2020年7月16日木曜日

2020/07/15 福岡戦

福岡戦は442同士だったがオープンな展開が多くてボールが収まらなかった。

ジュビロは両SBが右に小川、左に櫻内で突破とクロスを狙っているように見えた。
しかしほぼクロスなし。
左の櫻内は上がるがその裏を突かれることが多かった。
ハーフタイムの集計では右の攻撃が多かった。
右SHの松本のボールを受けた時に背中で相手を抑えながらターンして突破したのはよかった。
ボランチに上原と山本がいたがミドルシュートは数が少なかった。

攻めすぎてPA内に押し込んでゴール前がガチガチになることはなく、
逆にPA前辺りまでは行くが、そこから内側のスペースへの侵入する為の崩しができなかった。
1つは最終ラインがハーフライン付近にいて前線からかなり遠かった。
オープンな展開だったのでリスクを考えてのポジション取りだったかもしれないが
これによって前線との開きが大きく守備に対して圧がかからなかったかもしれない。

福岡は442で同じ布陣だったことで1対1の場面が多くなる。
ボールが収まらずオープンな展開で前後が開きやすかった。
442は横幅を4人で守るためにサイドチェンジに対して守備しやすかった。
442の3ラインはオープンな展開ではライン間にスペースができやすい。
このような状況なのでジュビロのサイド攻撃+遅攻が相手にとっては守備しやすかったかもしれない。
ジュビロとしてはオープンな展開を利用して3ライン間のスペースでボールを繋ぐことができる。
サイドを1人にして4ライン構成にすることでボールをより繋ぎやすくできる。
サイドを1人にしてSH、SBをサイドに寄せる事で中央の4ラインの繋ぎがよりスムーズになる。

ジュビロの基本戦術はサイド攻撃+サイドチェンジ+ポゼッション遅攻。
福岡としては同じ442でサイド守備は対応できるのでカウンターを狙えばよい。
ジュビロはサイド攻撃なので中央の守備が薄くなるのでカウンターに弱い。
ジュビロ側の攻撃は中央に人がいないのでサイドさえ押さえておけばよかった。
実際、サイドでボールポゼッション出来て守備をサイドに誘導できていたが、中央にはFWが前線にいるだけでトップ下となる場所は大きなスペースがあった。
FWがここで降りてきてミドルシュートを打つオプションがあればよかった。

今回は基本戦術と戦況がマッチしなかったことと、それに合わせてSBの役割がさらにマッチしていなかった。
問題点として足元で受けるパスサッカーは硬直する。
大きなスペースがあればそこに入ってくる動きによって大きくアドバンテージを得ることができる。
ジュビロの戦術には多面性がない。基本戦術が嵌れば強いが嵌らないとそれほど優勢も得られない。
フベロの戦術の基本はボールポゼッションによる守備機会の減少と攻撃機会の増大。
攻撃機会の増大はシュートチャンスを多くする。
シュートチャンスが多ければ得点確率が高くなる。
守備的に考えるとボールポゼッションによって相手の攻撃機会を減少する。
しかしカウンター狙いのチームでは攻撃機会は少なくて構わない。
少ないチャンスに得点すればよいだけ。
カウンター狙いの守備側のチャンスとは相手が攻め込んできているタイミングで奪う事。
攻撃側の最終ラインが上がりきって戻れない状態を作り出すことで大きなチャンスを得られる。
ジュビロはサイドチェンジの為に両サイドに人数をかける為に横方向に陣を敷いている。
その為に前後方向に対する守備は弱い。
攻め込み過ぎること+ボランチがサイドに寄り過ぎて中央が薄くなりCBだけで守備する形となってしまう。

442はゾーンディフェンスからのカウンターの為の布陣。
2トップはカウンターで突破できるタイプが好ましい。

ジュビロの場合はゆっくり押し込んでいくタイプの戦術。
問題点は早いオープンな展開ではテンポを作ることができない。
また横幅を取る3ライン布陣の為に前後方向にスペースを空けないようにするためにコンパクトに運用すると背後のスペースが大きくなってしまうこと。
これはカウンター型のチームに対してアドバンテージを与えてしまうことになる。

後半GKの八田が2度ストップした時があるが、GKが直接ボールをストップするということは守備陣の破綻と失点機会が迫っていることを意味している。
守備の修正をするならこの辺りでするべきだった。
結局は失点後に超攻撃的布陣に移行したがロスタイムがほぼ無駄な時間に終わってしまいまともなプレーが出来ずに終了してしまった。



今回の試合は色々なミスマッチが多かったと感じる。
それと基本戦術を補うための戦術オプションが少ない。
カウンター型に対してどのように打開するのかが見えない。
J2では守備からカウンターするチームが多いのでパスサッカー+サイド攻撃+遅攻という戦術では不利なチームが多い。
もともとフベロはそういう土壌の国で今のスタイルのチームを2位にしていた監督なので打開策はあるだろう。
どのように修正するのかを見ていくしかない。


カウンター戦術は2面性があり、第一は守備の徹底、第二は速攻。
基本は守備をしていればよく、失点機会自体が少ない。
逆にボールを奪ったタイミングで得点できないとカウンター戦術は通用しない。

