2024年1月26日金曜日

5-4-1ベース可変

5-4-1フラット:ゾーン1での守備
5-4-1ボックス/3-6-1:ゾーン2オープン
3-4-3フラット/3-4-3ダイヤモンド:ゾーン3攻撃

SBを上げ過ぎずに中盤サイドまで上げてクロスを狙う、サイドに相手を引き出してハーフレーンの縦パスを狙う

5バック+Wボランチの7枚で5トップの5枚にマンツーマン+2枚フリーを作り、ボールの出し所をフリー2枚+GKの3枚でボールのキープと5トップの裏へのリンクを行う

後ろの人数を増やすことで安定したボールキープをする
フリーの枚数が多いので持ち上がりでマークを引きつけて、マークの外れた選手へのパスを通すことで守備を崩す

相手も2枚フリーになるので、それを相手の後方や逆サイドに作り、ボールサイドではマンツーマン+2枚フリーの有利を作る

相手が同じようにサイドに寄せるティルティングをして来たら5バックの枚数を活かして逆サイドのSBが前進してアウトサイドを利用する

基本は数的優位を作ること、相手が同数にするなら位置的優位に移行して空いたスペースを突く、相手が分散するなら局所に数的優位をまた作る
こちらがジャンケンで有利になるように立ち回ること

中盤中央4枚のボックスに5枚を作るなら、両サイドのスペースに分かれてサイド展開からサイド突破を狙う、サイドに寄せて来たら中央に人数差を作り中央を突破する

後方の枚数有利=後ろから前に出ていくことが出来るor後方に下がることでキープと前線のスペース構築が出来る→スペースへの走り込みによる攻撃に移行できる

相手の守備をサイドや自陣後方に向けておびき出させる、釣られて出てきた相手の背後のスペース、脇のスペースへ侵入して崩していく

まずはSBでSHを釣り、サイドを開けさせる、相手SBを釣ってCB脇を開けさせる、最後に脇を狙って侵入し、脇からCBとGKの間に流し込んでCFが決める

1トップ2シャドーに加えてWボランチの1人はトップ下、Box2Boxタイプの攻撃的な選手にする、もう1人は守備型のボランチにする

1トップ2シャドーの3枚が攻撃の軸になるがボランチから上がる事で中央のトップとサイドのシャドーの作った幅にボランチが侵入してくることで突破する形を作ることが出来る、この時は3-4-3のダイヤモンドの様にWボランチが縦関係になりSBやシャドーが幅を作る

攻撃型ボランチの戦術眼と動きが攻守の要
シャドーはIHとSHの両方出来る様なタイプで
SBは偽SBでボランチ役とサイドからのアーリークロス供給も行う攻守のバランスがあるタイプで
シャドーが中にいる場合はSBが外、シャドーが外にいる場合はボランチが中、と後ろからの攻撃参加の形が変わる、場合によってはシャドーが外でSBがカットインで中、シャドーが中でボランチがサイド展開のようにレーンを外す動きで相手の守備をかわす組み合わせもあり
対面する相手の質的優位を消す、自分の質的優位を上げるなどの為に入れ替わるのもあり得る

配置的に5-4-1や3-4-2-1に見えるが構成的には3-3-3-1の様な感じになる2列目の中央、トップ下がボランチに下がるような感じと3列目の両脇が下がるWB→SB的な感じの配置

超攻撃的に行くならSBをさらに上げた3-1-5-1の形式にも
多分名波的にはそういう感じだったのだろう
しかしサイドが上がり過ぎなのと3バック脇を抑えられない、残った守備ボランチの強度問題などで運用面ではいまいちになった

SBを偽SB、ボランチ役とすればWボランチから1人が上がった時に残り1人のボランチとSBの偽SBで3枚が3バックの前にいる3-3-3-1の形になるので守備的には問題なくなる

1トップ2シャドー1ボランチの4枚で足りない場合は偽SBで上がっているSBが攻撃参加した5レーン攻撃もできる、両SBを上げるのではなく、1ボランチ+1SBの2枚を上げることでサイドの守備を完全に無くした状態での攻撃は避けられる

ボランチやSBの攻撃参加で段差のついた攻撃が出来るのでリレーショナルプレーの斜めの梯子を構築しやすい

5-4-1フラットの場合は全体が横幅をカバーする守備になるが、そのままフラットで攻撃するのではなく、段差を付けた斜めに繋ぐ形を作ることでライン間やブロックの中間の位置でのポジション取りがしやすくなり相手の守備の状態を崩しやすくなる

