ジュビロの戦術的な強みとは何か。
過去のフォーメーションから探ると
1.NBOX
2.352
3.361
共通点は3バックと中盤の厚み、中盤ボックスによるゾーンプレスからのショートカウンターと中盤、最終ラインの攻撃参加による多層的な攻撃。
弱点はサイド攻撃に対する守備。
NBOXではサイド守備がなく、352ではWBが攻撃的位置、361ではWBが3列目だが攻撃時は2列目に上がる。よってどれも攻撃時にサイド守備が薄くなる欠点があるがボランチの横スライドかCBの横スライドによって対応している。しかしこれが問題点でもある。CBの横スライドは1CB+2SBの形で中央にスペースが空いてしまう。よってボランチは下がり目で最終ラインに下がる事が求められる。
サイド攻撃の為にボランチが下がらざるを得なくなり中央の攻撃とボールの回収が遅くなる。2トップにボールが収まる前に相手の守備にボールが回収されカウンターになってしまう。
ジュビロの強みの一つにサイド攻撃があるがサイド守備の問題が残りそのフォローを考えるとサイド攻撃の為にWBを上げるスタイルは対カウンターに対してかなり劣勢になってしまう。
3バック+ボックスの強みを生かしながら、サイド攻撃とサイド守備の問題を解決する方法として361ワイドボックスに至る。
中盤のボックスをそのまま横に延長してOHとDHをSHとSBにする。中央が空いてしまうので2CHを置く。NBOXだとCHが1人なのだが、ここでは2人にする。サイドの攻撃と守備はそれぞれSHとSBに割り振られる。中盤のゾーンプレスを6人で行いながら、ショートカウンターにSHとCHが連動する。
中央ボックススタイルは442ボックスや361でもできるのだが、これには大きな罠が潜んでいる。問題点はその並び方。中盤中央に4人が密集しているのだが、ボックスの並び=縦横に人が並ぶので攻撃時のパスが出しにくいという点。守備は基本的にボールホルダーの前に立ちふさがり直線のパスを切る。そこで攻撃側はボールホルダーを頂点にした逆三角を作ることで左右に2つのパスコースを作ることでこれを回避する。重要なのは斜めのパスコースである。442ボックスも361もどちらもボックス+縦横なので斜めのパスコースが存在しない。これが361ワイドボックスだとボックス自体が外周になって中央に2CHの横並びになり、SHSBとCHとで斜めのパスが可能になる。これがショートカウンター発動時に重要になる。
361ワイドボックスは中央の2CHを迂回しようとすればサイドにいるSHSBとCHに囲まれる。中央を突破しようとしても2CHの後ろに3CBがいる。サイドと中央の間を抜けようとしてもCHCBとSBに囲まれる。361ワイドボックスは中央は横並びだがサイドにいるSHSBとは段差があるのでSHSBCHの三角形とCHCBSBの三角形が連続で並んでいる。ハーフスペースを攻める現代サッカーに対してはこの場所を守る必要がある。その為には3バックにはSB/WBが必須になる。361ワイドボックスではこのハーフスペースに三角形を作ることで攻守に活かすことが出来る。
361ワイドボックスは20年後に現れたNBOXかもしれない。
0 件のコメント:
コメントを投稿