対カウンター戦術としては守備機会にどれだけ走り回らせるか=体力を低下させるか。
ボールを奪ってから速攻するまでの間に潰せるか。
J2の今年の交代枠は5人なので体力を低下させたとしても後退してフレッシュな選手がすぐに入ってきてしまう。
この時点でジュビロの基本戦術は不利である。
またサイドチェンジによって体力を奪われるのは横3人までの4ライン布陣であって、442や532などの横方向に布陣した守備ではそれほどポジション移動がないので体力を奪えず、
ポジションの隙を突くこともできない。

ボールを大きく動かして守備側を走り回らせることができないと遅攻のパスサッカーは成功しない。
ピッチ全体を大きく使ってボールを回してまず相手の守備のスペースを突いていく必要がある。
ボールを回すということはそれだけボールを失う機会も多くなる。
ボールをサイドに置くというのはボールを奪われそうになってもタッチラインに逃げることができる為。
プレーを一旦切ることでポジションの確認修正が可能だから。
ボールが中央にあると逃がし所が無くボールが悪いポジションにあっても逃がすことができずに奪われ、さらにプレーが継続されて失点機会が大きくなる。

ジュビロの攻撃と守備の兼ね合いについてはサイド攻撃なので攻撃陣はサイドに、ボランチとCBの四角形が中央で守備という風になっている。サイドを攻めきれずにボールが奪われると中央の守備陣のいないサイドのスペースにボールが出やすい。
守備陣はボールを繋いでポゼッションを維持するべきか、サイドに切って味方の素早い帰陣を待つかを選択しなければならない。
これは状況によるが、昨日の失点シーンは既に複数回シュートされた後の場面。
両者無得点でジュビロとしては攻めないといけない状況となりカウンター狙いの福岡としてはチャンス到来。
この状況でカウンター発動の場面だったので藤田は無理に繋ごうとせずにタッチんに逃げて味方の帰陣を優先した方が良かったのではないだろうか。
相手FWも味方との中間に位置していたわけだし。
あのパスを選択したのは失点リスクが高すぎる。
ベテラン守備陣としては判断ミスだったと思われる。
失点した時間も遅く、反撃できる時間は10分+ロスタイムだった。

昨日の試合はジュビロの弱点が詰まっていた試合だった。
というわけでこれを克服しないといけない。
失点のミスは藤田の判断ミスだけではなく、それ以前にシュートを数本打たれているわけで守備の穴が発生している可能性が高い。
シュートに至る場面で何故シュートに繋がるパスが通ったのかを分析すれば明らかになる。


ジュビロとしては基本戦術はそのままでいいが、カウンターメタの構築が待たれる。
基本戦術の延長としてのカウンターメタが出来ればその方がいい。
オプションとしては433の3ラインで3トップに対してCBからWGに、SBからCFに放り込みなどが考えられる。
中盤はフラットな3ボランチでボールを回収する。
放り込みの利点は最終ラインから最前線までロングボールを入れるのでライン間が離れていても問題がないこと。
3トップによって守備側の最終ライン全体にプレッシャーをかけることができ、カウンターのロングボールを入れにくくさせることができる。
中盤のフラットな3ボランチも中央に壁を作ることでカウンターのボールをグラウンダーでは繋げさせず、サイド展開を強制することでボールが前線に行く時間を稼ぐことができる。
時間がかかれば味方守備陣の帰陣時間を稼ぐことができる。
4バックはそのままで相手のカウンターに対して人数をかけることができる。
スペースを与えないのでコースを切ったり、対人で寄せたり、カバーしたりと得点を与えるチャンスの多くを潰すことができる。
3トップへのロングボール放り込みはFW、WGへのマークの数を1対1に近い形にできるので個人の能力の高さを活かすことができる。
FW小川のようにマークされやすいFWの場合前線の人数が増えればマークの人数が減る為に活きてくる可能性が高い。
またオープンな展開になりライン間が空いているためにFWから中盤までの間にスペースが生まれる。
この空いたスペースに下がってくることでマークをかわして有利な状態になったり、ミドルシュートを狙ったり、自分のいたスペースをコースにして味方を活かしたりと周りとの連携にも使うことができる。

今のジュビロならSH一人が上がればすぐに433を作ることはできるので簡単なオプションとして導入できるはず。
例え3トップがボールキープできなくても中央に落としさえすれば3ボランチがそれを奪ってミドルシュートや次の攻撃へとつないでくれる。
3ボランチは主にボール回収と中央攻撃を担う。
3トップは前線で守備を散らす。
4バックはロングボール供給とカウンター対応。

442に対してなら3トップがSBを抑えてくれる。
3ボランチはWボランチを抑え込めるのでSHは4バックのSBが対応できる。
3ボランチによって中央を支配できる+WGSBのコーナーの対処もできる。
433は対カウンターへの対処の一案。
しかし532や541となるとまた違ってくるかもしれない。
5バック相手のカウンター対策は結構難しい。