5バックと中盤ボックスの形から中盤サイドにスペースを作りやすく、そこを使った攻撃をしやすくなる

5バックでSBが低い位置をキープすることでボールをロストした場合でも建て直しがやりやすく運用面でもメンタル面でも安定感が出る

守備で余裕があるのでカウンターもやりやすい、5バックの幅を活かして逆サイドのSBを上げることで局面を一気に変えやすい、SBはボールサイドは下げ、逆サイドを上げる様な運用の方が刺さりやすい、ボールサイドで突破しようとすればするほどボールサイドに寄せて守備してくるので逆サイドが空きやすい、4バックでは両SBを使った攻撃はやりにくく、両サイドを上げてしまうとCB脇が大きく露出するのでWボランチがいてもハーフレーンから外側を守備できずに突破されやすい

5バックの場合は守から攻への変化がやりやすく、守勢になっても全く問題がない点で心強い、4バックで守勢に回ってしまうと打開することが難しくなる

SBがサイド守備と後方からの組み立ての軸となるので守備力+展開力が必要、強度を活かした持ち上がりとカットインからのミドルシュートなどがあると更に強力になる

2シャドーは素早さと持久力の高さで長い時間走れるタイプ、外にいる時はマークが薄いので正確なクロスを、中に入った場合は脇を突く縦の突破を求められる

攻撃型ボランチはスタミナと強度、戦術眼とポジショニングと万能なタイプで中で仕事が出来る事、局面に合わせた位置取りが必要になるので下がるか上がるかをきちんと出来る必要がある

攻撃型ボランチの縦の動きはプレスの時にも使える、3-3-3-1の形から守備ボランチのプレス+逆SBの中締めによって中盤にN-BOXを構築できるので、Wボランチ+SBの動きによって、中央からのプレスでサイドに寄せ、そのままサイドにN-BOXを構築して奪い切る、そしてカウンターする、この時は逆サイドのシャドーが空いているのでサイドチェンジ展開と奪ったサイドはそのまま縦に動いてクロスを待つ形になる

2024年1月24日水曜日

対4-3-3

J1では4-3-3の前線からのハイラインプレスが多くなる
1対1で負けない、という強度の問題のほかに前線に5枚の2-3-5の形を作ることで前からポゼッションに対して圧力をかけることで自陣からボールを蹴らせない、というのが戦術の大きな部分になる

4-2-3-1だと4-3-3に対して2CB対CFの2対1、1対2以外が全て1対1の形で個の強さを求められる事になる
こうなるとJ1の選手の方がJ2J3からの補強で組んだジュビロは分が悪いのではないか

そこで人数差をつける量的優位を作り、そこを使って攻める形を作りたい

5-4-1のボックスを考えてみる
5バックのSBとCBの3人が3トップに1対1になるがRBLBがフリーになる
Wボランチが2IHに1対1になるので7対5で2人+GKの3人がフリーでボールをキープできる

中盤をボックスにすることで4-3-3のアンカー位置を挟み、中盤が4対3を作ることで数的優位を作ることが出来る

ここで4-3-3側は中盤の厚みを持たせるためにSBを上げてくる
これを仕掛ける為に中盤をボックスにしている

SBが上がると2SB+アンカーの3枚で2シャドーに対応しようとする
中盤が4対5になるがSBが上がったことでCB脇が空くので前線へのボールを止めることが出来ない

また2シャドーがSB脇を攻めることで中央に3対2の数的優位を作って攻撃を仕掛けることが出来る

後ろに枚数を置いてボールの確保をしつつ、中盤のボックスを囮にしながら相手のSBを中盤に上げさせてその背後のスペースを攻める

4-3-3のアンカー脇に2シャドーがいるので後方のフリーなRBLBGKからのボールをシャドーが受けられる
それを阻止しようとSBが上がればCFがSBの背後に流れ、逆サイドのシャドーやボランチの一方が縦に侵入してきて攻撃に加わると厚みが出て決めやすくなる

4-3-3の中盤がサイドに寄せて全体がサイドに寄った場合、5バックの逆サイドのSBが上がって広いスペースで受けることができる
5バックのうち2枚はフリーなので、どこをフリーにするかは場面で変えることが出来る

