の囲みで逃さないこと。

SBCBは中盤SHCHの囲みを抜けてくる相手を捉える事。