442はほぼ均等に並べた特徴のない布陣だからこそ汎用性はあるのだが逆に強い特徴を示す相手には対応が難しくなる。
運用の仕方で良くも悪くもなる。

442をそのままで433の形のカウンター対策をしようとすると2トップだけでは少な過ぎ、中央に4人は多すぎる。
442ボックスか424が似た形になってくる。
SHをWGにあげて2トップを少し下げた形の424なら433に似た形にはなるかもしれない。
FWが少し下がってボール回収にも参加することと、CBとボランチの間のスペースにいることでボールを受けやすいかもしれない。
SBからのロングボールに対しては2トップが落としてWGにいるSHを使うかボランチの上がりを使うか、自分でコントロールしてシュートするか。
密集するので連携はしやすいがスペースが限られるので大きな動きができないかもしれない。
FWの一人だけが上がってボールを落とし、もう一人がスペースを使う動きもある。
いずれにしても相手の守備は密集しているので空中戦を使うかスペースを突くかしないとならない。
押し込むとスペースがないので空中戦の方がよい。オープンならスペースができやすいので裏への突破やミドルシュートを積極的に狙った方がいい。

SBが4バックを構成して上がらずラインをキープすることでボランチは裏のケアを考えずに中央の守備と攻撃時にサイドのスペースを使った動きができるようになる。
守備だけでなくゲームを作るタイプのボランチならSBはラインを維持してボランチの横移動を利かせた方が良いかもしれない。
ボランチが少し開くことでFWとSHの両方にアクセスできるので中継するかロングボールを前線が落とした後に受けるかする。
SHは前線にいることで相手SBをピンしておける。またFWが少し下がることで中央へのドリブルがしやすくなる。FWがギャップを作っていることでCBが前に出ることになるのでSHがその裏を狙うとCBはどちらかにつかざるを得ないので判断を要する。
FWは守備ラインから離れることで釣り出しが可能。
FWは下がっていることでスペースからCBSBのギャップに入りやすい。
SHが相手の最終ラインをコントロールしてFWがギャップを利用しやすいようにアシストする。
SHが真横から攻めればSBCBは止めにくい。その上やや後ろからくるFWにタイミングを合わせにくい。
CBはスペースを埋めやすいが止まっているとFWに対応できない。
FWはやや後ろから角度をつけて移動できるのでSHからのボールを受けやすいしシュートコースも得やすい。
SBからFWへの放り込みもCBが判断しにくくなる。前にいるFWに合わせるのか飛んでくるボールに合わせるのか判断しにくい。
FWが前線に張り付かずに動ける空間を持つことでFWの持てる選択は広くなる。
SHが前線を貼ることでFWは時間差をつけた攻撃が可能になる。
さらにボランチが上がることで3段攻撃になる。
SBSHが大きくボールを回せるので守備側はそれに合わせてサイド守備も広く行わないとならない。
囲碁の面積問題でよくあるのだが、外側数列の面積と内側の大きな面積が実は同じというやつ。
面積=守備範囲なのでSBSHが大きく左右前後にいることで守備を外側に誘導できる。
外側の面積は中央の面積より狭く見えるので外側に合わせて守備をしようとすれば中央の人数はおのずと少なくなる。
しかし中央は少ない面積の制圧で全体をコントロールできるのが利点。
中央制圧によって攻守に有利な状況を作ることができる。
ゼロトップに近い形でFWが少し下がることでスペースや時間差を使った動きで攻めやすくなる。
特にマークのキツイFW小川の場合はスペースに釣り出したり見えなくなる動きなど一見無駄に見えるかもしれない動きを覚えたら良いかもしれない。
体格が良いので真っ向勝負になりやすいかもしれないが、少し絞って動けるようになった方がより活躍できそうな気がする。


2020年7月5日日曜日

2020/07/05 岡山戦

後半30分くらいを見た

・問題点はアタッキングサードに相手を押し込み過ぎ。
・ゴール前に守備を誘導し過ぎ。

この2点。

サイドから上げるにしても最前線とキーパーの間にスぺースがなさ過ぎる。
裏のスペースを作らないとFWは勝負ができない+守備側が守りやすすぎる。


前線ラインはペナルティエリア前にすることでキーパーと守備ラインの間に空間ができる。
SB、SH、FWの6人が前線に並んで幅を利用する。
守備をサイドに引き寄せるためにSB、SH、ボランチでボールを回して組み立てる。

サイドからドリブルで守備を正面に集めるとサイドでのポゼッションは良くなるが、
守備陣がゴール前に集まるので肝心のシュートを正面から打てない。
サイドから上げてヘディングで狙うにしても前線を上げ過ぎると裏のスペースがなく、
DFとGKの両方に挟まれる。

押し込み過ぎなければ裏にグラウンダーのパスをサイドから出してFWが足を延ばせば入る可能性もある。

横の攻めと縦の攻めの両方を組み合わせないと上手く行かない。

横ドリブルでサイドから中央へ守備を集めるのはサイドのスペースを使う為。
サイドのスペースを使うのはサイドを縦に突破して裏のスペースを使う為。

アタッキングサードに押し込み過ぎている為にそもそも使うべきスペースがない。
もう少し使うべきスペースを考えれば得点できる可能性はもっと高くなる。