3トップに4トップだとCFに2枚、フリーが中央1枚のみでフリーを攻守に活かすような形を取りにくい、3トップに5バックだと2枚余るのでその分変化をつけやすく攻守に活用できる
特に4-3-3が相手の場合、前線の3トップを抜かれると中盤での不利があるのでそれを防ごうとSBを上げてより攻撃的な守備で奪い返してショートカウンターを狙ってくる

後ろの余る枚数が多いと左右の幅を使えることとフリーの状態で持ち上がる事も出来る

フリーの選手が持ち上がり、マークが向いたらバックパスし後ろでフリーになった選手に渡す、マークが後方の選手に向いたら持ち上がった選手かシャドーの選手が中盤サイドに開いて前向きのボールを待つ

人数差でマークを散らしてボールを中盤サイドのスペースのある位置へ展開する
4-3-3側はSBを押し上げえ奪いに来るのでCF+中盤ボックスの5枚がボールサイドに寄せて人数差維持を継続する

4-3-3側が全体をボールサイドに寄せて人数差をひっくり返そうとするなら逆サイドのSBに大きく展開してスペースを突くか(ポジショナルプレー)、ヨーヨーで一旦ボールを下げて逆サイド側にサイドチェンジを見せつつ、4-3-3の寄せを中央に戻して、もう一度ボールを同じサイドに戻すヨーヨー(リレーショナルプレー)のどちらかを選択できる

4-3-3の3トップ、前線5枚プレス、中盤3枚+2枚プレスなどを後ろの人数を増やして幅や人数を活かして対応、中盤ボックスとCFで縦の深さを作りティルティング(サイド寄せ)と中央の制圧力、3トップ化の中央攻撃の貫通力などで対策する


2024年1月23日火曜日

N-BOXの特異性

ボックス守備は中央の位置が大きな弱点であることは距離の計算から理解できた

ではN-BOXではどのような違いがみられるのかを解析する

N-BOXの中央の位置とボックスの形状の違いにより2種類に分けることができる

底辺となるボランチから中央の位置を角度で考えると、30度と60度の角度に分けられる

ボックスの形状は正方形ではなく長方形であり、横長か縦長で考える

ボランチから30度の角度で中央を決めるとボックスは横長になり、中央の前後にスペースができやすくなる
ボックスの縦の関係が近くなるが中央がいることで左右の幅は長くなる
横長では左右のトライアングルがプレスエリアになる

ボランチから60度の角度で中央を決めるとボックスは縦長になり中央の左右にスペースができやすくなる
ボックスの横の関係が近くなるが中央がいることで前後の幅は長くなる
縦長では前後のトライアングルがプレイヤーエリアになる

ボックスの形状が横長と縦長を作れることから広いレーンを守る横長ボックスと、ティルティングによる縦長ボックスを使い分けることで対ポジショナルプレーの横長、対リレーショナルプレーの縦長の両方に対応できる

また中央がいることでリレーショナルプレーの斜めの梯子が出来ているので中央をスルーしたカットライトのパス、中央が飛び出すパスアンドゴー、ワンツーの組み合わせなどリレーショナルプレーに非常に合った攻撃を組み立てられる


4-4-2守備の非合理性

日本だと4-4-2が標準的に使われがちだがはたしてそれでよいのかを考えてみる

1人の選手の守備範囲を円とし考える
単位円(半径が1)とする
4-4-2の並びは縦横に揃った並びなので、前後左右の距離は2
斜めの距離は直角二等辺三角形(90度45度45度)なので比率は1:1:√2
距離が2なので2:2:2.82となる
斜めの距離では0.82の間隙ができてしまい、ここに立たれるとパスを防ぐことが出来ない

5-4-1の場合
後ろの並びの中間に立つ
横方向か1、縦方向が2になるので斜めの距離は√5になるので2.23で済む

差分は0.82-0.23で0.59
単位円の半径の半分相当の距離の差が生まれる

守備において2CBとWボランチによるボックス形状の守備や4-4-2の守備形式はボックス中央に大きな隙を作ってしまうので非効率

また5レーンに対して4人なのでアウトサイドを使ったワイドな組み立てに対しての守備が出来ない
全体がスライドしなければならずサイドチェンジに弱い